「老後資金2000万円不足」報告書の問題

老後のお金保険・年金

SNSやメディアで話題の「老後資金2000万円不足」報告書の問題でお悩みなあなたへ。当記事では、この問題に対するファイナンシャル・プランナーの見解を紹介しています。これを見れば、あなたの老後に役立ちます。

「老後資金2000万円不足」報告書の問題

金融庁が公開した金融審議会市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」が波紋を呼んでいます。

SNSで話題になったり、マスコミで大きく取り上げられました。国会では野党が政府を糾弾する材料にも使われています。

公的年金だけでは老後資金が2000万円不足するという、「2000万円問題」と呼ばれるこの問題について、ファイナンシャル・プランナーとしての見解をご紹介します。

金融庁の報告書について詳しく知りたい方は、下記の公式サイトでご確認ください。

公式 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について:金融庁

93%の夫婦に2000万円問題は起きない

老後資金が2000万円不足するということで大きな反響を呼んでいます。話題となった金融庁の報告書を読んでみると、これには前提条件があります。

金融庁の報告書では、「夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職夫婦の場合、毎月の収支の赤字額は平均5万円で、今後30年生きるとすれば不足額の総額は2000万円になる」と明記されています。

つまり、老後資金が2000万円不足するのは、3つの条件をすべて満たしたときだけになります。

  • 夫婦ともに無職
  • 夫が95歳まで生存
  • 妻が90歳まで生存

日本人の平均寿命は、厚生労働省が発表した資料からわかります。

平均寿命
性別平均寿命
男性81.09歳
女性87.14歳

出典:平成29年簡易生命表の概況(2018)厚生労働省

夫95歳、妻90歳というのは、日本人の平均寿命を大きく超えています。

同じ資料から、男性が95歳、女性が90歳まで生存する確率が分かります。

特定年齢まで生存する者の割合確率
男性が95歳まで生存9.1%
女性が90歳まで生存50.2%

それでは、夫が95歳、妻が90歳まで生存できる確率は、どのくらいなのでしょうか。

ケース確率
夫は95歳まで生存できないが、妻は90歳まで生存45.6315%
夫が95歳、妻が90歳まで共に生存できない45.2682%
夫が95歳、妻が90歳まで共に生存4.5682%
妻は90歳まで生存できないが、夫は95歳まで生存4.5318%
合計100%

夫が95歳、妻が90歳まで生存できる夫婦は、20組に1組もいません。老後資金が2000万円不足するのは、5%未満の夫婦だけです。

これだけでは揚げ足取りになってしまうので、もっと現実的な例を考えてみましょう。

夫が90歳、妻が95歳まで生存した場合で考えてみます。平均寿命からして、こちらのケースの方がより現実的です。男女が逆になっても、必要な老後資金は同じです。

特定年齢まで生存する者の割合確率
男性が90歳まで生存25.8%
女性が95歳まで生存25.5%

95歳まで生きられる男性は10人に1人もいませんでしたが、女性は4人に1人が95歳まで生きられます。女性ってすごいなあ。

夫が90歳、妻が95歳まで生きた場合にも、老後資金が2000万円不足します。そうなる確率は、次のとおりです。

ケース確率
夫は90歳、妻は95歳まで共に生存できない54.537%
夫は90歳まで生存できないが、妻は95歳まで生存19.663%
妻は95歳まで生存できないが、夫は90歳まで生存18.963%
夫は90歳、妻は95歳まで共に生存できる6.837%
合計100%

夫が90歳、妻が95歳まで生存できる夫婦は、15組に1組もいません。女性のパワーをもってしても、ここらが限界のようです。

結論として、93%の夫婦に老後資金2000万円問題は起きません。

話は脱線しますが、最近多くなっているLGBTの同性カップルはどうなるのでしょうか。

確率
夫95歳と夫90歳が共に生存2.3478%
妻95歳と妻90歳が共に生存12.8010%

女性同士のカップルは、老後資金2000万円問題に直面する確率が2倍に跳ね上がりました。

男性同士のカップルは…あまり心配しなくてもよさそうですね。

老後資金2000万円問題に備えるには

幸運にも(?)夫婦のうち15組に1組弱は、老後資金2000万円問題に直面します。

老後資金2000万円問題に備えるには、まずご自分の年金記録から受取り年金額を確認することから始めましょう。

年金記録は、毎年送られてくる「ねんきん定期便」で確認できます。ねんきん定期便の見方は、次の記事をご覧ください。

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自営業者などの1号保険者の場合、付加年金や厚生年金基金といった年金の上乗せ制度があります。

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自営業者や企業年金に加入していない会社員、専業主婦などの方は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度を利用することも有効です。

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