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格付とは? 格付会社の信用格付で社債が投資適格かどうかが分かる!

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格付とは、企業の財務内容や業績を分析して、借金を返済する能力を記号で表わしたものです。

格付けとは

格付けとは、企業や国の債務返済能力の程度をアルファベットの記号で分かりやすく表したものです。

格付けは、単純に企業が倒産する確率を表している訳ではありません。発行会社が倒産して社債がデフォルト(債務不履行)するリスク、すなわち「信用リスク」に加えて、社債がデフォルトしたときに社債を保有する投資家(社債権者)が債権回収できる可能性、すなわち「回収リスク」の両方を考慮して、格付けが決定されます。例えば、ある企業が同時に2つの社債を発行したとします。片方は他の社債に比べて社債がデフォルトしたときに社債権者の地位が著しく弱いとします(劣後債等)。どちらも発行会社は同じなので信用リスクは同じですが、それぞれ回収リスクが異なるため、この2つの社債は格付けが異なることがあります。そのため、格付けには、発行体(債券の発行元)を対象としたものと、個別債務(社債等)を対象としたものがあります。

格付会社

格付会社(格付機関)とは、企業の信用格付けを行う会社です。通常、その企業から依頼されて格付けを行います。

投資家の参考のために、依頼に基づかずに格付を行うこともあります。頼まれていないのに格付会社が勝手に格付しているので、「勝手格付」と呼ばれています。

信用格付はどんな業者でも行うことができますが、金融商品取引法第66条の27に基づく登録を受けた信用格付業者以外が格付を行う場合は、無登録業者である旨を明示しなければいけません。

金融商品取引法第66条の27に基づく登録を受けた信用格付業者は次の7社です。

信用格付業者登録一覧
登録番号 業者名
金融庁長官(格付)第1号 株式会社日本格付研究所(JCR)
金融庁長官(格付)第2号 ムーディーズ・ジャパン株式会社
金融庁長官(格付)第3号 ムーディーズSFジャパン株式会社
金融庁長官(格付)第5号 S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社
金融庁長官(格付)第6号 株式会社格付投資情報センター(R&I)
金融庁長官(格付)第7号 フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社
金融庁長官(格付)第8号 S&PグローバルSFジャパン株式会社

投資適格

投資適格とは投資に適した格付のことで、一般的に格付が「BBB」以上のものをいいます。ムーディーズ・ジャパンでは「Baa」以上が投資適格です。個人向け社債は、基本的に投資適格のものだけが新規発行されます。格付が「BB」以下は投機的水準とされます。格付が「BB」以下の債券は「ジャンク債」または「ハイ・イールド債」と呼ばれます。

格付投資情報センター(R&I)

株式会社格付投資情報センター(R&I)は非上場会社であり、議決権の過半数を日本経済新聞社が保有しています。格付投資情報センターは、後述の日本格付研究所(JCR)より厳しめの格付を行う傾向があります。

R&Iの歴史
  • 1975年
    公社債研究会の設置
    日本経済新聞社が社内に公社債研究会を設置
  • 1979年
    日本公社債研究所に改組
    公社債研究会が日本公社債研究所(JBRI)に改組
  • 1985年
    日本インベスターズサービス設立
    日本インベスターズサービス(NIS)が設立
  • 1998年
    日本格付投資情報センターの設立
    日本公社債研究所と日本インベスターズサービスが合併して日本格付投資情報センターを設立
  • 2000年
    格付投資情報センターに改名
    日本格付投資情報センターが格付投資情報センターに社名変更
  • 2010年
    金融庁に信用格付業者として登録

格付投資情報センターでは、信用格付けを「発行体格付」、「長期個別債務格付」および「短期格付」の3種類に分類しています。

発行体格付

発行体格付とは、発行体が負うすべての金融債務についての総合的な債務履行能力に対するR&Iの意見です。発行体格付は、原則としてすべての発行体に付与します。格付投資情報センターは発行体格付を以下のように定義しています。

R&Iの発行体格付
格付 説明
AAA 信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。
AA 信用力は極めて高く、優れた要素がある。
A 信用力は高く、部分的に優れた要素がある。
BBB 信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。
BB 信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。
B 信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。
CCC 信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い。
CC 発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い。
D 発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。

格付は「A+」や「A-」のように、アルファベットに加えてプラスやマイナスの表示が付くことがあります。プラスの表示は上位格(AA)に近いことを表わし、マイナスの表示は下位格(BBB)に近いことを表わしています。

信用格付ごとのデフォルト率は次のとおりです。

平均累積デフォルト率(5年)
格付 デフォルト率
AAA 0.00%
AA 0.05%
A 0.42%
BBB 1.00%

長期個別債務格付

長期個別債務格付とは、個々の債務等が約定通りに履行される確実性についてのR&Iの意見です。長期個別債務格付は、債務不履行となる可能性に加えて回収の可能性(債務不履行時の損失の可能性)も評価します。そのため、発行体格付を下回る、または上回ることがあります。なお、格付対象がMTNプログラムや発行登録の場合も長期個別債務格付の定義を使用します。格付投資情報センターは期個別債務格付を以下のように定義しています。

R&Iの長期個別債務格付
格付 説明
AAA 信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。
AA 信用力は極めて高く、優れた要素がある。
A 信用力は高く、部分的に優れた要素がある。
BBB 信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。
BB 信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。
B 信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。
CCC 債務不履行に陥っているか、またはその懸念が強い。債務不履行に陥った債権は回収が十分には見込めない可能性がある。
CC 債務不履行に陥っているか、またはその懸念が極めて強い。債務不履行に陥った債権は回収がある程度しか見込めない。
D 債務不履行に陥っており、債権の回収もほとんど見込めない。

ストラクチャードファイナンス商品の符号の定義は、CCC、CC、Cにある「債務不履行」に「支払い不足」を含みます。

短期格付

短期格付は、短期(償還まで1年以内)の金融債務が約定通りに履行される確実性についてのR&Iの意見です。短期格付は、コマーシャルペーパーなどの短期プログラムや短期金融債務の支払能力などに付与します。短期格付では短期の金融債務が約定通りに履行される確実性を評価し、債務不履行時の損失の可能性は反映していません。

R&Iの短期格付
格付 説明
a-1+ a-1に属するもののうち、短期債務履行の確実性が特に高いもの。
a-1 短期債務履行の確実性は高い。
a-2 短期債務履行の確実性は高いが、上位の格付に比べると、注意すべき要素がある。
a-3 短期債務履行の確実性は当面問題ないが、環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。
b 短期債務履行の確実性はa格と同等ではなく、注意すべき要素がある。
c 最低位の格付で、債務不履行に陥っているか、またはその懸念が極めて強い。

日本格付研究所(JCR)

株式会社日本格付研究所(JCR)は、大蔵省(当時)の主導で金融機関が出資して設立されました。財務官僚の天下りが多いことで知られています。

日本格付研究所は、格付投資情報センター(R&I)より甘めの格付を行う傾向があります。社債によってはR&IとJCRの両方から格付を受けていて、それぞれ異なる格付になっていることがあります。この場合は、R&Iの格付を参考にした方がよいでしょう。

格付会社による格付の違いを「スプリット・レーティング」と言います。

信用格付ごとのデフォルト率は以下の通りです。

累積デフォルト率(5年)
格付 デフォルト率
AAA 0.00%
AA 0.06%
A 0.37%
BBB 2.38%
BB 13.87%
B 52.50%
CCC以下 61.54%

R&Iと同じ格付であっても、デフォルト率が高くなっています。たとえば、R&IのBBBならデフォルト率が1.00%ですが、JCRのBBBはデフォルト率が2.38%です。つまり、JCRの信用格付がR&Iより甘いことがデータによって裏付けられています。

日本格付研究所では、信用格付けを「長期発行体格付」および「長期個別債務格付」の2種類に分類しています。

長期発行体格付

日本格付研究所は長期発行体格付を以下のように定義しています。

JCRの長期発行体格付
格付 説明
AAA 債務履行の確実性が最も高い。
AA 債務履行の確実性は非常に高い。
A 債務履行の確実性は高い。
BBB 債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来債務履行の確実性が低下する可能性がある。
BB 債務履行に当面問題はないが、将来まで確実であるとは言えない。
B 債務履行の確実性に乏しく、懸念される要素がある。
CCC 現在においても不安な要素があり、債務不履行に陥る危険性がある。
CC 債務不履行に陥る危険性が高い。
C 債務不履行に陥る危険性が極めて高い。
LD 一部の債務について約定どおりの債務履行を行っていないが、その他の債務については約定どおりの債務履行を行っているとJCR が判断している。
D 実質的にすべての金融債務が債務不履行に陥っているとJCRが判断している。

格付は「A+」や「A-」のように、アルファベットに加えてプラスやマイナスの表示が付くことがあります。プラスの表示は上位格(AA)に近いことを表わし、マイナスの表示は下位格(BBB)に近いことを表わしています。

長期個別債務格付

日本格付研究所は長期個別債務格付を以下のように定義しています。

JCRの長期個別債務格付
格付 説明
AAA 債務履行の確実性が最も高い。
AA 債務履行の確実性は非常に高い。
A 債務履行の確実性は高い。
BBB 債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来債務履行の確実性が低下する可能性がある。
BB 債務履行に当面問題はないが、将来まで確実であるとは言えない。
B 債務履行の確実性に乏しく、懸念される要素がある。
CCC 現在においても不安な要素があり、債務不履行に陥る危険性がある。
CC 債務不履行に陥る危険性が高い。
C 債務不履行に陥る危険性が極めて高い。
D 債務不履行に陥っているとJCRが判断している。

勝手格付 (p)

通常は、債券を発行する企業が格付会社にお金を払って格付けを依頼します。第三者である格付会社に公平・中立の立場で信用リスクを判定してもらうことで、債券の購入者に安全性をアピールしたいからです。発行体の依頼もないのに、格付会社が格付けを行うことがあります。格付会社が勝手に格付するので「勝手格付」と呼ばれています。日本格付研究所も、発行体からの依頼がなくても発行体の了解を得たうえで、公開情報等に基づいて格付を行うことがあります。依頼に基づく信用格付と区別するために、格付記号の後に「p」を表示しています。たとえば「AAp」となります。

国に対する格付については、依頼によらない場合であっても、格付記号にp記号が付きません。

短期発行体格付

発行体格付とは、債務者(発行体)の債務全体を包括的に捉えて、その債務履行能力を比較できるように等級をもって示すものです。このうち、期限 1 年以内の債務に対する履行能力を評価したものを短期発行体格付と呼んでいます。

JCRの短期発行体格付
格付 説明
J-1+ J-1の中でも特に短期債務履行の確実性の高いもの。
J-1 短期債務履行の確実性が最も高い。
J-2 短期債務履行の確実性は高いが、J-1より若干劣る。
J-3 短期債務履行の確実性は認められるが、環境の悪化による影響を被りやすい。
NJ 上位等級より、短期債務履行の確実性が劣る。
LD 一部の債務について約定どおりの債務履行を行っていないが、その他の債務については約定どおりの債務履行を行っているとJCRが判断している。
D 実質的にすべての金融債務が債務不履行に陥っているとJCRが判断している。

短期個別債務格付

日本格付研究所(JCR)の短期個別債務格付とは、期限 1 年以内の債務が履行される確実性を比較できるように等級をもって示すものです。

JCRの短期個別債務格付
格付 説明
J-1+ J-1の中でも特に短期債務履行の確実性の高いもの。
J-1 短期債務履行の確実性が最も高い。
J-2 短期債務履行の確実性は高いが、J-1より若干劣る。
J-3 短期債務履行の確実性は認められるが、環境の悪化による影響を被りやすい。
NJ 上位等級より、短期債務履行の確実性が劣る。
D 債務不履行に陥っていると JCR が判断している。

S&P

S&Pグローバル・レーティング・ジャパンでは、格付を次のように定義しています。

S&Pの格付
格付 説明
AAA 当該金融債務を履行する債務者の能力は極めて高い。
AA 当該金融債務を履行する債務者の能力は非常に高く、最上位の格付けとの差は小さい。
A 当該金融債務を履行する債務者の能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化の影響をやや受けやすい。
BBB 当該金融債務履行のための財務内容は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって当該債務を履行する能力が低下する可能性がより高い。
BB 他の「投機的」格付けに比べて当該債務が不履行になる蓋然性は低いが、債務者は高い不確実性や、事業環境、金融情勢、または経済状況の悪化に対する脆弱性を有しており、状況によっては当該金融債務を履行する能力が不十分となる可能性がある。
B 債務者は現時点では当該金融債務を履行する能力を有しているが、当該債務が不履行になる蓋然性は「BB」に格付けされた債務よりも高い。
事業環境、金融情勢、または経済状況が悪化した場合には、当該債務を履行する能力や意思が損なわれやすい。
CCC 当該債務が不履行になる蓋然性は現時点で高く、債務の履行は、良好な事業環境、金融情勢、および経済状況に依存している。
事業環境、金融情勢、または経済状況が悪化した場合に、債務者が当該債務を履行する能力を失う可能性が高い。
CC 当該債務が不履行になる蓋然性は現時点で非常に高い。不履行はまだ発生していないものの、不履行となるまでの期間にかかわりなく、S&P が不履行は事実上確実と予想する場合に「CC」の格付けが用いられる。
C 当該債務は、不履行になる蓋然性が現時点で非常に高いうえに、より高い格付けの債務に比べて優先順位が低い、または最終的な回収見通しが低いと予想される。
D 当該債務の支払いが行われていないか、S&P が想定した約束に違反があることを示す。
ハイブリッド資本証券以外の債務については、その支払いが期日通り行われない場合、猶予期間の定めがなければ 5 営業日以内に、猶予期間の定めがあれば猶予期間内か 30 暦日以内のいずれか早いほうに支払いが行われると S&P が判断する場合を除いて、「D」が用いられる。
また、倒産申請あるいはそれに類似した手続きが取られ、例えば自動的停止によって債務不履行が事実上確実である場合にも用いられる。経営難に伴う債務交換(ディストレスト・エクスチェンジ)が実施された場合も、当該債務の格付けは「D」に引き下げられる。

S&Pにおける信用格付とデフォルト率の関係は、次のようになっています。

平均累積デフォルト率(5年)
格付 デフォルト率
AAA 0.00%
AA 0.00%
A 0.23%
BBB 0.10%
BB 2.23%
B 11.11%
CCC 以下 16.53%

ムーディーズ・ジャパン

ムーディーズ・ジャパンでは、格付を次のように定義しています。

ムーディーズ・ジャパンの格付
格付 説明
Aaa 信用力が最も高いと判断され、信用リスクが最低水準にある債務に対する格付。
Aa 信用力が高いと判断され、信用リスクが極めて低い債務に対する格付。
A 中級の上位と判断され、信用リスクが低い債務に対する格付。
Baa 中級と判断され、信用リスクが中程度であるがゆえ、一定の投機的な要素を含みうる債務に対する格付。
Ba 投機的と判断され、相当の信用リスクがある債務に対する格付。
B 投機的とみなされ、信用リスクが高いと判断される債務に対する格付。
Caa 投機的で安全性が低いとみなされ、信用リスクが極めて高い債務に対する格付。
Ca 非常に投機的であり、デフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にあるが、一定の元利の回収が見込める債務に対する格付。
C 最も格付が低く、通常、デフォルトに陥っており、元利の回収の見込みも極めて薄い債務に対する格付。

ムーディーズはAaからCaaまでの格付に1、2、3という数字付加記号を加えています。1は、債務が文字格付のカテゴリーで上位に位置することを示し、2は中位、3は下位にあることを示します。

ムーディーズは、発行体に対する格付と個別債務に対する格付を記号上では区別していません。

ムーディーズにおける信用格付とデフォルト率の関係は、次のようになっています。

平均累積デフォルト率(5年)
格付 デフォルト率
Aaa 0.00%
Aa 0.00%
A 0.24%
Baa 0.69%
Ba 4.50%
B 9.28%
Caa 以下 26.96%

フィッチ・レーティングス

フィッチ・レーティングスでは、信用格付けを「国際信用格付」および「発行体デフォルト格付」の2種類に分類しています。フィッチ・レーティングスは発行体デフォルト格付を以下のように定義しています。

Fitchの発行体デフォルト格付
格付 説明
AAA 最も高い信用力。デフォルト・リスクが最も低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力が極めて高い場合に付与される。予見し得る事由がこの能力に悪影響を与える可能性は、非常に低いと考えられる。
AA 非常に高い信用力。デフォルト・リスクが非常に低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力が非常に高いことを示している。この能力が予見し得る事由によって著しく損なわれることはないと考えられる。
A 高い信用力。デフォルト・リスクが低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力は高いと想定されるが、経営又は経済環境の悪化がこの能力に及ぼす影響は、上位格付の場合より大きくなり得る。
BBB 良好な信用力。デフォルト・リスクが現在は低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力は概ね十分にあると考えられるが、経営又は経済環境の悪化がこの能力を損なう可能性がより高い。
BB 投機的。特に経営又は経済環境が時間の経過と共に悪化した場合、デフォルト・リスクに対する脆弱性が高まることを示す。ただし、債務履行を支える経営又は財務の柔軟性は認められる。
B 非常に投機的。重大なデフォルト・リスクが存在するものの、債務履行に関する安全性が限定的ながら残っていることを示す。現時点では、金銭債務が履行されているものの、継続的履行能力は、経営・経済環境の悪化に対し脆弱である。
CCC 相当重大な信用リスク。安全性の余裕がかなり低く、デフォルトが、現実の可能性として認められる。
CC 非常に高い水準の信用リスク。一定のデフォルトが起こる蓋然性が高い。
C デフォルトが近い状態。デフォルト若しくはデフォルトに類似したプロセスが開始している、発行体による債務返済が一時停止状態にある、又はクローズド型資金調達ビークルの場合には支払能力が回復不能な状態に毀損した状態。
RD 一部債務不履行(Restricted default)。「RD」格付は、フィッチの見解において、以下の状況にある発行体を示す。
債券、ローンその他の重要な金銭債務に関し、ディストレスト債務交換又は未治癒の支払不履行が起きているが、 破産申立て、会社管理、管財人の任命、清算その他の清算型倒産手続が開始しておらず、かつ事業停止には至っていない。
D 債務不履行。「D」格付は、フィッチの見解において、破産申立て、会社管理、管財人の任命、清算その他の形態による清算型倒産手続に入った、又は、事業停止となった発行体を示す。債務不履行の格付は、将来を視野に入れて法主体又はその債務に対し付与されるものではなく、繰延条項又は支払猶予期間が付いている債務の未払いは、通常、繰延期間又は猶予期間が満了するまで、デフォルトとはみなされない。ただし、破産等又はディストレスト債務交換によるデフォルトについてはこの限りではない。いずれの場合も債務不履行の格付の付与は、他の格付と一貫性のある最も適切な格付カテゴリーについてのフィッチの見解を反映するものであり、発行体の債務の条件又は当該国の商慣習におけるデフォルトの定義とは異なる場合がある。

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参考文献

株式会社格付投資情報センター (2022) 格付符号と定義
株式会社格付投資情報センター (2022) デフォルト率・格付推移行列
株式会社日本格付研究所 (2022) 累積デフォルト率等
S&P GLOBAL RATINGS (2020) 格付け定義等
MOODY’S (2020) 日本の発行体におけるデフォルト率と格付遷移1990–2019年
日本格付投資情報センター (1998) 格付けの知識

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