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青色申告とは何か? そのメリットと白色申告との違い

青色申告

個人事業や副業をされている方なら、青色申告という言葉を聞いたことがあると思います。

青色申告とは何か、白色申告との違いを説明します。

青色申告とは

青色申告とは、取引を複式簿記に基づいた帳簿に記載して、その記録をもとに所得税を申告することです。もともと青色の申告用紙が使われていたので、青色申告と呼ばれるようになりました。

現在の申告用紙は青色ではありません。

青色申告ができる所得は次の3つです。

  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 山林所得

青色申告の条件

青色申告に必要な条件は次のとおりです。

  • 事業所得、山林所得または事業的規模の不動産所得がある人
  • 青色申告をしようとする年の3月15日までに青色申告承認申請書を税務署に提出していること
  • 一定の帳簿書類を備えて、取引を適正に記録して保存していること
事業的規模の不動産所得とは、貸家なら5棟以上、アパート等なら10室以上の不動産賃貸を指します。

不動産所得、事業所得または山林所得がある人であれば、サラリーマン等の給与所得者でも青色申告の対象者となります。

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告には次のような違いがあります。

青色申告と白色申告の違い
青色申告 白色申告
事前申請と承認 必要 不要
所得の種類 不動産所得
事業所得
山林所得
制限なし
帳簿の形式 複式簿記 単式簿記でも可
確定申告の提出書類 確定申告書(B)
各種控除を証する書類
青色申告決算書
確定申告書
各種控除を証する書類
収支内訳書

青色申告のメリット

白色申告と比べて、青色申告は次のメリットがあります。

  • 青色申告特別控除
  • 青色事業専従者給与の必要経費への参入
  • 純損失の繰越控除
  • 繰戻還付

青色申告特別控除

青色申告では、所得金額から65万円または10万円を控除できます。

青色申告特別控除
控除金額 条件
65万円 事業所得または事業的規模の不動産所得がある
正規の簿記の原則に基づいて記帳された貸借対照表と損益計算書を添付する
申告期限内に申告する
e-Taxで申告または電子帳簿保存を行う
55万円 事業所得または事業的規模の不動産所得がある
正規の簿記の原則に基づいて記帳された貸借対照表と損益計算書を添付する
申告期限内に申告する
10万円 不動産所得、事業所得または山林所得がある。

青色事業専従者給与の必要経費への参入

青色申告者と家計を一にする親族で、事業に専従している人を青色事業専従者と言い、支払った給与のうち適正な金額を必要経費に算入できます。

白色申告の場合は、家族に支払った給与は必要経費に算入できません。

配偶者や子供が事業に専従している場合、青色申告なら節税できてお得です。

純損失の繰越控除

所得税の計算において、青色申告書を提出した年に生じた純損失の金額は、所定の要件のもと、その損失が生じた年の翌年以降3年間繰り越すことができます

繰戻還付

前年も青色申告している場合、損失額を前年の所得から控除して、前年分の所得税の還付を受けることができます。

棚卸資産の低価法による評価

小売業などでは年度末に商品の在庫数を調べて、棚卸資産として帳簿に記入します。

棚卸資産は「在庫数 × 単価」で計算します。単価はそのときどきの仕入値によって異なることがありますが、帳簿上では、その年の最後の仕入単価を全体の仕入単価とします。これを最終仕入原価法といいます。

青色申告のメリットとして、実際に仕入れたときの価格と年末時点の価格を比べて低い方を棚卸資産の評価額とする低価法が使えます。

棚卸資産の評価額が低くなることによって、減少した分利益が減り、節税になります。

申請のやり方

青色申告承認申請書の提出

青色申告承認申請書は税務署で入手できますし、国税庁のサイトからPDFをダウンロードすることもできます。

公式所得税の青色申告承認申請書」(国税庁)

申請期限はいつまで?

青色申告を申請するためには、青色申告承認申請書を所轄税務署の税務署長へ提出します。

いつまでに申請するのかは、業務の開始状況によって異なります。

青色申告の申請期限
業務状況 業務開始日 申請期限
既に業務を行っている その年の3月15日まで
新たに業務を開始した その年の1月1日~1月15日 その年の3月15日まで
その年の1月16日以降 業務開始日から2か月以内

帳簿の保存

青色申告者には帳簿の保存義務があります。保存期間は帳簿の種類および所得額によって異なります。

帳簿の保存期間
種類 具体例 保存期間
帳簿 仕訳帳
総勘定元帳
現金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳
7年
決算関連書類 損益計算書
貸借対照表
棚卸表
7年
現金預金取引等関係書類 領収証
小切手控
預金通帳
借用証
7年
その他の書類 請求書
見積書
契約書
納品書
送り状
5年

前々年分所得が300万円以下の場合、現金預金取引等関係書類の保存期間は5年です。


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