株式会社JERAが個人向け社債「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)を2025年6月24日に発行します。
銘柄
株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
愛称
JERA債
発行体
「株式会社JERA第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の発行体は株式会社JERAです。株式会社JERAは、国内火力発電の半分を占める発電能力と、世界最大級の燃料取扱量を誇るエネルギー会社です。
会社名 | 株式会社JERA JERA Co., Inc. |
所在地 | 東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング25階 |
設立日 | 2015年4月30日 |
資本金 | 1,000億円 |
出資比率 | 東京電力フュエル&パワー株式会社 (50%) 中部電力株式会社 (50%) |
事業内容 | 電気事業 ガス事業 熱供給事業 エネルギーインフラ資源の開発、採掘、加工、売買及び輸送 |
従業員数 | 5,062名 |
株式会社JERAの連結業績は以下のとおりです。
項目 | 2023年度 | 2024年度 |
---|---|---|
売上収益 | 37,107 | 33,559 |
営業利益 | 5,634 | 2,407 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,996 | 1,839 |
株式会社JERAのの貸借対照表は次のとおりです。
資産 | 負債・純資産 | ||
---|---|---|---|
流動資産 | 1,144,134 | 流動負債 | 1,121,382 |
固定資産 | 3,022,263 | 固定負債 | 1,763,247 |
純資産 | 1,281,766 | ||
資産合計 | 4,166,397 | 負債純資産合計 | 4,166,397 |
発行条件
「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)の発行条件は以下のとおりです。
期間
5年
利率
年1.504%(税引前)
発行価格
額面100円につき100円
申込単位
100万円単位
発行額
250億円
社債間限定同順位特約
「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)には担保がありませんが、社債間限定同順位特約がついています。
社債間限定同順位特約とは、株式会社JERAが今後担保付きの社債を発行する場合は、「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」にも同様に担保をつけるという特約です。
担保なしの債券より担保つきの債券の方が債権の回収優先順位が高いため、あとから発行された社債によって不利な扱いがされないという保証になります。
企業が破綻等したときは、優先順位の高い債務から弁済されていきます。弁済順位は次のようになります。
- 担保付社債
- 無担保社債
- 劣後債
- 優先株式
- 一般株式
実際に担保がつけられることはほとんどなく、株式会社JERAが担保つきの社債を発行する意思がないという表明です。
スケジュール
「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)の条件決定から償還までのスケジュールは以下のとおりです。
- 2025.6.6条件決定
- 2025.6.9募集開始
- 2025.6.23募集終了
- 2025.6.24発行
- 2025.12.25利払い
- 2026.6.25利払い
- 2026.12.25利払い
- 2027.6.25利払い
- 2027.12.25利払い
- 2028.6.25利払い
- 2028.12.25利払い
- 2029.6.25利払い
- 2029.12.25利払い
- 2030.6.25利払い・償還
条件決定日
2025年6月6日
募集期間
2025年6月9日~2025年6月23日
発行日
2025年6月24日
利払日
毎年6月25日および12月25日
償還日
2030年6月25日
格付
「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)は、格付投資情報センター(R&I)および日本格付研究所(JCR)から長期個別債務格付を取得しています。
格付会社 | 格付 |
---|---|
R&I | AA- |
JCR | AA- |
格付投資情報センター
「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)は、格付投資情報センター(R&I)から「AA-」の長期個別債務格付を取得しています。R&Iによる格付事由は以下のとおりです。
JERAは2019年に株主2社から既存火力発電事業を承継して以降、順調に相乗効果を創出しつつ収益力を高め、財務耐久力が強固になった。今後も一定の財務バランスを維持しながら事業構成の多様化を進められる公算が大きい。安定供給や火力の脱炭素化の担い手として存在価値が一段と高まり、政府による投資環境整備などの恩恵を十分享受できそうな点も、プラス材料だ。これらを踏まえ、JERAとその子会社JERA Global Markets Pte. Ltd.(JERAGM)の発行体格付をAA-に上げ、格付の方向性は安定的とした。JERAのCPはa-1+に引き上げた。
JERAは東京電力ホールディングス(証券コード:9501、発行体格付=A-)傘下の東京電力フュエル&パワーと中部電力(9502、AA-)が折半で出資する合弁会社。両株主グループの燃料・火力分野を統合し、国内火力・ガス事業を主軸に、燃料事業や海外・再エネ発電事業も手掛ける。世界屈指の燃料取扱量と発電容量を持ち、両株主との長期契約に基づく売電収入が安定収益源だ。JERAGMはJERAの完全子会社が66.7%、フランス電力(EDF)の完全子会社EDF Tradingが33.3%を出資する燃料トレーディング会社。JERAグループの燃料調達機能の中核で、JERA向けの全てのスポットLNG(液化天然ガス)供給も担う。重要性が極めて高く、格付にはJERAのグループ信用力を反映している。
JERAは2019年4月に燃料上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売に至る一貫体制に移行。2019年度から2022年度までに創出した相乗効果は年間1200億円にのぼる。当初目標を1年前倒しで超過達成するとともに、利益蓄積による自己資本の拡充が進んだ。両株主との長期売電契約は2025年度に終了するが、設備更新が進む国内火力のコスト競争力は比較的高く、2026年度以降も販売先を広げながら一定の利益を稼げるとみている。
一方、燃料・火力分野が主体のため、海外・再エネ発電事業の拡大などによる事業構成の多様化が中長期的な課題だ。ベルギーの洋上風力発電会社の買収など、先行投資で財務負担は増しているものの、課題の克服に向けた収益基盤とリスク耐久力が備わってきている。水素・アンモニアのサプライチェーン構築や燃料調達基盤の強化を狙ったLNG権益の取得、海外展開を伴う再エネ事業のノウハウ獲得など、国策を実行に移す投資余力を持つJERAの重要性は大きい。AI(人工知能)普及を背景に電力需要の増加が見込まれる中、政府は安定供給の確保をエネルギー政策の主軸に据えて電源の投資環境を整備しており、各種の制度的な枠組みは投資回収の確実性を高める。
日本格付研究所
「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)は、日本格付研究所(JCR)から「AA-」の長期個別債務格付を取得しています。JCRによる格付事由は以下のとおりです。
15 年に設立された東京電力ホールディングスと中部電力の持分法適用関連会社(東京電力フュエル&パワーと中部電力の折半出資)。火力発電のバリューチェーン全体に係る事業を両株主グループから承継しており、国内最大の発電能力と世界トップクラスの燃料調達力を有する。事業基盤の強化が進んでいる。火力発電の低・脱炭素化が将来的な課題となるものの、既存火力発電所の高効率化に向けたリプレース、アンモニア転換の実用化、再エネ発電の開発などの進捗は順調である。23 年には有事に備えた戦略的余剰 LNG の認定供給確保事業者となり、国内エネルギー事業者としての位置づけが一層明確化されている。投資を積極化する中、財務構成は足元の好業績も手伝い、回復基調にある。中長期的に投資負担が重いとはいえ、当社の財務方針などを考慮すれば、現状の財務構成は維持可能と考えられる。
販売会社
以下に示す証券会社で「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)を販売しています。
販売会社 | 引受金額 |
---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 90億円 |
みずほ証券 | 40億円 |
大和証券 | 35億円 |
SMBC日興証券 | 25億円 |
野村證券 | 20億円 |
SBI証券 | 15億円 |
東海東京証券 | 15億円 |
岡三証券 | 10億円 |
計 | 250億円 |
各証券会社ごとに社債の割り当て数が異なるので、入手が困難な証券会社もあります。株式は購入に手数料がかかり、その手数料は証券会社によって異なりますが、社債の購入に手数料はかかりませんので、どこの証券会社で買っても同じです。
みずほ証券
みずほ証券は「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)の買付注文をネット倶楽部(オンライントレード)でも取り扱っています。
SMBC日興証券
SMBC日興証券では「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)の買付注文をオンライントレードでも取り扱っています。
大和証券
大和証券は「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)の買付注文をオンライントレードでは取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースなら本店・支店・営業所、「ダイワ・ダイレクト」コースならコンタクトセンターで買付注文を取り扱っています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)の買付注文をネットでも取り扱っています。
SBI証券
SBI証券は「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:JERA債)の買付注文をオンライントレードでのみ取り扱っています。
発行実績
株式会社JERAは以下に示す個人向け社債を発行した実績があります。
銘柄 | 発行日 | 期間 | 利率 |
---|---|---|---|
第26回無担保社債 | 2024年6月25日 | 5年 | 0.924% |
第18回無担保社債 | 2023年6月22日 | 5年 | 0.510% |
関連記事


参考文献
株式会社JERA (2024) 国内普通社債(個人投資家向け・5年債・250億円)の発行について
株式会社格付投資情報センター (2025) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2025) News Release
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