株式会社みずほフィナンシャルグループが個人向け社債「第28回無担保社債」と「第29回期限前償還条項付無担保社債」を2023年7月13日に発行します。
概要
今回、株式会社みずほフィナンシャルグループが発行する個人向け社債には、次に示す2種類があります。
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)
株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)
株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の概要は次のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
期間 | 10年 |
利率 | 年1.412%(税引前) |
発行日 | 2023年7月13日 |
利払日 | 毎年1月13日および7月13日 |
償還日 | 2033年7月13日 |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
格付 | A+ (R&I), A+ (JCR) |
発行額 | 950億円 |
募集期間 | 2023年6月29日~2023年7月12日 |
株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)
株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の概要は次のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
期間 | 10年(期限前償還条項付) |
利率 | 当初5年:1.015%(税引前) 以降5年:基準金利 + 0.950%(税引前) |
発行日 | 2023年7月13日 |
利払日 | 毎年1月13日および7月13日 |
償還日 | 2033年7月13日 ※2028年7月13日に期限前償還される場合あり。 |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
格付 | A+ (R&I), A+ (JCR) |
発行額 | 1,150億円 |
募集期間 | 2023年6月29日~2023年7月12日 |
発行体
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」および「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」の発行体(債券の発行元)は、株式会社みずほフィナンシャルグループです。
株式会社みずほフィナンシャルグループ(東証1部、証券コード8411)は、みずほ銀行やみずほ証券などを傘下に持つ金融持ち株会社です。三菱UFJフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループと並ぶ3大メガバンクのひとつで、第2位の規模を誇ります。
株式会社みずほフィナンシャルグループの業績は以下のとおりです。
2022年3月期 | 2023年3月期 | |
---|---|---|
経常収益 | 3,963,091 | 5,778,772 |
経常利益 | 559,847 | 789,606 |
親会社株主に属する当期純利益 | 530,479 | 555,527 |
利率
みずほフィナンシャルグループ個人向け社債の利率は次のとおりです。
銘柄 | 利率(税引前) |
---|---|
第28回債 | 1.412% |
第29回債 | 当初5年:1.015% 以降5年:基準金利 + 0.950% |
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」における基準金利とは、2028年7月13日の前営業日(利率決定日)の午前10時に、財務省の国債金利情報ページにおいて表示される5年国債金利です。
期限前償還条項
期限前償還条項とは、発行体の判断により償還日を待たずに償還を繰り上げることができる条項です。「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」の場合、発行から5年後(2028年7月13日)に株式会社みずほフィナンシャルグループが期限前償還することができます。
銀行が長期の劣後債(劣後特約付社債)を発行すると、集めた資金を一定の割合で自己資本に組み入れることができます。これにより、銀行は自己資本規制をクリアしています。ただし、劣後債の発行から5年が経過すると、自己資本に組み入れられる割合が下がります。そうなると銀行にとってメリットが薄くなるので、発行から5年が経つと期限前償還できるようになっています。
期間 | 説明 |
---|---|
5年 | 自己資本に組み入れられない。 |
10年 | 自己資本に組み入れられる。 ただし、発行後5年経つと、その割合が下がる。 |
10年 (期限前償還条項付) | 自己資本に組み入れられる。 発行後5年経ってその割合が下がると、期限前償還できる。 |
発行から5年が経過すると銀行にとってメリットが少なくなるため、「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」は、発行から5年後(2028年7月13日)に期限前償還される可能性が高いです。
特約
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」および「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債」には、「実質破綻時免除特約」と「劣後特約」という2つの特約が付いています。
実質破綻時免除特約
実質破綻時免除特約とは、発行体が実質的に破綻した状態になったときに、発行体はその元利金や利息の支払い義務をすべて免除されるという特約のことを言います。
劣後特約
「劣後特約」とは、元本と利息の支払いの優先順位が普通社債より低い債券に付けられる特約のことです。この特約が付いた債券を「劣後債」と言います。
劣後債は発行体が破綻した場合の弁済順位が普通社債に比べ劣りますが、一般的に普通社債より利回りが高くなります。
発行体が破綻した場合、普通社債でも投資したお金が返ってくる保障はありませんが、劣後債は普通社債よりお金が返ってくる可能性が低くなります。
格付け
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」及び「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債」は、以下に示す長期個別債務格付を取得しています。
格付機関 | 第28回債 | 第29回債 |
---|---|---|
R&I | A+ | A+ |
JCR | A+ | A+ |
格付投資情報センター
格付投資情報センター(R&I)による格付理由は次のとおりです。
商業銀行業務中心に世界有数の規模を持ち、日本の3大金融グループの一角を占める。信託・アセットマネジメント、証券・投資銀行などの分野でも市場地位が高く、事業の多様化がある程度進展している。粗利益の9割超が銀行・信託・証券から構成され、ノンバンク事業の比率が低い。銀行・信託・証券が一体となった業務運営は3大金融グループのなかでも進んでいると評価している。
大企業取引に強みを持ち、国内公募債の引受やシンジケートローンの組成でトップの座にある。海外はアジアや米国を中心にネットワークを拡充し、世界約300の優良企業グループに対して経営資源を集中させる戦略を採る。債券資本市場業務はグローバルにみても市場地位が高い。2021年度後半から米証券関連会社、アジアフィンテック企業、2022年10月には楽天証券に約20%出資するなど、機能強化を狙った投資も本格化している。
課題となってきた収益力は改善基調にある。収益性は格付対比低いものの、顧客部門を中心に利益は着実に増加している。システム障害への対応で新たなビジネスが制約され構造改革が遅れることを懸念してきたが、人員・店舗・経費の削減は計画通りに進捗している。収益面への影響は小さく、安定業務運営に関する追加経費も限定的だ。格付を維持したものの、収益力が改善基調にあることを踏まえ、方向性はポジティブとした。
リスク耐久力はおおむねAAゾーンを満たしている。内部留保の蓄積が進みリスクバッファーが拡充しており、現状程度のリスク耐久力を保てるとみている。ヘッジ取引で株式の含み益を一部固定化し、ストレス時でも規制資本の充実度が大きくは損なわれないようにコントロールできている。政策保有株式の圧縮が加速し、株式リスクの減少を通じてリスクプロフィールは改善する方向にある。
引当方針は厳格で、資産の質は健全だ。国内外ともに高格付け中心のポートフォリオとなっており、海外の個人向け与信は小さいなど、3大金融グループのなかで最も良好とみている。2021年度は大口先やロシア関連で貸倒引当金を繰り入れたことで信用コストが膨らんだが、引当水準は厚く、資産の質を維持する仕組みが有効に機能している。事業環境にストレスがかかる環境下でも資産の質の健全性を維持できると評価している。
2019年度からスタートした経営計画では2023年度の連結業務純益として9000億円程度を目指す。これまでのところ進捗は順調だ。世界経済見通しは下方修正が続き、インフレ圧力の高まりや金融引き締めにより景気後退懸念もくすぶるが、収益環境の悪化に対する抵抗力はかつてに比べ増している。営業基盤の拡充とともに収益力を底上げできれば格上げする。
みずほフィナンシャルグループ
グループの持株会社。格付は持株会社固有の構造的劣後性などを反映し、グループ全体の信用力の1ノッチ下にしている。
日本格付研究所
日本格付研究所(JCR)による格付理由は次のとおりです。
みずほフィナンシャルグループ(みずほ FG)は、持株会社(当社)の傘下にみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券などを擁する大手総合金融グループ。当社の発行体格付は、みずほ FG のグループ信用力から 1ノッチ下としている。ダブルレバレッジ比率が問題ない水準まで低下しつつあるものの、中期的にみるとやや高めで推移してきたことやグループの財務運営方針などを踏まえて構造劣後性を反映している。
本社債は、劣後特約のほかに実質破綻時免除特約が付されているバーゼルⅢ適格 Tier2 商品である。実質破綻時免除特約により、当社は、内閣総理大臣が預金保険法の特定第二号措置を講ずる必要があると認定した場合、本社債につき元利金の支払義務を免除される。本件の債券格付は、劣後性を考慮し長期発行体格付から 1 ノッチ下とした。
販売会社
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」及び「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債」は、次の証券会社で販売しています。
証券会社 | 第28回債 | 第29回債 |
---|---|---|
みずほ証券 | 800億円 | 1,150億円 |
野村證券 | 70億円 | 80億円 |
大和証券 | 30億円 | 120億円 |
楽天証券 | 30億円 | – |
岡三証券 | 10億円 | 60億円 |
東海東京証券 | 10億円 | 20億円 |
計 | 950億円 | 1,450億円 |
一般的に、社債はオンライントレードで扱わないことが多いため、店頭(対面)口座を作っておくことが必要です。社債の購入申し込みは電話で注文できます。
大和証券
大和証券では「株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」および「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」をインターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本・支店・営業所、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで取り扱っています。
スケジュール
- 2023.6.29条件決定
- 2023.6.29募集開始
- 2023.7.12募集終了
- 2023.7.13発行
- 2024.1.13利払い
- 2024.7.13利払い
- 2025.1.13利払い
- 2025.7.13利払い
- 2026.1.13利払い
- 2026.7.13利払い
- 2027.1.13利払い
- 2027.7.13利払い
- 2028.1.13利払い
- 2028.7.13利払い・期限前償還(第29回債)
- 2029.1.13利払い
- 2029.7.13利払い
- 2030.1.13利払い
- 2030.7.13利払い
- 2031.1.13利払い
- 2031.7.13利払い
- 2032.1.13利払い
- 2032.7.13利払い
- 2033.1.13利払い
- 2033.7.13利払い・償還
発行実績
株式会社みずほフィナンシャルグループは、過去にも次の個人向け社債を発行しています。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第26回債 | 2022年10月28日 | 当初5年:0.825% 以降5年:基準金利 + 0.740% | 10年 |
第25回債 | 2022年10月28日 | 0.979% | 10年 |
第24回債 | 2020年10月30日 | 当初5年:0.560% 以降5年:基準金利 + 0.600% | 10年 |
第23回債 | 2020年10月30日 | 0.875% | 10年 |
第20回債 | 2019年10月30日 | 当初5年:0.39% 以降5年:基準金利 + 0.53% | 10年 |
第19回債 | 2019年10月30日 | 0.538% | 10年 |
第14回債 | 2018年6月20日 | 当初5年:年0.4% 以降5年:基準金利 + 0.29% | 10年 |
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参考文献
金融庁 (2023) 「株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」及び「株式会社みずほフィナンシャルグループ第29回期限前償還条項付無担保社債」
株式会社格付投資情報センター (2023) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2023) News Release
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