オリックス銀行の「eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号」が2020年12月24日から販売されます。予定配当率は年0.48%で、信託期間は1年です。
概要
オリックス銀行「eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号」の概要は次のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号 |
予定配当率 | 年0.48%(税引前) |
信託期間 | 2021年1月28日~2022年1月28日(1年) |
利払日 | 2022年2月4日(年1回) |
償還日 | 2022年2月4日 |
申込単位 | 100万円以上100万円単位 |
格付 | J-1(JCR) |
募集期間 | 2020年12月24日~2021年1月21日 |
オリックス銀行は過去にも次の「eダイレクト金銭信託(予定配当型)ソフトバンクグループ株式会社」を募集しています。
回号 | 予定配当率(税引前) | 信託期間 |
---|---|---|
第34号 | 0.48% | 1年 |
第33号 | 0.48% | 1年 |
第32号 | 0.48% | 1年 |
第31号 | 0.48% | 1年 |
第30号 | 0.48% | 1年 |
第29号 | 0.48% | 1年 |
第28号 | 0.48% | 1年 |
第27号 | 0.48% | 1年 |
第26号 | 0.48% | 1年 |
第25号 | 0.48% | 1年 |
第24号 | 0.48% | 1年 |
第23号 | 0.48% | 1年 |
第22号 | 0.48% | 1年 |
第21号 | 0.48% | 1年 |
金銭信託とは
「eダイレクト金銭信託」とは、顧客から預かった信託金をオリックス銀行が選んだ上場企業1社への貸付金で運用する金融商品です。オリックス銀行は貸付先から貸付金の返済を受けて、顧客に元本と収益を還元します。
「eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号」の場合、貸付先はソフトバンクグループ株式会社です。
eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号の償還日は2022年2月4日です。償還日を迎えると、元本と収益期間が支払われます。
eダイレクト金銭信託にはほかにも次の商品があります。
金銭信託と投資信託の違い
金銭信託と投資信託には、次のような違いがあります。
金銭信託 | 投資信託 | |
---|---|---|
信用リスク | あり(リスク分散されていない) | あり(リスク分散されている) |
価格変動リスク | なし | あり |
満期 | あり | なし |
中途売却 | 不可 | 可 |
利回り | ほぼ予定利率のとおり | 無しまたはそのときどきで変動する |
金銭信託は価格変動リスクがないため、信用リスクが顕在化しない限り元本はそのまま返ってきます。利回りは保証されていないものの、ほぼ予定利率のとおり支払われます。ただし、特定の企業に信用リスクが集中しています。
「eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第345」の予定配当率は年率0.48%(税引前)です。
予定配当率はあくまでも予定であり、利率は保障されていません。とはいえ、これまでのeダイレクト金銭信託の実績は、予定配当率どおりの利率となっています。
信託報酬
eダイレクト金銭信託は信託元本に対して0.01%~3.00%の信託報酬がかかります。
ただし、元本は額面どおり返ってきますし、予定配当率から引かれるわけでもありません。信託報酬を差し引いた結果が予定配当率となっています。
リスク
オリックス銀行のeダイレクト金銭信託は投資信託などと同様に元本保証ではないので、元本割れのリスクがあります。また、預金保険制度の対象ではありません。
「eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号」の場合、ソフトバンクグループ株式会社が貸付金を返済できなかった場合に元本割れとなります。
格付
「eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号」は、株式会社日本格付研究所(JCR)から「J-1」の短期格付を取得しています。
短期個別債務格付とは、期限1年以内の債務が履行される確実性を比較できるように、等級をもって示すものです。短期個別債務格付の対象には、コマーシャル・ペーパー・プログラム等、発行者が負う個別の債務を含みます。
格付 | 説明 |
---|---|
J-1 | 短期債務履行の確実性が最も高い。 特に短期債務履行の確実性の高いものについては J-1+ で表す。 |
J-2 | 短期債務履行の確実性は高いが、J-1 より若干劣る。 |
J-3 | 短期債務履行の確実性は認められるが、環境の悪化による影響を被りやすい。 |
NJ | 上位等級より、短期債務履行の確実性が劣る。 |
D | 債務不履行に陥っているとJCRが判断している。 |
JCRの格付事由は次のとおりです。
JCRでは2020年6月2日に当社(ソフトバンクグループ株式会社)の長期発行体格付を「A-」、見通しを「安定的」と公表している。その後、格付に影響を与える事象は発生していない。
出典:株式会社日本格付研究所(2020)「News Release」
税金
オリックス銀行eダイレクト金銭信託の配当は、20.315%が源泉分離課税されます。源泉徴収されるので、確定申告をする義務はありません。
税金 | 税率 | 分類 |
---|---|---|
所得税 | 15% | 国税 |
復興特別所得税 | 0.315%(所得税額の2.1%) | 国税 |
住民税 | 5% | 地方税 |
評判
利回りが高いことで評判の「eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社」ですが、次のような評判もあります。
オリックス銀行のeダイレクト金銭信託(ソフトバンク)最低単位買おうかと思います。ただ商品の設計上微妙に資金拘束期間が長いのが欠点。2月アタマから募集してるのに信託契約日が3月末で信託終了・支払い日が来年の4月アタマ。最長一年2ヶ月近く拘束される。
— 月のマグマ (@tsukino_magma) 2019年2月20日
eダイレクト金銭信託は信託期間が終了してから元本と金利が支払われるまでに1週間のタイムラグがあります。
オリックス銀行のeダイレクト金銭信託(実質ソフトバンク社債)、
早期販売終了の可能性と書いてあったけど結局最終日まで売ってる。
ちょっと前までは奪い合いになってた条件だと思うけど。
皆値下がりした個別株のナンピンに現金使い過ぎて余裕無いな、さては。— 月のマグマ (@tsukino_magma) March 15, 2019
ソフトバンクグループ
eダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第35号の貸付先はソフトバンクグループ株式会社です。
ソフトバンクグループ株式会社は、ソフトバンクグループ企業を傘下に置く持株会社です。
社名 | ソフトバンクグループ株式会社 |
設立日 | 1981年9月3日 |
本社所在地 | 東京都港区東新橋1-9-1 |
資本金 | 2,387億7,200万円(2020年3月末現在) |
子会社数 | 1,475社(2020年3月末現在) |
関連会社数 | 455社(2020年3月末現在) |
共同支配企業 | 27社(2020年3月末現在) |
事業内容 | 純粋持ち株会社 |
ソフトバンクグループには、次のグループ企業があります。
- ソフトバンク
- ITmedia
- スプリント(米国)
- YAHOO
バリューコマース
- アスクル
- イーブックイニシアティブジャパン
- ジャパンネット銀行
- Arm
- ソフトバンク・ビジョン・ファンド
- 福岡ソフトバンクホークス
- SBエナジー
- Vector
- アリババ・グループ
ソフトバンクグループ株式会社の2020年度第3四半期(2019年4月~12月期)決済資料を見ると、前年と比べて売上高は変わらないものの、営業赤字に陥っています。純利益も7割減となっており、かなり厳しい経営状態といえます。
連結業績 | 2018年度 Q1-Q3 | 2019年度 Q1-Q3 | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 71,685億円 | 70,898億円 | -1.1% |
営業利益 | 18,590億円 | -130億円 | N/A |
当期純利益 | 15,384億円 | 4,766億円 | -69.0% |
S&PとMoody’sによるソフトバンクグループ株式会社の格付は、投資不適格となっています。
格付機関 | 格付 |
---|---|
JCR | A- |
S&P | BB+ |
Moody’s | Ba3 |
ソフトバンクグループ株式会社は、2020年3月25日にMoody’sから取得していた発行体格付を取り下げると発表しました。しかし、Moody’sのみならず、S&Pからも「投資不適格」の烙印を押されています。
信用格付について詳しくは次の記事をご覧ください。

ソフトバンクグループ株式会社の経営状態は、そのときどきで変化します。
本来はリスクに応じて配当率も変わるべきなのですが、これまでの「eダイレクト金銭信託(予定配当型)ソフトバンクグループ株式会社」の予定配当率は年0.48%(税引前)で一定していて変わりません。
配当率が変わらないのであれば、経営状態が安定しているときは得、経営状態が不安定なときは損ということになります。
オリックス銀行
オリックス銀行とは、オリックス傘下の信託銀行です。
オリックス銀行のeダイレクト預金口座には店舗やATMがありません。eダイレクト預金口座の入出金はすべて振込で行います。出金の振込手数料は月2回までは無料で、3回目以降は1回あたり432円がかかります。
オリックス銀行については、次の記事もご覧ください。

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