連邦公開市場委員会(FOMC: Federal Open Market Committee)とは、アメリカ合衆国の金融政策を決定する最高意思決定機関です。
FOMCとは
米国の連邦準備制度(The Federal Reserve System)は、1913年の連邦準備法によって設立された中央銀行制度です。その最高意思決定機関が、ワシントンにある連邦準備制度理事会(The Board of Governers of the Federal Reserve System)です。連邦準備制度理事会は、一般的にFRB(Federal Reserve Board)と呼ばれています。
FRBにおける金融政策の決定に関する議論は、連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)で行います。連邦公開市場委員会は、一般的にFOMCと呼ばれています。
FOMCはワシントンDCにおいて年4回以上開催することが法律で定められていて、5~8週間の間隔で年8回の定例会合が開催されています。これらの定例会議の間に協議を必要とする事情がある場合には、特別会議もしくは電話会議が実施されることもあります。FOMCは定期的に開催される各会合において、会合の合間に実施される政策について投票を行います。
2020年の日程
連邦公開市場委員会は、原則として6週間ごとの火曜日に開催されます。2020年に開催されるFOMCの日程は次のとおりです。
開催日 | 声明発表 | 記者会見 |
---|---|---|
1月28日~1月29日 | 日本時間1月30日 4:00 | 日本時間1月30日 4:30 |
3月17日~3月18日 | 日本時間3月19日 3:00 | 日本時間3月19日 3:30 |
4月28日~4月29日 | 日本時間4月30日 3:00 | 日本時間4月30日 3:30 |
6月9日~6月10日 | 日本時間6月11日 3:00 | 日本時間6月11日 3:30 |
7月28日~7月29日 | 日本時間7月30日 3:00 | 日本時間7月30日 3:30 |
9月15日~9月16日 | 日本時間9月17日 3:00 | 日本時間9月17日 3:30 |
11月4日~11月5日 | 日本時間11月6日 4:00 | 日本時間11月6日 4:30 |
12月15日~12月16日 | 日本時間12月17日 4:00 | 日本時間12月17日 4:00 |
米国では夏時間があるため、サマータイム期間中は(日本時間で)開催時間が1時間早くなります。
フォワードガイダンス
フォワードガイダンスとは、中央銀行が将来における金融政策の方針を表明することです。政策金利の据え置き期間や、金融政策を変更する際の条件や判断基準を前もって明言することで、市場を誘導して政策効果を高めることが目的です。
連邦準備理事会(FRB)も連邦公開市場委員会において、声明でフォワードガイダンスを発表します。
メンバー
FOMCは、連邦準備理事会(FRB)の7人の理事とニューヨーク連銀の総裁、およびその他の地区連銀総裁11人のうち4人で構成されています。FOMCメンバーとしての任期は1年です。FRB議長がそのままFOMC議長に任命されます。
理事とニューヨーク地区連邦準備銀行総裁はFOMCの常任メンバーですが、4名の地区連邦準備銀行総裁は輪番制で入れ替えられます。
米国には次に示す12の連邦準備銀行が存在します。
- ニューヨーク連邦準備銀行
- ボストン連邦準備銀行
- フィラデルフィア連邦準備銀行
- クリーブランド連邦準備銀行
- リッチモンド連邦準備銀行
- アトランタ連邦準備銀行
- シカゴ連邦準備銀行
- セントルイス連邦準備銀行
- ミネアポリス連邦準備銀行
- カンザスシティ連邦準備銀行
- ダラス連邦準備銀行
- サンフランシスコ連邦準備銀行
2020年のFOMCメンバーは次のとおりです。
メンバー | 役職 |
---|---|
Jerome Powell | 理事(議長) |
John Williams | 理事(副議長) |
Michelle Bowman | 理事 |
Lael Brainard | 理事 |
Richard Clarida | 理事 |
Randal Quarles | 理事 |
(欠員) | 理事 |
Michael Strine | ニューヨーク連邦準備銀行総裁 |
Patrick Harker | フィラデルフィア連邦準備銀行総裁 |
Robert Kaplan | ダラス連邦準備銀行総裁 |
Neel Kashkari | ミネアポリス連邦準備銀行総裁 |
Loretta Mester | クリーブランド連邦準備銀行総裁 |
発表
直近のFOMCにおける声明の発表は次のとおりです。
2020年3月
フェデラルファンド金利の誘導目標を1.00~1.25%から0.00~0.25%に1ポイント引き下げる。
2020年4月
フェデラルファンド金利の誘導目標を0~0.25%に据え置く。
2020年7月
フェデラルファンド金利の誘導目標を0~0.25%に据え置く。新型コロナウィルスの感染拡大による金融市場の信用逼迫を防ぐために投入した緊急信用緩和プログラムのうち、7つのプログラムの期限を2020年9月末から2020年12月末へ延長する。
2020年9月
フェデラルファンド金利の誘導目標を0~0.25%に据え置く。労働市場の情勢がFOMCの雇用最大化の判断と一致する水準に達し、インフレが2%に上昇して当面は2%をやや上回るところで軌道に乗るまで、この目標レンジを維持することが適切と予測する。
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