ビットコインとは、インターネット上で取引される仮想通貨のひとつです。ビットコインの取引量は仮想通貨の中で最も多く、仮想通貨の代表格とされています。その価値は需要に応じて毎日変動し、日本円や米ドルなど実際の通貨に換金することもできます。中国など、通貨の価値が不安定な新興国に利用者が多いとされています。
ビットコインとは
ビットコインの概要は次のとおりです。
通貨記号 | BTC |
通貨単位 | BTC |
最小単位 | 1satoshi(=0.00000001BTC) |
発行数量の上限 | 2,100万BTC |
半減期 | 21万ブロック毎 |
発行開始 | 2009年1月9日 |
ブロックの生成 | 10分毎に1ブロック |
承認方式 | Proof of Work |
ハッシュ関数 | SHA-256 RIPEMD-160 |
ビットコインは仮想通貨なので、紙幣や硬貨はありません。そのため、インターネット上の決済で使われることが多いです。たとえば、DMM.comの決済に使うことができます。
近年、ビットコインの相場が大きく揺れ動いています。世界のビットコイン取引の9割を占めるとされる最大市場の中国で、元安を嫌う中国の投資マネーが大量に流入し、ビットコイン相場は元安に歩調を合わせるように急上昇していました。人民元相場の下落を見込み、ビットコインに替えて海外に持ち出したいという需要が多いようです。しかし、中国人民銀行(中央銀行)が規制強化に乗り出し、取引が急減しました。今後も中国の対応次第でビットコイン相場が振り回されそうです。
仮想通貨の考え方は2008年に生まれました。「サトシ・ナカモト」という名義で、ビットコインの仕組みを開設する論文がインターネット上で発表されました。この論文を基にしたソフトウェアが公開され、2009年ごろからビットコインが広く取引されるようになりました。この「サトシ・ナカモト」という人物が誰なのかは判明しておらず、謎に包まれています。
ビットコインでの最大の発明は「ブロックチェーン」と呼ばれる技術で、世界中に点在するコンピュータに取引データを記録する「分散型」というところに特徴があります。取引記録は鎖(チェーン)のように繋がれ、暗号化された形で蓄積されます。コンピュータは相互に記録を監視する仕組みになっていて、データの改竄が難しい利点があります。銀行などの金融機関が大規模なコンピュータで集中管理する必要が無く、低コストで運用できるメリットがあります。
便利で革新的な仮想通貨ですが、トラブルも起きています。海外で仮想通貨の取引所がサイバー攻撃を受けて、顧客が預けた仮想通貨が消失する事件がありました。日本国内でも2014年に、当時ビットコイン取引所で世界最大規模だった「マウントゴックス」で巨額のビットコインが消失するという事件が起こりました。国は取引所を登録制として、利用者の本人確認や取引記録の保存を求めるなど、監視強化に取り組んでいます。
日本円は日本銀行が発行していますが、発行枚数の上限はありません。理論上は無限に発行できます。ただし、日本円を大量に発行してしまうと、その価値が下がってインフレになってしまいます。
ビットコインの発行枚数は2,100万枚と決まっているため、その価値を下げるインフレを心配する必要はありません。
価格
ビットコインの現在価格は次のとおりです。
ビットコインの価格は取引所で確認できるほか、Google Financeで検索することができます。Googleスプレッドシートでビットコインの価格を表示することもできます。
チャート
ビットコインの価格チャートは次のとおりです。
半減期
マイナー(採掘者)がブロックを作成すると、報酬としてビットコインが与えられます。この報酬のことをコインベースといいます。ブロックが21万個作成されるごとに、コインベースは半減します。この半減するサイクルのことを半減期といいます。
ブロック高 | 日付 | コインベース |
---|---|---|
0番目 | 2009年1月3日 | 1ブロックあたり50BTC |
21万番目 | 2012年11月28日 | 1ブロックあたり25BTC |
42万番目 | 2016年7月9日 | 1ブロックあたり12.5BTC |
63万番目 | 2020年5月11日 | 1ブロックあたり6.25BTC |
ビットコインの格付け
米国の格付け機関Weiss Ratingsによる格付けは次のとおりです。
格付け | 仮想通貨 | |
---|---|---|
good | B | イーサリアム(ETH) |
EOS (EOS) | ||
B- | Cardano (ADA) | |
NEO(NEO) | ||
fair | C+ | ビットコイン(BTC) |
Stellar (XLM) | ||
ライトコイン(LTC) | ||
NEM (XEM) | ||
C | リップル(XRP) | |
C- | ビットコインキャッシュ(BCH) |
ビットコインが買える仮想通貨取引所
次の仮想通貨取引所でビットコインを売買できます。
ビットコイン決済
買い物の代金をビットコインで支払えるお店もあります。
- ビックカメラ
- 丸井
ビットコインキャッシュ(BCH)
ビットコインキャッシュ(BCH)とは、2017年8月にビットコインから分裂してできた仮想通貨です。ビットコインの保有者には、ビットコインと同数のビットコインキャッシュが付与されました。
ビットコインは日本円や米ドルでいう中央銀行のように、一元的に管理する主体が存在しません。複数の業者が世界中の取引を記録したシステムを共有しています。各業者の主な業務は、誰から誰にどれくらいのビットコインが渡ったかなど、個別取引の情報をシステムに記録することです。最初に記録した業者が「報酬」のビットコインを得る仕組みのため、各業者はこの記録作業を競っています。業者間では自らが有利になるよう、記録の方法を巡って対立が繰り返され、折り合いがつかなければ分裂するという状況になっています。
ビットコインゴールド(BTG)
ビットコインゴールド(BTG)とは、2017年10月にビットコインから分裂してできた仮想通貨です。ビットコインキャッシュのときと同様に、ビットコインの保有者にはビットコインと同数のビットコインゴールドが付与されました。
分裂の背景はビットコインキャッシュのときと同様ですが、ビットコインゴールドの場合は香港の業者が分裂を主導しました。
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