ファンドラップの運用成績を銀行・証券会社ごとに比較 2022年版

ランキング

ファンドラップをどこの証券会社や銀行で行うかお悩みのあなたへ。この記事では、金融庁が調査・公表している統計を基にファンドラップを比較しています。これを見れば、どこを選べばお得なのかすぐに分かります。

ファンドラップとは

ファンドラップとは、投資家が証券会社や銀行と投資一任契約を締結したうえで、投資家が預けた資金を証券会社や銀行が投資信託(ファンド)で運用する仕組みです。

投資家が投資信託で資産運用する場合、通常は自分で選んで購入しますが、ファンドラップでは証券会社や銀行が投資信託を選びます。数千種類ある投資信託の中から適切なものを選ぶことは初心者には困難ですが、ファンドラップなら専門家が選んでくれます。

運用成績の比較

ファンドラップの運用は証券会社や銀行が行うので、運用の巧拙が如実に現れます。では、ファンドラップはどこの証券会社や銀行を選べばいいのでしょうか? ブログやSNSで評判や口コミを調べる方法もありますが、評判や口コミは個人の主観に過ぎませんので、あてにはできません。データとしても乏しすぎます。実は、ファンドラップの運用成績は金融庁が調査・公表しています。銀行や証券会社などの各金融機関が監督官庁である金融庁へ報告する統計データなので、個人の評判や口コミより正確で参考になります

ファンドラップの運用成績を過去5年間の費用控除後リターン(年率)で比較したランキングは次のとおりです。

過去5年間の費用控除後リターン
順位ファンドラップリターン(年率)
1ON COMPASS6.9%
2楽ラップ6.5%
3ダイワ ファンドラップ プレミアム6.0%
4Mizuho Fund Wrap5.0%
5ダイワ ファンドラップ4.7%
6野村ファンドラップ4.3%
7SMBCファンドラップ4.1%
7日興ファンドラップ(エドモンド・ロスチャイルド)4.1%
9野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)4.0%
9いちよしファンドラップ ドリーム・コレクション4.0%
11三井住友ファンドラップ(SMA)3.3%
12みずほファンドラップ3.2%
13水戸ファンドラップ3.1%
14ウエルス・スクエア ファンドラップ2.7%
15ダイワSMA2.2%
16MUFGファンドラップ0.9%
17東海東京ファンドラップ0.6%

※2021年末時点

ファンドラップの運用成績を過去3年間の費用控除後リターン(年率)で比較したランキングは次のとおりです。

過去3年間の費用控除後リターン
順位ファンドラップリターン(年率)
1ON COMPASS11.9%
2楽ラップ10.4%
3ダイワ ファンドラップ8.2%
4ダイワ ファンドラップ プレミアム8.1%
5Mizuho Fund Wrap8.0%
6野村ファンドラップ7.8%
7日興ファンドラップ(エドモンド・ロスチャイルド)7.7%
8野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)7.6%
9いちよしファンドラップ ドリーム・コレクション7.5%
10三井住友ファンドラップ(SMA)7.1%
11SMBCファンドラップ6.7%
12水戸ファンドラップ6.6%
13みずほファンドラップ5.8%
14ウエルス・スクエア ファンドラップ5.1%
15ダイワSMA3.6%
16東海東京ファンドラップ1.9%
17MUFGファンドラップ1.2%

※2021年末時点

手数料の比較

ファンドラップの手数料は、運用成績に関わらず一定の手数料を徴収する「固定報酬型」と、運用益に応じて手数料を徴収する「成果報酬型」の2種類があります。

固定報酬型ファンドラップの手数料を比較したランキングは次のとおりです。

固定報酬型の手数料
ファンドラップ手数料備考
楽ラップ0.7150%
ごうぎん証券
山陰合同銀行
0.7150%ボンドコア・プログラム
2,000万円以下の部分
ダイワファンドラップ(資産保全重視)0.7700%1億円以下の部分
ON COMPASS1.0075%
ダイワファンドラップ プレミアム(より安定)1.1000%1,000万円以下の部分
ダイワファンドラップ オンライン1.1000%
SMBC日興証券1.3200%5,000万円以下の部分
関西みらい銀行
埼玉りそな銀行
りそな銀行
1.3200%
山陰合同銀行1.3750%マスター・プログラム
2,000万円以下の部分
三菱UFJ信託銀行1.5400%
ダイワファンドラップ1.5400%1,000万円以下の部分
三井住友信託銀行1.5400%
東海東京証券1.6500%5,000万円以下の部分
みずほ証券1.6500%
ダイワファンドラップ プレミアム(より積極)1.7600%1,000万円以下の部分
水戸証券2.2000%5,000万円以下の部分
GAIA35,000円

※手数料は税込

成功報酬型ファンドラップの手数料を比較したランキングは次のとおりです。

成功報酬型の手数料
金融機関手数料
楽天証券運用資産の0.605% + 運用益の5.5%
関西みらい銀行
埼玉りそな銀行
りそな銀行
運用資産の1.210% + 運用益の11%
三菱UFJ信託銀行運用資産の1.320% + 運用益の11%
みずほ証券運用資産の1.320% + 運用益の11%
水戸証券運用資産の1.650% + 運用益の11%
三井住友信託銀行運用資産の1.023% + 運用益の16.5%
東海東京証券運用資産の1.122% + 運用益の16.5%

※手数料は税込

「成功報酬型」と謳っていながら、1.2%以上の下駄(固定報酬)を履かせているところも多いのが現状です。実質的に成功報酬の体を成していないので、注意が必要です。

なお、次の証券会社には成功報酬型のファンドラップはありません。

  • SMBC日興証券
  • 山陰合同銀行
  • 大和証券

楽ラップ

楽ラップとは楽天証券のファンドラップです。以下に示す投資信託を投資対象としています。

投資対象ファンド
資産クラスファンド
国内株式ステート・ストリート日本株式インデックス・オープン
外国株式ステート・ストリート先進国株式インデックス・オープン
たわらノーロード 先進国株式<ラップ向け>
ステート・ストリート先進国株式インデックス・オープン(為替ヘッジあり)
ステート・ストリート新興国株式インデックス・オープン
たわらノーロード 新興国株式<ラップ向け>
国内債券ステート・ストリート日本債券インデックス・オープン
外国債券ステート・ストリート先進国債券インデックス・オープン
たわらノーロード 先進国債券<ラップ向け>
ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン2
ステート・ストリート先進国債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)
ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン(為替ヘッジあり)
楽天・米国社債1-5年インデックス(為替ヘッジ)ファンド(ラップ向け)
楽天・米国社債5-10年インデックス(為替ヘッジ)ファンド(ラップ向け)
楽天・USハイイールド社債インデックス(為替ヘッジ)ファンド<ラップ向け>
ステート・ストリート新興国債券インデックス・オープン
REITたわらノーロード 国内リート<ラップ向け>
たわらノーロード 先進国リート<ラップ向け>

大和証券のファンドラップ

大和証券のファンドラップには、次に示す3種類があります。

  • ダイワファンドラップ
  • ダイワファンドラップ オンライン
  • ダイワファンドラップ プレミアム(プレミアム特約付ダイワファンドラップ)

ダイワファンドラップ

ダイワファンドラップの概要は次のとおりです。

ダイワファンドラップ
契約金額300万円以上
手数料資産評価額とリスク水準に応じた料率
リスク水準安定から積極まで5種類
資産クラス日本株式
外国株式
日本債券
外国債券
J-REIT
外国REIT
コモディティ
ヘッジファンド
対象ファンド資産クラスごとに計10本の投資信託
付帯サービス定期受取サービス
寄附サービス

ダイワファンドラップ オンライン

ダイワファンドラップ オンラインの概要は次のとおりです。

ダイワファンドラップ オンライン
契約金額1万円以上
手数料年1.1%
リスク水準より安定からより積極まで7種類
資産クラス日本株式
外国株式(為替ヘッジあり/なし)
日本債券
外国債券(為替ヘッジあり/なし)
J-REIT
外国REIT(為替ヘッジあり/なし)
コモディティ
ヘッジファンド
対象ファンド資産クラスごとに1本、計9本のインデックスファンド
付帯サービス定期積立サービス

ダイワファンドラップ プレミアム

ダイワファンドラップ プレミアムの概要は次のとおりです。

ダイワファンドラップ プレミアム
契約金額3,000万円以上
手数料資産評価額とリスク水準に応じた料率
リスク水準より安定からより積極まで7種類
資産クラス日本株式
外国株式(為替ヘッジあり/なし)
日本債券
外国債券(為替ヘッジあり/なし)
J-REIT
外国REIT(為替ヘッジあり/なし)
対象ファンド4タイプ計38本の投資信託
資産クラスごとに最大3銘柄選択可能
付帯サービス定期受取サービス
相続時受取人指定サービス
暦年贈与サービス
寄附サービス

山陰合同銀行のファンドラップ

山陰合同銀行のファンドラップ「Funds Club」には、「マスター・プログラム」と「ボンドコア・プログラム」という2つの運用コースがあります。

Funds Club
項目マスター・プログラムボンドコア・プログラム
契約金額300万円以上
1万円単位
1,000万円以上
1万円単位
投資対象資産国内株式
国内債券
外国株式
外国債券
世界REIT
オルタナティブ
国内債券
外国債券
オルタナティブ
報酬率2,000万円以下の部分1.375%0.715%
2,000万円超
5,000万円以下の部分
1.243%0.682%
5,000万円超
1億円以下の部分
1.111%0.583%
1億円超の部分0.847%0.418%

※報酬率は税込

参考文献

金融庁 (2022) 「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析」の公表について

金融機関の比較について詳しくは次の記事もご覧ください。

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証券会社や銀行などの金融機関のうち、儲かっている客が多いのはどこなのか興味がありませんか? どこも大差ないだろうと考えがちですが、実際には金融機関によって凄まじい格差があることが明らかになりました。

コメント

  1. […] などなど、プロが運用するものに関しては相当額が必要で、ロボなど機械が勝手に運用するもの関しては少額設定となっているようです。手数料などについては、ファンドラップの比較サイトがございましたので、こちらをご参照ください。わかり易くていいですね。 […]