山口フィナンシャルグループが個人向け社債「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」を2022年10月31日に発行します。
概要
株式会社山口フィナンシャルグループが発行する個人向け社債の概要は次のとおりです。
期間 | 10年 |
利率 | 当初5年間:年1.10%(税引前) 以降5年間:5年物円スワップのミッド・レートに0.68%を加算したもの |
発行日 | 2022年10月31日 |
利払日 | 毎年4月30日および10月31日(年2回) |
償還日 | 2032年10月31日 ※2027年10月31日に早期償還の可能性あり |
格付 | A(R&I) |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
発行総額 | 200億円 |
申込期間 | 2020年10月17日~2022年10月28日 |
発行体
株式会社山口フィナンシャルグループは、傘下に次の銀行を持つ金融持株会社です。
- 山口銀行(山口県)
- 北九州銀行(福岡県)
- もみじ銀行(広島県)
利率
「株式会社山口フィナンシャルグループ第7回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」の利率は、当初5年間(2022年10月31日~2027年10月31日)と以降5年間(2027年11月1日~)で異なります。
期間 | 利率(税引前) |
---|---|
当初5年間 | 年1.10% |
以降5年間 | 5年物円スワップのミッド・レートに0.68%を加算したもの |
格付
「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」は格付投資情報センター(R&I)から「A」の格付を取得しています。
格付投資情報センターの格付事由は次のとおりです。
中国・四国地方最大の地域金融グループの持株会社。山口県で高い市場地位にある山口銀行、広島県で広島銀行に次ぐシェアを確保しているもみじ銀行、福岡県で業容を拡大している北九州銀行を傘下に抱え、グループとして強固な営業基盤を持つ。持株会社の構造的劣後性などを反映し、発行体格付はグループ全体の信用力から1ノッチ下にしている。格付の方向性は安定的。
顧客部門の利益には一定の厚みがある。法人向けのコンサルティング強化やコスト削減などで収益力の改善につながっているものの、収益力は格付対比で低い。2021年の株主総会直後の臨時取締役会でグループCEOが交代したことなどを受け、社内調査本部などを設置し、ガバナンス・内部統制・企業風土に関する改善策を策定し、実行に移している。2022年度からの次期中期経営計画では、これまでの反省を踏まえて、トップダウンだけでなく、グループの横連携も強化したボトムアップで計画を設定し、その達成を目指す。改善策や計画の実効性を高めながら、収益力の改善が継続的に進むかその動向を注視していく。
与信では大口集中リスクを抱えている。預証率は低いものの、金利リスクを主体に市場リスクは大きい。機動的な有価証券ポートフォリオの組み換えで売買益を計上するなど市場運用のリスク選好度は比較的高い。安定したキャリー収益が見込める資産ポートフォリオのウエートを高めていく方針であり、その進捗に注目していく。
有価証券ポートフォリオの再構築や引き当ての強化で、2021年度通期業績予想を赤字決算に下方修正することを2022年2月に公表した。含み損を抱えた外債や株式投信の売却で市場リスクは減少し、実現損は概ね評価損として既に織り込んでいたことから、リスク耐久力への影響は限定的だ。グループの自己資本は相応に厚く、リスク耐久力はAゾーンに見合う。コロナ下が長期化していることも踏まえ、コロナ影響業種へグルーピングによる予防的なものを含め追加的に引き当てることで、再生支援をグループで積極化する見通し。大口与信先には信用力の高い先が多く、与信業務運営も保守的であり、資産の質は比較的健全な状態を保っている。流動性に問題はない。
格付について詳しくは、次の記事をご覧ください。

期限前償還条項付
株式会社山口フィナンシャルグループは2027年10月31日に、あらかじめ金融庁長官の確認を受けたうえで、残存する「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」の全部を期限前償還期日までの経過利息を付して、各社債の金額100円に付き金100円の割合で期限前償還することができます。
特約
「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」には、劣後特約と実質破綻時免除特約という2つの特約が付いています。
劣後特約
「劣後特約」とは、元本と利息の支払いの優先順位が普通社債より低い債券に付けられる特約のことです。この特約が付いた債券を「劣後債」と言います。
劣後債は発行体が破綻した場合の弁済順位が普通社債に比べ劣りますが、一般的に普通社債より利回りが高くなります。
発行体が破綻した場合、普通社債でも投資したお金が返ってくる保障はありませんが、劣後債は普通社債よりお金が返ってくる可能性がさらに低くなります。
実質破綻時免除特約
実質破綻時免除特約とは、発行体が実質的に破綻した状態になったときに、発行体はその元利金や利息の支払い義務をすべて免除されるという特約のことをいいます。
販売会社
「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」は次の証券会社で販売します。
販売会社 | 引受金額 |
---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 50億円 |
大和証券 | 100億円 |
野村證券 | 50億円 |
計 | 200億円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」をネットでは取り扱っていません。
大和証券
大和証券では「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」をインターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本・支店・営業所、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで取り扱っています。
野村證券
野村證券では「株式会社山口フィナンシャルグループ第9回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)」をネットでは取り扱っていません。
発行実績
株式会社山口フィナンシャルグループは過去に次の個人向け社債を発行した実績があります。
銘柄 | 発行日 | 期間 | 利率 |
---|---|---|---|
第7回債 | 2020年9月30日 | 10年 | 当初5年:0.79% 以降5年:基準金利+0.73% |
スケジュール
- 2022.10.14条件決定
- 2022.10.17募集開始
- 2022.10.28募集終了
- 2022.10.31受渡し
- 2023.4.30利払い
- 2023.10.31利払い
- 2024.4.30利払い
- 2024.10.31利払い
- 2025.4.30利払い
- 2025.10.31利払い
- 2026.4.30利払い
- 2026.10.31利払い
- 2027.4.30利払い
- 2027.10.31利払い・期限前償還
- 2028.4.30利払い
- 2028.10.31利払い
- 2029.4.30利払い
- 2029.10.31利払い
- 2030.4.30利払い
- 2030.10.31利払い
- 2031.4.30利払い
- 2031.10.31利払い
- 2032.4.30利払い
- 2032.10.31利払い・償還
参考文献
株式会社山口フィナンシャルグループ (2022) 期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)(グリーンボンド)の発行に関するお知らせ
株式会社格付投資情報センター (2022) NEWS RELEASE
個人向け社債について詳しくは、次の記事をご覧ください。


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