三菱HCキャピタルが個人向け社債「三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」を2022年9月16日に発行します。この記事では、本社債の利率や購入方法などをご紹介します。
概要
三菱HCキャピタル株式会社が発行する個人向け社債の概要は次のとおりです。
名称 | 三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
期間 | 7年 |
利率 | 年率0.629%(税引前) |
発行日 | 2022年9月16日 |
利払日 | 毎年3月16日および9月16日(年2回) |
償還日 | 2029年9月14日 |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
募集期間 | 2022年9月5日~2022年9月15日 |
格付 | AA-(R&I)、AA(JCR) |
発行額 | 300億円 |
発行体
「三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の発行体(債券の発行元)は、三菱HCキャピタル株式会社です。2021年4月に三菱UFJリース株式会社と日立キャピタル株式会社が合併して、三菱HCキャピタル株式会社が誕生しました。
三菱HCキャピタル株式会社は東証1部に上場しています。(証券コード8593)
リース会社とは、機械設備などを企業に長期で貸し出す会社です。三菱HCキャピタルはリース会社の中でも、売上高で第3位の規模を誇っています。
企業 | 連結売上高 |
---|---|
オリックス | 2兆5,203億円 |
三井住友ファイナンス&リース | 1兆8,185億円 |
三菱HCキャピタル | 1兆7,655億円 |
東京センチュリー | 1兆2,779億円 |
芙蓉総合リース | 6,578億円 |
みずほリース | 5,548億円 |
JA三井リース | 4,592億円 |
リコーリース | 3,038億円 |
三菱HCキャピタル株式会社は、リース会社の中でも発行体格付が高い企業です。
企業 | R&I | JCR |
---|---|---|
NTT・TCリース | AA+ | AA+ |
三菱HCキャピタル | AA- | AA |
オリックス | AA- | AA |
三井住友ファイナンス&リース | AA- | AA |
東京センチュリー | A+ | AA- |
みずほリース | A+ | A+ |
芙蓉総合リース | A | A+ |
JA三井リース | A | A |
利率
三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は、年0.400%~0.800(税引前)です。これは仮条件で、2022年9月2日に決定する予定です。
利払いは毎年3月16日と9月16日の年2回行われます。初回の利払日は2023年3月16日です。
格付
三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)から格付を取得しています。
格付機関 | 格付 |
---|---|
R&I | AA- |
JCR | AA |
R&Iの格付とJCRの格付が異なりますが、これはJCRが甘めの格付を行う傾向があるからです。どちらかというと、R&Iの格付けを参考にした方がよいでしょう。
格付について詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。

格付投資情報センター
格付投資情報センター(R&I)による格付事由は次のとおりです。
総合リース大手で三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三菱商事の持分法適用関連会社。主要株主の一社である日立製作所とは、金融パートナーとして連携している。多様なファイナンス機能を持ち幅広い領域に展開可能な金融会社として、主要株主の成長戦略の一翼を担っている。
営業基盤は極めて強固だ。銀行・商社系、メーカー系と異なる出自の有力リース会社をバックグラウンドに持つ。伝統的なリース・ファイナンスに加え、販売金融や不動産、航空機や海上コンテナ、貨車といったグローバルアセット、発電事業の運営も手掛け事業領域は幅広い。収益源は分散している。
リスクプロフィールは物件価値変動リスクと信用リスクが主体だ。リスク耐久力はおおむねAAゾーンに見合う。事業特性上リスクテークに積極的で、抱えるリスクは資本対比でやや大きいが、統合リスク管理の下でリスクを適切に管理しており、リスクが急増する懸念は小さい。
資産の質は健全だ。航空機リースの動向には依然として注意が必要で、引当・減損リスクは残っているが、資産の質全体に与える影響は小さいとみている。三菱HCキャピタルの航空機リース資産は業界の中では優良とみている。ロシア向けのエクスポージャーは抱えていない。
メーンバンクの三菱UFJ銀行を筆頭に主要金融機関と安定した取引関係を構築している。円貨・外貨ともに間接・直接市場における調達手段の多様化が進んでいる。資金調達余力を十分に確保しており、流動性リスクは小さい。
利ざやが厚いアセットファイナンスや海外事業が拡大している。収益力は強くリース会社トップクラス。アセットビジネスの強化に意欲的で2021年には海上コンテナリース大手を買収した。リスクを適切に管理しつつ、営業基盤や収益力を強化できるか注目している。
日本格付研究所
日本格付研究所(JCR)による格付事由は次のとおりです。
三菱HCキャピタルは、大手総合リース会社であり、三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)および三菱商事の持分法適用関連会社。MUFG と経営、営業、資金調達など各面で密接な関係を構築しており、グループにおける戦略的重要性は高い。格付は、主要株主の顧客基盤や高い事業展開力を背景とする強固な事業基盤、比較的高い収益力や資本充実度、MUFG の信用力などを反映している。本件はシニア債であり、債券格付は長期発行体格付と同水準とした。
社債間限定同順位特約
三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)には担保がありません。
ただし、社債間限定同順位特約が付いていますので、もし三菱HCキャピタル株式会社が担保付きの社債を発行する場合は、三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)にも担保が付きます。
販売会社
三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、次の証券会社で販売しています。
証券会社 | 引受金額 |
---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 150億円 |
大和証券 | 50億円 |
みずほ証券 | 40億円 |
野村證券 | 20億円 |
岡三証券 | 20億円 |
東海東京証券 | 20億円 |
計 | 300億円 |
個人向け社債の購入方法について、詳しくは次の記事をご覧ください。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)をネットでも取り扱っています。
大和証券
大和証券では三菱HCキャピタル株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)をインターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本・支店・営業所、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで取り扱っています。
発行実績
三菱HCキャピタル株式会社は、過去に次の個人向け社債を発行しています。なお、三菱UFJリース株式会社時代に発行した個人向け社債を含みます。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第4回無担保社債 | 2022年1月31日 | 0.33% | 7年 |
第81回無担保社債 | 2021年1月29日 | 0.27% | 7年 |
第73回無担保社債 | 2020年1月30日 | 0.28% | 7年 |
第70回無担保社債 | 2019年7月30日 | 0.20% | 6年 |
第62回無担保社債 | 2018年10月29日 | 0.31% | 約7年 |
参考文献
三菱HCキャピタル株式会社 (2022) 会社格付
株式会社格付投資情報センター (2022) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2022) News Release

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