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国民年金基金制度は加入した方が得か?それとも損か?

年金

国民年金基金とは、国民年金の加入者が任意で加入できる個人年金です。

加入義務がある国民年金と違って、国民年金基金は加入するかどうか自分で選べます。

国民年金基金には加入した方が得なのでしょうか、それとも損なのでしょうか?

国民年金基金とは

国民年金基金とは、国民年金に上乗せして受給するための年金制度です。

国民年金基金に加入できるのは、国民年金の第1号被保険者(自営業者など)と第3号被保険者(会社員の妻で専業主婦)です。

第2号被保険者(厚生年金加入者=会社員)は、国民年金基金に加入できません。

国民年金基金には2種類あります。

  • 終身年金
  • 確定年金

終身年金

終身年金は、年金を一生涯受け取れます。

国民年金基金の終身年金には「A型」と「B型」の2種類があります。

終身年金
A型 B型
年金支給開始年齢 65歳から
年金受取期間 一生涯
保証期間 15年間 なし
基本年金額 10,000~20,000円

保証期間中に加入者が亡くなられると、遺族の方に一時金が支給されます。終身年金B型には保証期間が無いため、遺族一時金はありません。その分、掛金を抑えられます。

確定年金

確定年金は、年金を受け取れる期間に上限があります。

国民年金基金の確定年金には「I型」から「V型」までの5種類があります。

確定年金
I型 Ⅱ型 Ⅲ型 Ⅳ型 V型
年金支給開始年齢 65歳から 60歳から
年金受取期間 15年間 10年間 15年間 10年間 5年間
保証期間 15年間 10年間 15年間 10年間 5年間
基本年金額 5,000円~10,000円

国民年金基金の掛金の金額

国民年金基金では、掛金の金額を自分で決めることができます。

掛金の拠出限度額は、iDeCoなどの確定拠出年金の掛け金と合算して、月額68,000円です。

国民年金基金のデメリット

国民年金基金には次のようなデメリットがあります。

中途解約できない

国民年金基金への加入は任意ですが、いったん加入すると、自分の都合で任意に脱退または中途解約することはできません。

ただし、会社員になったときなど、国民年金の第1号被保険者または第2号被保険者でなくたったら国民年金基金の加入資格を喪失します。

満期になるか、加入資格を喪失するまで止められないので、加入するときは慎重に検討が必要です。

付加年金に加入できない

付加年金と国民年金基金の両方に加入することはできません。

iDeCoなどの確定拠出年金と併用しずらい

付加年金と国民年金基金の両方に加入することはできませんが、iDeCoなどの確定拠出年金と国民年金基金の両方に加入することはできます。

ただし、掛金の拠出限度額は確定拠出年金の掛金と合算して月額68,000円になります。

自営業者の場合はiDeCoの掛金の上限金額は68,000円であるため、掛金を上限いっぱいにすると国民年金基金に回せなくなります。

ねんきん定期便で確認できない

毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で国民年金や厚生年金の記録を確認できますが、国民年金基金のことは記載されておらず、別途確認する必要があります。

国民年金基金のメリット

国民年金基金には次のようなメリットがあります。

確定給付

iDeCoなどの確定拠出年金は受給額が決まっていないため、年金額がいくらになるか不安があります。最悪の場合は、受給額が掛金を下回ることもあります。

国民年金基金は、あらかじめ受給額が決まっている確定給付年金です。老後の生活保障として決まった金額が受け取れるのは安心感があります。

社会保険料控除の対象となる

国民年金基金の掛金の全額が社会保険料控除の対象となりますので、所得税住民税が節税できます。

終身年金

国民年金基金は終身年金なので、一生年金を受給できます。受給できる金額に上限はありません。

自分で余生を過ごすための資金を貯めようとすると、たとえば60歳でリタイアして100歳まで生きるとすると、40年分の生活費を自分で用意する必要があります。

「長生きするリスク」を考えると、生涯もらえる国民年金基金のメリットは大きいです。

掛金の増減が可能

口数単位で増口、減口できるので、余裕のある時は掛金を増やしたり、その逆も柔軟にできます。そのときどきの状況に応じて掛金を変更できるのが便利です。

まとめ

途中で脱退できないデメリットはあるものの、「長生きするリスク」に備えるためには、国民年金基金は大変お得な制度です。

老後に備えた自己資金が十分にある方を除き、国民年金基金は加入を検討するに値する年金だと思います。

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