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信金中央金庫の優先出資証券(8421)は安定した配当が魅力の銘柄

信金中央金庫の優先出資証券(証券コード8421)とは、株式と同様に東京証券取引所に上場されていて、証券会社を通じて売買できる証券です。この記事では、優先出資証券の株式とは異なる点についてご紹介します。

信金中央金庫の優先出資証券とは

信金中央金庫とは、全国の信用金庫のセントラルバンクです。信用金庫への資金の貸し出しなどを行い、信用金庫の業務機能の補完や信用金庫業界の信用力の維持・向上を行っています。

信金中央金庫は株式会社ではありませんが、優先出資証券を東京証券取引所に上場しています。

信金中央金庫
証券コード 8421
上場市場 東証1部
売買単位 1口
本店 東京都中央区八重洲1-3-7

優先出資証券とは「協同組織金融機関の優先出資に関する法律」に基づいて発行された金融商品取引法上の有価証券です。

普通出資者総会における議決権がない代わりに優先的配当を受ける権利があるなど、株式会社における優先株に似た権利を持ちます。

株式のように証券会社を通じて売買できます。

株式との違い

優先出資証券は株式ではないので、議決権はありません。

株式より価格変動が小さくてボラティリティが低く、値上がり益や値下がり損が出にくい銘柄となっています。

優先出資証券と株式の違い
項目 優先出資証券 普通株式
議決権 なし あり
配当 あり 銘柄による
優待制度 あり 銘柄による
NISA 対象 対象

高い配当が魅力

信金中央金庫の優先出資証券は株式と違って、議決権がありません。

その代り、普通出資に対する配当よりも優先的に配当を受け取る権利があります。通常、普通の株式よりも配当金の額が高い特徴があります。また、配当金額が安定している特徴もあります。

信金中央金庫優先出資証券の配当実績
決算期 配当金額
2023年3月期 6,500円
2022年3月期 6,500円
2021年3月期 6,500円
2020年3月期 6,500円
2019年3月期 6,500円
2018年3月期 6,500円
2017年3月期 6,500円
2016年3月期 6,500円
2015年3月期 7,000円(うち特別配当500円)
2014年3月期 6,500円
2013年3月期 6,500円
2012年3月期 6,500円
2011年3月期 6,500円
2010年3月期 6,500円
2009年3月期 6,500円
2008年3月期 0円
2007年3月期 6,500円
2006年3月期 6,500円
2005年3月期 6,500円
2004年3月期 6,500円
2003年3月期 6,500円
2002年3月期 6,500円
2001年3月期 6,500円

※2007年度以前の配当は、2009年7月31日を基準日として実施した優先出資分割を考慮し分割割合にもとづき再計算しています。

株主優待がある

株式は銘柄によっては株主優待制度があります。信金中央金庫の優先出資証券にも同様の優待制度があります。

基準日である毎年9月30日時点で信金中央金庫の優先出資証券を保有していると、優待を受けられます。

出資口数によって、株主優待の内容が異なります。

優先出資証券の株主優待
口数 株主優待の内容
1口以上 優先出資者限定オリジナルグッズ
3口以上 3,000円相当のグルメカタログから1つ選択
10口以上 6,000円相当のグルメカタログから1つ選択

NISAが利用できる

信金中央金庫の優先出資証券は、株式と同様に少額投資非課税制度(NISA)を利用できます。

優先出資証券のリスク

信金中央金庫の優先出資証券には次のリスクがあります。

  • 無配になると暴落する
  • 会社四季報のデータが無い

無配になると暴落する

信金中央金庫の優先出資証券は配当利回りが高いのが魅力ですが、配当金は必ずしも出るものとは限りません。

実際、平成20年には無配となり、株価が急落しました。普段、信金中央金庫の優先出資証券の値動きは安定しているのですが、このときには暴落と言ってよいほど下がりました。

信金中央金庫の優先出資証券の出資者のうち、9割以上が個人投資家です。個人投資家は配当狙いで保有していることが多いので、配当が出ないとわかったら売却する人が続出したのでしょう。

万が一の時に株価が急落するリスクがありますが、利回りからすると魅力的な銘柄です。また、株
主優待もあります。

会社四季報のデータが無い

信金中央金庫の優先出資証券は株式ではないので、会社四季報によるデータ提供はありません。

詳細な情報がないまま、取引をすることになります。

優先出資証券に償還はない

信金中央金庫の優先出資証券に償還期限はありません。

劣後債との違い

優先出資証券と混同しやすいものに劣後債があります。

優先出資証券は出資(借金ではないので企業に返済の義務はない)、劣後債は融資(借金なので企業に返済の義務がある)という違いがあります。

どちらもデメリットがある代わりに、配当や利回りが高いといったメリットもあります。

優先出資証券と劣後債の違い
項目 優先出資証券 劣後債
種類 出資 融資
返済の義務 なし あり
メリット 株式より配当が高い 普通社債より利回りが高い
デメリット 議決権が無い 破綻したときの弁済順位が劣る

優先株との違い

優先株とは、普通株式より配当金が多い代わりに、議決権が無い株式です。具体的には、伊藤園第1種優先株式(2593)があります。議決権が無いという点において、優先出資証券と似ています。

優先株との違い
項目 優先出資証券 優先株
議決権 なし なし
配当 あり あり
優待制度 あり あり
NISA 対象 対象

※現在のところ、優先株は伊藤園第1種優先株式しかないので、伊藤園第1種優先株式との比較を行っています。

権利確定日は3月末日

株式の配当金を受け取るためには、権利が確定する日に株主名簿に記載されている必要があります。信金中央金庫の権利確定日は3月末日です。ただし、権利確定日に株式を購入しても間に合いません。権利確定日の2営業日前である権利付き最終日(権利取り日)までに株式を購入すると、権利確定日に株主名簿に記載されます。

権利付き最終日(権利取り日)の翌営業日が権利落ち日になります。権利落ち日に優先出資証券を売却しても配当金を受け取れます。権利落ち日には株価が下落することが多くなります。

信金中央金庫の権利日
権利日 年月日
権利付き最終日 2024年3月27日(水)
権利落ち日 2024年3月28日(木)
権利確定日 2024年3月29日(金)

参考文献

信金中央金庫 (2022) 優先出資入門
信金中央金庫 (2022) 配当・優待制度

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