三菱HCキャピタルが個人向け社債「三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」を2024年11月1日に発行します。この記事では、本社債の利率や購入方法などをご紹介します。
発行体
「三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の発行体(債券の発行元)は、三菱HCキャピタル株式会社です。2021年4月に三菱UFJリース株式会社と日立キャピタル株式会社が合併して、三菱HCキャピタル株式会社が誕生しました。
三菱HCキャピタル株式会社は東証1部に上場しています。(証券コード8593)
リース会社とは、機械設備などを企業に長期で貸し出す会社です。三菱HCキャピタルはリース会社の中でも、売上高で第3位の規模を誇っています。
企業 | 連結売上高(百万円) |
---|---|
オリックス | 2,814,361 |
三井住友ファイナンス&リース | 2,267,470 |
三菱HCキャピタル | 1,950,583 |
東京センチュリー | 1,346,113 |
芙蓉総合リース | 708,538 |
みずほリース | 656,127 |
JA三井リース | 547,893 |
リコーリース | 308,335 |
三菱HCキャピタル株式会社は、リース会社の中でも発行体格付が高い企業です。
企業 | R&I | JCR |
---|---|---|
NTT・TCリース | AA+ | AAA |
三菱HCキャピタル | AA | AA |
オリックス | AA | AA |
三井住友ファイナンス&リース | AA | AA |
みずほリース | AA- | AA- |
芙蓉総合リース | A+ | AA- |
JA三井リース | A | A+ |
三菱HCキャピタル株式会社の連結業績は以下のとおりです。
2023年3月期 | 2024年3月期 | |
---|---|---|
売上高 | 1,896,231 | 1,950,583 |
営業利益 | 138,727 | 146,176 |
経常利益 | 146,076 | 151,633 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 116,241 | 123,842 |
期間
7年
利率
1.087%(税引前)
スケジュール
三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の条件決定から償還までのスケジュールは以下のとおりです。
- 2024.10.18条件決定
- 2024.10.21募集開始
- 2024.10.31募集終了
- 2024.11.1発行
- 2025.5.1利払い
- 2025.11.1利払い
- 2026.5.1利払い
- 2026.11.1利払い
- 2027.5.1利払い
- 2027.11.1利払い
- 2028.5.1利払い
- 2028.11.1利払い
- 2029.5.1利払い
- 2029.11.1利払い
- 2030.5.1利払い
- 2030.11.1利払い
- 2031.5.1利払い
- 2031.10.31利払い・償還
条件決定日
2024年10月18日
募集期間
2024年10月21日~2024年10月31日
発行日
2024年11月1日
利払日
毎年5月1日および11月1日
償還日
2031年10月31日
発行価格
額面100円につき100円
申込単位
100万円単位
発行額
200億円
格付
三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)から、以下に示す長期個別債務格付を取得しています。
格付機関 | 格付 |
---|---|
R&I | AA |
JCR | AA |
格付投資情報センター
「三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」は株式会社格付投資情報センター(R&I)から「AA」の長期個別債務格付を取得しています。R&Iによる格付事由は次のとおりです。
総合リース大手で三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三菱商事の持分法適用関連会社。日立製作所とは金融パートナーとして連携している。多様なファイナンス機能を持ち幅広い領域に展開可能な金融会社として、MUFG・三菱商事の成長戦略の一翼を担っている。
今回の格上げは、三菱UFJリース・日立キャピタル合併に伴う統合作業を終えるとともに、企業買収や新規案件の獲得が進み営業基盤の厚みが一段と増したこと、リスクテーク方針を踏まえても極めて強いリスク耐久力を維持できる公算が大きいことを評価したものだ。
営業基盤は極めて強固だ。銀行・商社系、メーカー系という異なるバックグラウンドを持ち、伝統的なリース・ファイナンスに加え、不動産や航空機、海上コンテナ、鉄道貨車といったグローバルアセット、再生可能エネルギー発電事業も手掛ける。地域的な観点でも収益源は幅広く分散している。
三菱UFJリース・日立キャピタル合併に伴う統合作業は2022年度中に支障なく完了した。その間、海上コンテナリース大手の買収や新規案件の積み上げを進めてきた。投資案件の時価や与信コストが変動する環境下でも高水準の利益を確保しており、営業基盤は厚みを増している。
リスク耐久力は極めて強い。資本が厚いうえ、事業ポートフォリオのバランスが整っておりリスクの大きいアセットへの過度な偏りがない。強みのある海外個人向け金融や米国販売金融のリスクは小さい。今後は事業運営リスクが増える見通しだが、リスク耐久力への影響は限定的にとどまろう。
利ざやの厚い事業が多く利益水準も高い。収益力は強くリース会社でトップクラス。資産効率の向上を目的に、相対的にリスクリターンの良いサービス関連事業や事業運営を強化する方針。本部・現場が健全な危機意識の下で事業ポートフォリオ変革に向け足並みをそろえていけるか注目していく。
日本格付研究所
「三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」は株式会社日本格付研究所(JCR)から「AA」の長期個別債務格付を取得しています。JCRによる格付事由は次のとおりです。
三菱HCキャピタルは、総合リース大手であり、三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)および三菱商事の持分法適用関連会社。日立製作所とも重要な金融パートナーとして連携している。長期発行体格付は、リース業界における極めて高い市場地位・競争力、良好な収益力および資本充実度、健全な資産の質、強固な流動性などを反映している。また、MUFG による支配・関与度および MUFG における経営的重要度を踏まえ、MUFG による支援の蓋然性を考慮している。本件は優先債であり、債券格付は長期発行体格付と同水準とした。
社債間限定同順位特約
三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)には担保がありません。
ただし、社債間限定同順位特約が付いていますので、もし三菱HCキャピタル株式会社が担保付きの社債を発行する場合は、三菱HCキャピタル株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)にも担保が付きます。
販売会社
三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、次の証券会社で販売しています。
証券会社 | 引受金額 |
---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 140億円 |
みずほ証券 | 20億円 |
SMBC日興証券 | 10億円 |
大和証券 | 10億円 |
岡三証券 | 10億円 |
東海東京証券 | 10億円 |
計 | 200億円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をネットでも取り扱っています。
大和証券
大和証券は「三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をインターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本店・支店・営業所、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで取り扱っています。
みずほ証券
みずほ証券は「三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をネット倶楽部(オンライントレード)でも取り扱っています。
SMBC日興証券
SMBC日興証券は「三菱HCキャピタル株式会社第12回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の買付注文をオンライントレードでも取り扱っています。
発行実績
三菱HCキャピタル株式会社は、過去に次の個人向け社債を発行しています。なお、三菱UFJリース株式会社時代に発行した個人向け社債を含みます。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第9回無担保社債 | 2023年8月4日 | 0.743% | 7年 |
第4回無担保社債 | 2022年1月31日 | 0.330% | 7年 |
第81回無担保社債 | 2021年1月29日 | 0.270% | 7年 |
第73回無担保社債 | 2020年1月30日 | 0.280% | 7年 |
第70回無担保社債 | 2019年7月30日 | 0.200% | 6年 |
第62回無担保社債 | 2018年10月29日 | 0.310% | 約7年 |
関連記事
参考文献
三菱HCキャピタル株式会社 (2023) 三菱HCキャピタル 第 12 回無担保社債(個人投資家向け)発行に関するお知らせ
三菱HCキャピタル株式会社 (2023) 会社格付
株式会社格付投資情報センター (2024) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2024) News Release
コメント