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移動平均とは?移動平均線の意味・計算方法・メリットをわかりやすく紹介

Excel

移動平均線とはテクニカル分析の一種で、株価やFXなどのチャートで使われます。この記事では、その意味や計算方法、移動平均線の見方をご紹介します。

移動平均とは

移動平均とはトレンド系テクニカル分析のひとつです。テクニカル分析の中で最も代表的な手法であり、ほかのテクニカル分析の基礎となっていることもあります。

株価やFXのチャートには、必ずと言ってよいほど移動平均線を表示する機能があります。

移動平均には次に示す2種類があります。

  • 単純移動平均(SMA)
  • 指数移動平均(EMA)

単純移動平均(SMA)

単純移動平均とは、ある一定期間における平均値のことです。これらを繋いだものが単純移動平均線です。英語では「Simple Moving Average」といい、SMAと略されます。

「移動平均」といったら、たいていは単純移動平均のことを指します。

トレンドの大まかな動きを見るのに最適なテクニカル分析です。

単純移動平均は次の計算式で表されます。

単純移動平均(SMA)の計算式

W は期間を意味します。

たとえば、日足データにおける5日間(W = 5)の単純移動平均は次のようになります。

5日間移動平均の計算式

エクセルで単純移動平均を求めるには、過去 W 個分のセル範囲に対して平均値を計算します。

たとえば、日足データにおける5日間単純移動平均は、エクセルで次のようにして求めます。

エクセルによる単純移動平均
A B C
1 日付 終値 単純移動平均(5日)
2 9月1日 899
3 9月2日 900
4 9月3日 902
5 9月4日 907
6 9月5日 912 =AVERAGE(B2:B6)
7 9月8日 910 =AVERAGE(B3:B7)
8 9月9日 906 =AVERAGE(B4:B8)
9 9月10日 901 =AVERAGE(B5:B9)
10 9月11日 898 =AVERAGE(B6:B10)
11 9月12日 900 =AVERAGE(B7:B11)

5日間単純移動平均の場合、最初の4日間は値無し(N/A)となります。

エクセルのOFFSET関数を使って、次のようにすることもできます。

エクセルによる単純移動平均
A B C
1 日付 終値 単純移動平均(5日)
2 9月1日 899
3 9月2日 900
4 9月3日 902
5 9月4日 907
6 9月5日 912 =AVERAGE(OFFSET(B6, 0, 0, -5, 1))
7 9月8日 910 =AVERAGE(OFFSET(B7, 0, 0, -5, 1))
8 9月9日 906 =AVERAGE(OFFSET(B8, 0, 0, -5, 1))
9 9月10日 901 =AVERAGE(OFFSET(B9, 0, 0, -5, 1))
10 9月11日 898 =AVERAGE(OFFSET(B10, 0, 0, -5, 1))
11 9月12日 900 =AVERAGE(OFFSET(B11, 0, 0, -5, 1))

OFFSET関数を使うと、W をパラメータ化しやすくなります。

指数移動平均(EMA)

指数平滑移動平均とは、直近の終値に近いほど指数関数的に重みを付けた平均のことです。直近の値動きに対して、単純移動平均より敏感に反応します。英語では「Exponential Moving Average」といい、EMAと略されます。指数平滑移動平均(Exponential Smoothing Moving Average)ともいいます。

指数平滑移動平均は次の計算式で表されます。

指数平滑移動平均(EMA)の計算式

α は平滑化係数(smoothing factor)または忘却係数(forgetting factor)といいます。0 ≦ α ≦ 1 の範囲であれば任意の値にすることができますが、一般的には次の値を取ります。

平滑化係数

つまり、一般的な指数平滑移動平均は次の数式で求めます。

EMA = 前日EMA +(2 ÷(W + 1))×(当日終値 - 前日EMA)

エクセルで指数平滑移動平均を求めるには、次のようにします。

エクセルによる指数平滑移動平均
A B C
1 日付 終値 指数平滑移動平均(5日)
2 9月1日 899 =B2
3 9月2日 900 =C2 + (2 / (5 + 1)) * (B3 – C2)
4 9月3日 902 =C3 + (2 / (5 + 1)) * (B4 – C3)
5 9月4日 907 =C4 + (2 / (5 + 1)) * (B5 – C4)
6 9月5日 910 =C5 + (2 / (5 + 1)) * (B6 – C5)
7 9月8日 910 =C6 + (2 / (5 + 1)) * (B7 – C6)
8 9月9日 906 =C7 + (2 / (5 + 1)) * (B8 – C7)
9 9月10日 901 =C8 + (2 / (5 + 1)) * (B9 – C8)
10 9月11日 898 =C9 + (2 / (5 + 1)) * (B10 – C9)
11 9月12日 900 =C10 + (2 / (5 + 1)) * (B11 – C10)

指数平滑移動平均の最初の値をどうするかについては決まりがなく、次のいずれかの方法を取ります。

  • 当日の終値
  • 単純移動平均

ゴールデンクロス

ゴールデンクロス

短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へ交差することをゴールデンクロス(golden cross)といい、買いのサインとされています。

株式や為替は月曜日から金曜日までの5日間に渡って取引されます。日足データの場合は、1週間分という意味で、短期移動平均として5日が使われることが一般的です。長期移動平均は、1か月分に相当する20日や25日が使われることが多いです。

デッドクロス

デッドクロス

短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ交差することをデッドクロスといい、売りのサインとされています。

デッドクロス(dead cross)は和製英語で、本来の英語では「death cross」といいます。

トレンド系指標

トレンド系のテクニカル指標には、移動平均線のほかにも次のものがあります。

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