株式会社大和証券グループ本社が個人向け社債「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」を2023年12月18日に発行します。期間と利率が異なる2種類の社債が発行されるので、それぞれの違いと購入方法をご紹介します。
概要
今回、株式会社大和証券グループ本社が発行する個人向け社債「大和証券グループ未来応援ボンド」には、期間と利率が異なる2種類の社債があります。
- 第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
- 第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
それぞれの概要は次のとおりです。
項目 | 第42回無担保社債 | 第43回無担保社債 |
---|---|---|
期間 | 3年 | 5年 |
利率 | 年0.575% | 年0.858% |
償還日 | 2026年12月18日 | 2028年12月18日 |
発行日 | 2023年12月18日 | |
利払日 | 毎年6月18日と12月18日(年2回) | |
発行価格 | 額面100円につき100円 | |
申込単位 | 100万円単位 | |
格付 | A (R&I), A+ (JCR) | |
発行額 | 410億円 | 450億円 |
募集期間 | 2023年11月22日~2023年12月15日 |
発行体
「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の発行体(債券の発行元)は、大和証券グループの持株会社である株式会社大和証券グループ本社です。
大和証券グループには次のような企業があります。
- 大和証券
- 大和アセットマネジメント
- 大和総研
- 三井住友DSアセットマネジメント
- 大和ネクスト銀行
- 大和リアル・エステート・アセット・マネジメント
- リテラ・クレア証券
株式会社大和証券グループ本社の会社概要は次のとおりです。
会社名 | 株式会社大和証券グループ本社 |
発足 | 1999年4月26日 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-9-1 グラントウキョウ ノースタワー |
資本金 | 2,473億円(2023年3月末現在) |
営業収益(連結) | 570,087百万円(2023年9月上期) |
経常利益(連結) | 76,932百万円(2023年9月上期) |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
証券コード | 8601 |
株式会社大和証券グループ本社の業績は以下のとおりです。
2022年3月期 | 2023年3月期 | |
---|---|---|
営業収益 | 619,471 | 866,090 |
純営業収益 | 502,093 | 464,226 |
営業利益 | 115,534 | 66,273 |
経常利益 | 135,821 | 86,930 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 94,891 | 63,875 |
利率
今回、株式会社大和証券グループ本社が発行する社債には、利率が異なる2種類があります。
銘柄 | 利率(税引前) |
---|---|
第42回無担保社債 | 年0.575% |
第43回無担保社債 | 年0.858% |
利払いは半年に1回、毎年6月18日と12月18日に行われます。
利払いの際に、所得税等20.315%が源泉徴収されます。原則として確定申告は不要です。
格付
株式会社大和証券グループ本社が個人向け社債「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」は、2つの格付機関から長期個別債務格付を取得しています。
格付機関 | 格付 |
---|---|
格付投資情報センター(R&I) | A |
日本格付研究所(JCR) | A+ |
R&Iの格付事由は次のとおりです。
国内2番手の証券会社グループで、リテール部門やアセットマネジメント部門の営業基盤は強固。ホールセール部門はグローバル・マーケッツが収益の多くを占める。インベストメント・バンキングの収益は小さいものの、日本における市場地位は高い。
主力のリテール部門はブローカレッジによるフロー収益への依存度を下げ、ストック収益を中心とする資産管理型ビジネスへの転換を目指している。また、外部企業との連携やファンドビジネス、不動産や再生可能エネルギー向けなどオルタナティブ事業への投資の拡大といったハイブリット事業を強化することで、株式市況に左右されにくいビジネスモデルの構築を目指している。
収益耐久力はおおむね格付に見合っている。ただし、コスト構造に改善の余地があり、ビジネスを見直して固定費を中心にコスト削減を進めている。資産管理型ビジネスの確立には時間を要し、リテール部門の収益は減少している。厳しい収益環境の中でも構造改革を着実に進められるか注目している。
2019年度第4四半期中盤以降、新型コロナウイルスの影響などでマーケットは急速にリスクオフモードに転じており、グローバル・マーケッツでのトレーディング損益の悪化のほか、リテール部門の収益減少が懸念される。インベストメント・バンキングやアセットマネジメントの収益も弱含みそうだ。
リスク選好度やトレーディング勘定の規模・複雑さは、グローバルな投資銀行や証券会社と比べると抑制しており、リスク耐久力は格付対比で良好だ。ボラティリティーが非常に高まっている市場環境下でもリスクを適切にコントロールし、マイナスの影響を抑えられるか注視していく。
JCRの格付事由は次のとおりです。
大和証券グループは、国内第2位の業容を持ち、証券業界大手の一角を占める。格付は、確立された顧客基盤と事業展開力を有していること、リスクに対して十分な資本を有していることなどを反映している。20/3期決算は、債券トレーディングを中心にホールセール部門の利益は増加したものの、リテール部門が低迷し、連結経常利益は702億円と前期比15.5%の減益となった。19年12月末の連結普通株式等Tier1比率は19.4%と高い水準にある。
日本格付研究所は格付投資情報センターより甘めの格付を行う傾向があるので、どちらかというと格付投資情報センターの格付の方を参考にした方がよいでしょう。
社債間限定同順位特約
株式会社大和証券グループ本社が個人向け社債「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」には担保がありませんが、社債間限定同順位特約がついています。
社債間限定同順位特約とは、株式会社大和証券グループ本社が今後担保付きの社債を発行する場合は、株式会社大和証券グループ本社が個人向け社債「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」にも同様に担保をつけるという特約です。
担保なしの債券より担保つきの債券の方が債権の回収優先順位が高いため、あとから発行された社債によって不利な扱いがされないという保証になります。
実際に担保がつけられることはほとんどなく、株式会社大和証券グループ本社が担保つきの社債を発行する意思がないという表明です。
販売会社
株式会社大和証券グループ本社が個人向け社債「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」は次の金融機関で販売されます。
- 大和証券
大和証券
大和証券では「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文は、インターネット(オンライントレード)で取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本店・支店・営業所で、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで買付注文を取り扱っています。
スケジュール
「株式会社大和証券グループ本社第42回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」及び「株式会社大和証券グループ本社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の条件決定から償還までのスケジュールは以下のとおりです。
- 2023.11.21条件決定
- 2023.11.22募集開始
- 2023.12.15募集終了
- 2023.12.18発行
- 2024.6.18利払い
- 2024.12.18利払い
- 2025.6.18利払い
- 2025.12.18利払い
- 2026.6.18利払い
- 2026.12.18利払い・償還(第42回債)
- 2027.6.18利払い
- 2027.12.18利払い
- 2028.6.18利払い
- 2028.12.18利払い・償還(第43回債)
発行実績
株式会社大和証券グループ本社は、過去に次の個人向け社債を発行しています。
銘柄 | 発行日 | 期間 | 利率 |
---|---|---|---|
第35回無担保社債 | 2020年6月2日 | 5年 | 年0.50% |
第34回無担保社債 | 2020年6月2日 | 3年 | 年0.30% |
第27回無担保社債 | 2016年4月25日 | 7年 | 年0.40% |
第21回無担保社債 | 2015年5月29日 | 5年 | 年0.40% |
第15回無担保社債 | 2013年9月2日 | 4年 | 年0.60% |
コメント