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持続化給付金とは?最新情報と申請書類 中小企業と個人事業主が対象

持続化給付金

持続化給付金とは、新型コロナウィルス感染症によって影響を受けた中小企業や個人事業主に対して、政府から現金が給付される制度です。これを見れば、その内容や給付金額、申請手続きの方法がわかります。

持続化給付金とは

持続化給付金とは、新型コロナウィルス感染症拡大により影響を受けた事業者に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧とするために支給される、事業全般に広く使える給付金です。

持続化給付金の対象となるのは、次の事業者です。

  • 中堅企業
  • 中小企業
  • 小規模事業者
  • フリーランスを含む個人事業者
  • 医療法人
  • 農業法人
  • NPO法人
  • 社会福祉法人

2020年1月から2020年12月のうち、2019年の同月比で売上が50%以上減少した月が、ひと月でもあることが条件です。

利益ではなく売上で判定します。

売上は事業収入が対象となります。事業収入には「営業等」と「農業」の2種類あり、これらの合計額で判断します。

確定申告書
支給対象となるのは、次のような場合が該当します。

支給対象となる例
2019年の売上 2020年の売上 前年同月比
1月 20万円 18万円 -10%
2月 20万円 15万円 -25%
3月 20万円 12万円 -40%
4月 20万円 10万円 -50%
5月 20万円
6月 20万円
7月 20万円
8月 20万円
9月 20万円
10月 20万円
11月 20万円
12月 20万円

持続化給付金の給付金額は、次の計算式によって求めます。

持続化給付金 = 前年の総売上 -(前年同月比̠50%減となった月の売上 × 12か月)

計算の根拠となる売上は、前年同月比50%減であれば、どの月でも構いません。

事業者が任意に選択できますので、最も売上が小さい月を採用するのが得です。

ただし、限度額が定められています。

持続化給付金の限度額
対象者 給付金額
中小企業 最大200万円
個人事業主など 最大100万円

下記の例で言えば、中小企業は120万円(240万円 ー 10万円 × 12か月)、個人事業主は100万円(上限)となります。

支給対象となる例
2019年の売上 2020年の売上 前年同月比
1月 20万円 18万円 -10%
2月 20万円 15万円 -25%
3月 20万円 12万円 -40%
4月 20万円 10万円 -50%
5月 20万円
6月 20万円
7月 20万円
8月 20万円
9月 20万円
10月 20万円
11月 20万円
12月 20万円

極端な場合、2020年の総売上が前年を超えていても支給対象となります。

支給対象となる例
2019年の売上 2020年の売上 前年同月比
1月 20万円 24万円 +20%
2月 20万円 24万円 +20%
3月 20万円 24万円 +20%
4月 20万円 10万円 -50%
5月 20万円 22万円 +10%
6月 20万円 22万円 +10%
7月 20万円 22万円 +10%
8月 20万円 22万円 +10%
9月 20万円 22万円 +10%
10月 20万円 24万円 +20%
11月 20万円 24万円 +20%
12月 20万円 24万円 +20%
合計 240万円 264万円 +10%

持続化給付金は返済不要です。使い道は問わず、何に使っても構いません。

個人

白色申告している個人の場合、月ごとに2019年の売上と比較するのではなく、2019年の年間事業収入を12(か月)で割った平均月売上と比較します。

2019年の平均月売上と比較して、50%以上売上が減った月が2020年にひと月でもあれば、持続化給付金の支給対象者となります。

白色申告している個人が持続化給付金を申請する際、令和元年度確定申告書第一表の控えが必要となります。確定申告書第一表の控えには収受印が押されている必要があります。収受印が押されていない場合、無効となります。

法人

2020年開業の場合は対象外

今年開業された方は昨年と比較できません。何らかの救済策があるのではないかと噂されていましたが、持続化給付金の対象者から明確に除外されました。

開業届

開業特例や事業継承特例を使う場合には、収受印がある開業届の控えが必要となります。

これらの特例を使わない場合は、開業届を出していなくても持続化給付金を申請できます。

6月から対象範囲が拡大

2020年5月から始まった持続化給付金は、次の方は対象外でした。

  • 今年3月までに創業した中小企業
  • 所得を「雑所得」として申告したフリーランス

これらの方も持続化給付金の対象とする方針が、2020年5月22日に発表されました。

これまでフリーランスは所得を「雑所得」として申告した場合にのみ、持続化給付金の給付対象となっていました。

今回、給与所得や雑所得を「主たる収入」としていることを条件に、持続化給付金の対象となります。

また、創業間もない企業は前年と収入を比べられないため、持続化給付金の給付対象外となっていました。

今回、新型コロナウィルス感染症の影響で売り上げが大幅に落ち込んできることが確認できれば、給付対象となります。

申請方法

持続化給付金のウェブサイトから申請します。

  1. 「申請する」ボタンをクリック
  2. 仮登録情報を入力
  3. 「登録」ボタンをクリック
  4. 登録したメールアドレス宛にメールが届くので本文中のURLをクリック
  5. ログインIDとパスワードを入力
  6. 「登録」ボタンをクリック

持続化給付金を申請するときに、以下の情報の入力が必要になります。

持続化給付金申請の入力項目
入力項目 法人 個人
法人番号 ×
屋号・商号
本店所在地
書類送付先(本店所在地と同じ場合は省略可能)
業種(日本産業分類)
設立年月日 ×
資本金 ×
従業員数
代表者役職 ×
代表者氏名
代表電話番号
担当者氏名 ×
担当者電話番号
担当者携帯電話番号
担当者メールアドレス
直近年度の売上金額
決算月(個人の場合は12月)
今年の売上減少月の金額
金融機関名
金融機関コード
支店名
支店コード
種別
口座番号
口座名義人

いつまで?

持続化給付金の申請期間は2021年1月15日までとなっています。

必要書類

持続化給付金を申請するには、次の申請書類が必要になります。

  • 平成元年度確定申告書第一表の控え
  • 対象月の売上台帳等
  • 通帳の写し
  • 本人確認書類の写し

確定申告書の控え

持続化給付金を申請する際に、収受印が押された確定申告書第一表の控えが必要になります。確定申告書第一表の控えには、収受印が押印されていることが必要です。

e-Taxによる申告の場合は「受信通知(メール詳細)」が必要です。

もし確定申告書の控えに収受印がない場合は、「納税証明書(その2所得金額用)」の提出も必要となります。

納税証明書には次の4種類があります。

納税証明書の種類
種類 証明内容
納税証明書(その1) 納付すべき税額、納付した税額および未納税額等
納税証明書(その2) 所得金額
納税証明書(その3) 未納の税額がないこと
納税証明書(その4) 滞納処分を受けたことがないこと

売上台帳等

持続化給付金を申請する際、証拠書類として任意の月における売上台帳等を提出する必要があります。

個人の場合は2020年で最も売上が低い月を選択するのがお得です。

売上台帳等の様式は問いません。たとえば、次のようなものが使えます。

  • 経理ソフト等から抽出したデータ
  • Excel
  • 手書きの売上帳

ただし、ファイルとして添付できるのはPDFか画像(JPG・PNG)です。PDFでないものは写真撮影するかスクリーンショット(画面保存)して、画像に変換します。

業務委託契約等収入があることの証明書類

持続化給付金を申請するには、業務委託契約等収入があることの証明書類を提出する必要があります。

次に示す3つの書類の中から、いずれか2つの書類を提出します。

  • 申請者がその雇用者ではない者との間で締結する業務委託契約等の契約書
  • 業務委託契約等に係る支払の内容を示す書類
  • 業務委託契約等に係る収入があったことを証する申請者本人名義の通帳の写し

支払者の発行する支払調書の写し

契約者の署名又は記名押印のあるものの写し又は申請者がその雇用者ではない者との間で業務委託契約等を締結したことを証する持続化給付金業務委託契約等契約申立書であって、申請者及び契約者の署名又は記名押印のあるものに限ります。

業務委託契約等収入があることの証明書類として業務委託契約書等を提出する場合、内容の確認等に時間を要し、給付までに通常よりも大幅に時間を要することがある場合があります。

業務委託契約等に係る支払の内容を示す書類

業務委託契約等に係る支払の内容を示す次のいずれかの書類を提出します。

  • 支払者の発行する支払調書の写し
  • 支払者の発行する源泉徴収票の写し
  • 支払者の発行する支払の明細を示す書類の写しまたはこれに相当するもの

業務委託契約等に係る収入があったことを証する申請者本人名義の通帳の写し

申請者本人名義の通帳であることを示す箇所を含むページおよび業務委託契約等に係る振込があったことを示す箇所を含むページ(支払の日付及び支払者が記載されているものに限る。)の双方の写しを提出します。

業務委託契約等に係る振込があったことを示す箇所については、枠囲い等によって該当箇所の識別を可能にしたものに限ります。

持続化給付金は課税対象

持続化給付金は課税対象となります。

勘定科目は「雑収入」となり、消費税はかかりません。

もちろん、事業が赤字であれば、結果的に税金はかかりません。

コメント

  1. たかやなぎ より:

    こちらのサイトを参考にさせていただきました、ありがとうございます。

    →また、確定申告書類を郵送して収受印を受けていない方も対象者から事実上切り捨てされました。

    私も郵送でハンコおしてもらってないので、キャ~オワッタ~ と思い、
    今日税務署いって相談したろころ、確定申告の開示請求とするよういわれました。
    3週間後に申告書のコピーが届くようです。これでOKのようですよ。

    • Tsukamoto Hiroyuki tsuka より:

      コメントありがとうございます。

      税務署の保有個人情報開示請求で行けるようですね。

      ちなみに、閲覧申請だと氏名や収受印が墨塗されている場合があって無理っぽいです。

  2. 来来 より:

    私の母は不動産所得のみで生活しており、テナントから減額のお願いがありました。
    売り上げが3割になってしまったので、家賃を3分の1減額しました。
    オレオレ詐欺に遭ったこともある老人なので判断がにぶいです。
    建物の借金はまだ残っております。
    これでも持続化給付金はもらえないんですね。
    不動産はダブルインカムでの収入ととらえられているのでしょうか。
    減額して銀行から借りて…なんて、やるせないです。

  3. Tsukamoto Hiroyuki tsuka より:

    来来さんコメントありがとうございます。

    残念ながら不動産収入が前年同月比で50%以上下がっても、持続化給付金の対象となりません。

    持続化給付金はおもに経済産業省が内容を策定したらしいのですが、なぜ不動産収入を対象外としたのか、その意図は不明です。

    一時期、通常通り賃料を取り続ける大家さんが悪者扱いされましたが、不動産取得等で借金を返済中の方も多いと思います。

    返済が滞ると金融機関にまで波及してしまうので、政府には総合的な対策を取ってほしいものです。