三菱HCキャピタルが個人向け社債「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」を2023年8月4日に発行します。この記事では、本社債の利率や購入方法などをご紹介します。
概要
三菱HCキャピタル株式会社が発行する個人向け社債の概要は次のとおりです。
名称 | 三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
期間 | 7年 |
利率 | 年率0.743%(税引前) |
発行日 | 2023年8月4日 |
利払日 | 毎年2月4日及び8月4日 |
償還日 | 2030年8月2日 |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
募集期間 | 2023年7月24~2023年8月3日 |
格付 | AA-(R&I)、AA(JCR) |
発行額 | 200億円 |
条件決定日 | 2023年7月21日 |
発行体
「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の発行体(債券の発行元)は、三菱HCキャピタル株式会社です。2021年4月に三菱UFJリース株式会社と日立キャピタル株式会社が合併して、三菱HCキャピタル株式会社が誕生しました。
三菱HCキャピタル株式会社は東証1部に上場しています。(証券コード8593)
リース会社とは、機械設備などを企業に長期で貸し出す会社です。三菱HCキャピタルはリース会社の中でも、売上高で第3位の規模を誇っています。
企業 | 連結売上高 |
---|---|
オリックス | 2兆5,203億円 |
三井住友ファイナンス&リース | 1兆8,185億円 |
三菱HCキャピタル | 1兆7,655億円 |
東京センチュリー | 1兆2,779億円 |
芙蓉総合リース | 6,578億円 |
みずほリース | 5,548億円 |
JA三井リース | 4,592億円 |
リコーリース | 3,038億円 |
三菱HCキャピタル株式会社は、リース会社の中でも発行体格付が高い企業です。
企業 | R&I | JCR |
---|---|---|
NTT・TCリース | AA+ | AA+ |
三菱HCキャピタル | AA- | AA |
オリックス | AA- | AA |
三井住友ファイナンス&リース | AA- | AA |
東京センチュリー | A+ | AA- |
みずほリース | A+ | A+ |
芙蓉総合リース | A | A+ |
JA三井リース | A | A |
利率
三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は、年0.743%(税引前)です。利払いは毎年2月4日と8月4日の年2回行われます。初回の利払日は2024年2月4日です。
格付
三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)から以下に示す長期個別債務格付を取得しています。
格付機関 | 格付 |
---|---|
R&I | AA- |
JCR | AA |
R&Iの格付とJCRの格付が異なりますが、これはJCRが甘めの格付を行う傾向があるからです。どちらかというと、R&Iの格付けを参考にした方がよいでしょう。
格付投資情報センター
「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」は株式会社格付投資情報センター(R&I)から「AA-」の長期個別債務格付を取得しています。R&Iによる格付事由は次のとおりです。
総合リース大手で三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三菱商事の持分法適用関連会社。株主の一社である日立製作所とは、金融パートナーとして連携している。多様なファイナンス機能を持ち幅広い領域に展開可能な金融会社として、主要株主の成長戦略の一翼を担っている。
営業基盤は極めて強固だ。銀行・商社系、メーカー系という異なるバックグラウンドを持つ。伝統的なリース・ファイナンスに加え、販売金融や不動産、航空機や海上コンテナ、鉄道貨車といったグローバルアセット、再生可能エネルギー発電事業の運営も手掛け事業領域は幅広い。収益源は分散している。
リスクプロフィールは物件価値変動リスクと信用リスクが主体だ。リスク耐久力はおおむねAAゾーンに見合う。リスクテークに積極的で抱えるリスクは資本対比でやや大きいが、統合リスク管理の下でリスクを適切に管理しており、リスクが急増する懸念は小さい。資産の質は健全と評価できる。
利ざやの厚い事業が多く利益水準も高い。収益力は強くリース会社でトップクラス。サステナビリティーやデジタルトランスフォーメーション、高付加価値サービスをキーワードに経営戦略を策定・推進する方針だ。リスクを適切に管理しつつ、営業基盤や収益力を強化できるか注目している。
メーンバンクの三菱UFJ銀行を筆頭に主要金融機関と安定した取引関係を構築している。円貨・外貨ともに多様な調達手段を確保している。資金調達余力は十分にあり、流動性リスクは小さい。
日本格付研究所
「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」は株式会社日本格付研究所(JCR)から「AA」の長期個別債務格付を取得しています。JCRによる格付事由は次のとおりです。
三菱HCキャピタルは、総合リース大手であり、三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)および三菱商事の持分法適用関連会社。日立製作所とも、重要な金融パートナーとして連携している。長期発行体格付は、主要株主の顧客基盤や高い事業展開力などを背景とする強固な事業基盤、良好な収益力および資本充実度などを反映している。MUFG の支配・関与度および経営的重要度を踏まえ、MUFG のグループ信用力も考慮している。本件はシニア債であり、債券格付は長期発行体格付と同水準とした。
社債間限定同順位特約
三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)には担保がありません。
ただし、社債間限定同順位特約が付いていますので、もし三菱HCキャピタル株式会社が担保付きの社債を発行する場合は、三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)にも担保が付きます。
販売会社
三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、次の証券会社で販売しています。
証券会社 | 引受金額 |
---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 110億円 |
大和証券 | 30億円 |
野村證券 | 20億円 |
みずほ証券 | 10億円 |
SMBC日興証券 | 10億円 |
岡三証券 | 10億円 |
東海東京証券 | 10億円 |
計 | 200億円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をネットでも取り扱っています。
大和証券
大和証券は「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をインターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本店・支店・営業所、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで取り扱っています。
みずほ証券
みずほ証券は「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をネット倶楽部(オンライントレード)でも取り扱っています。
SMBC日興証券
SMBC日興証券は「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をオンライントレードでも取り扱っています。
発行実績
三菱HCキャピタル株式会社は、過去に次の個人向け社債を発行しています。なお、三菱UFJリース株式会社時代に発行した個人向け社債を含みます。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第9回無担保社債 | 2023年8月4日 | 0.743% | 7年 |
第4回無担保社債 | 2022年1月31日 | 0.330% | 7年 |
第81回無担保社債 | 2021年1月29日 | 0.270% | 7年 |
第73回無担保社債 | 2020年1月30日 | 0.280% | 7年 |
第70回無担保社債 | 2019年7月30日 | 0.200% | 6年 |
第62回無担保社債 | 2018年10月29日 | 0.310% | 約7年 |
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参考文献
三菱HCキャピタル株式会社 (2023) 三菱HCキャピタル 第 9 回無担保社債(個人投資家向け)発行に関するお知らせ
三菱HCキャピタル株式会社 (2023) 会社格付
株式会社格付投資情報センター (2023) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2023) News Release
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