株式会社丸井グループが個人向け社債「株式会社丸井グループ第39回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド)」を2022年3月31日に発行します。
概要
株式会社丸井グループが発行する個人向け社債の概要は次のとおりです。
名称 | 株式会社丸井グループ第39回無担保社債 (社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド) |
期間 | 3年 |
利率 | 年0.31%(税引前、仮条件) |
発行日 | 2022年3月31日 |
利払日 | 毎年3月31日および9月30日 |
償還日 | 2025年3月31日 |
発行価格 | 額面100円につき金100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
格付 | A-(R&I)取得予定 |
発行額 | 13億円 |
申込期間 | 2022年3月22日~2022年3月30日 |
本社債の手取金については、全額を個人向け融資や個人事業主を含む中小企業向け融資等のマイクロファイナンス事業に携わるパートナー企業である五常・アンド・カンパニー株式会社およびクラウドクレジット株式会社に対する融資資金に充当する予定です。
五常・アンド・カンパニー株式会社は、当該融資資金を、インドをはじめとしたアジアの途上国で活動するパートナー関係にあるマイクロファイナンス機関に割り当て、個人や中小零細企業に対する融資を行います。また、クラウドクレジット株式会社は、当該融資資金をメキシコで活動するパートナー関係にあるマイクロファイナンス機関に割り当て、個人や中小零細企業、特に女性の個人事業主・起業家に対する融資を行います。
クラウドクレジットは「日本の個人投資家と世界の信用市場をつなぐ」をコーポレートミッションとして掲げ、これまで多くの国の資金需要者と日本の個人投資家を繋ぐ金融サービスを「貸付型クラウドファンディング」の形態で行っています。その中で、2018年1月から「社会的インパクト投資」ファンドの販売を開始しました。クラウドクレジット独自の形で貧困層支援や教育問題など社会的課題の解決に取り組む企業や領域に投資し、経済的なリターンと社会的なリターンの両立を実現する投資手法を提供することで、「Financial Inclusion(金融包摂)」を推進しています。
クラウドクレジットについて詳しくは、次の記事をご覧ください。
- 2022.3.18条件決定
- 2022.3.22募集開始
- 2022.3.30募集終了
- 2022.3.31払込期日
- 2022.9.30利払い
- 2023.3.31利払い
- 2023.9.30利払い
- 2024.3.31利払い
- 2024.9.30利払い
- 2025.3.31利払い・償還
利率
「株式会社丸井グループ第39回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド)」の利率は、年0.31%(税引前)です。利払いは毎年3月31日および9月30日の年2回、半年分づつ支払われます。
社債間限定同順位特約
「株式会社丸井グループ第39回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド)」には担保がありませんが、社債間限定同順位特約がついています。
社債間限定同順位特約とは、株式会社丸井グループが今後担保付きの社債を発行する場合は、「株式会社丸井グループ第39回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド)」にも同様に担保をつけるという特約です。
担保なしの債券より担保つきの債券の方が債権の回収優先順位が高いため、あとから発行された社債によって不利な扱いがされないという保証になります。
実際に担保がつけられることはほとんどなく、株式会社丸井グループが担保つきの社債を発行する意思がないという表明です
ソーシャルボンド
株式会社丸井グループは、「株式会社丸井グループ第39回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド)」について、ソーシャルボンドの発行のために、国際資本市場協会(ICMA)が定める「ソーシャルボンド原則2021」および金融庁の「ソーシャルボンドガイドライン」に即したソーシャルボンド・フレームワークを策定し、第三者評価機関であるサステイナリティクルよりセカンド・パーティオピニオンを取得しています。
格付
「株式会社丸井グループ第39回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド)」は、格付投資情報センター(R&I)から「A-」の格付を取得しています。
R&Iによる格付事由は次のとおりです。
「マルイ」を軸とする小売事業と、クレジットカード主体のフィンテック事業を統合的に運営する丸井グループの持株会社。子会社への支配力は強く格付はグループの信用力を反映している。収益の柱はフィンテック事業だが、小売とフィンテックの一体的な事業運営が店舗への集客や販売促進、カード会員の新規獲得といったプラス効果につながっている。グループ全体でみれば収益基盤は比較的強固だ。
フィンテック事業は店頭経由での会員獲得などを背景に若年の女性層の顧客基盤が厚いほか、総会員数に占めるゴールドカード会員の構成が高い。会員規模に比べてカードキャッシングやリボ・分割払いの利用が多く、収益性が高い。限度額を少額に設定、利用・支払実績を基に限度額を拡大していく与信ノウハウにより、コロナ下でも信用コストの拡大を抑制できており、収益は安定している。店舗の再開や会員獲得チャネルの多様化により、コロナ影響で減少した会員数は2021年度以降、回復が見込める。EC(電子商取引)経由でのカード利用や家賃保証の寄与もあり、収益は拡大していく見通しだ。利息返還額の実績や見通しを踏まえ、利息返還損失引当金を積み増した。同業他社より厚い引き当てがなされており、引当方針は保守的と評価できる。リスク耐久力は強い。
小売事業はテナントの定期借家契約の推進と衣料品の販売構成比の引き下げが、収支の底堅さに結びついている。とはいえ、コロナ下にあって収益は低位での推移を余儀なくされている。
稼ぎ頭のフィンテック事業の収益は拡大していく見通しだが、各事業が連携したビジネスモデルであり、集客やブランドイメージを担う小売事業の重要性は高い。コロナ収束後の集客力や小売事業の利益の回復状況、各種の施策を通じてこれまで以上にグループ内のシナジーを発揮していけるかを確認し、今後の信用力に反映していく。
自己資本は厚く資本負債構成は良好だ。株主還元に積極的だが、強固な財務基盤からみて格付に響くことはなさそうだ。
信用格付および格付機関について詳しくは、次の記事をご覧ください。
販売会社
次に示す金融機関で「株式会社丸井グループ第39回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(ソーシャルボンド)」を販売しています。
金融機関 | 引受金額 |
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野村證券 | 13億円 |
個人向け社債の購入に手数料はかかりません。個人向け社債の購入について詳しくは、次の記事をご覧ください。
エポスカード会員向け社債
株式会社丸井グループが発行するエポスカード会員向け社債の概要は次のとおりです。
名称 | エポスカード会員さま向けデジタル社債 |
期間 | 1年 |
利率 | 年1%(税引前、金銭0.3%、エポスポイント0.7%) |
発行日 | 2022年6月20日 |
申込単位 | 1万円単位 |
購入可能口数 | 1口~100口(1口1万円) |
発行額 | 1億3,000万円 |
申込期間 | 2022年5月13日~2022年5月16日 |
「エポスカード会員さま向けデジタル社債」は、エポスカード会員向けに丸井グループが募集する個人向け社債です。エポスカード会員以外のかたが購入することはできません。また、証券会社では販売していません。一般的な社債とは異なり、譲渡制限がありますので、流動性リスクが高い商品となります。
エポスカードについて詳しくは、次の記事をご覧ください。
利率
利率は年1%(税引前)です。このうち0.3%分は金銭で支払われ、0.7%分はエポスポイントで支払われます。
販売会社
丸井グループが直接販売をします。
株式会社丸井グループ
株式会社丸井グループの会社概要は次のとおりです。
商号 | 株式会社丸井グループ |
創業 | 1931年2月17日 |
資本金 | 359億20百万円 |
上場市場 | 東京証券取引所 市場第一部 |
銘柄コード | 8252 |
売上高 | 2,208億円(2021年3月期) |
営業利益 | 153億円(2021年3月期) |
当期利益 | 23億円(2021年3月期) |
格付 | A-(R&I) |
丸井のグループ会社には、次に示す企業があります。
- 株式会社エポスカード
- 株式会社丸井
- 株式会社エムアンドシーシステム
- 株式会社マルイファシリティーズ
- 株式会社ムービング
- 株式会社エムアールアイ債権回収
- 株式会社エイムクリエイツ
- 株式会社マルイホームサービス
- 株式会社エポス少額短期保険
- tsumiki証券株式会社
- D2C&Co.株式会社
- 株式会社okos
- 株式会社マルイキットセンター
参考文献
株式会社丸井グループ (2022) 格付・社債
株式会社丸井グループ (2022) 社会貢献も資産づくりも丸井グループの“応援投資”~ソーシャルボンドを発行します~
株式会社格付投資情報センター (2022) NEWS RELEASE
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