株式会社みずほフィナンシャルグループが個人向け社債「第23回無担保社債」と「第24回期限前償還条項付無担保社債」を2020年10月30日に発行します。
みずほフィナンシャルグループ社債
今回、株式会社みずほフィナンシャルグループが発行する個人向け社債には、次に示す2種類があります。
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ第23回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)
第23回債
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 株式会社みずほフィナンシャルグループ第23回無担保社債 (実質破綻時免除特約および劣後特約付) |
期間 | 10年 |
利率 | 0.875%(税引前) |
発行日 | 2020年10月30日 |
利払日 | 4月30日と10月30日(年2回) |
償還日 | 2030年10月30日 |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
格付 | A+(R&I)、A+(JCR) |
募集期間 | 2020年10月15日~2020年10月29日 |
第24回債
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 株式会社みずほフィナンシャルグループ 第24回期限前償還条項付無担保社債 (実質破綻時免除特約および劣後特約付) |
期間 | 10年(期限前償還条項付) |
利率 | 当初5年:0.560%(税引前) 以降5年:基準金利 + 0.600%(税引前) |
発行日 | 2020年10月30日 |
利払日 | 4月30日と10月30日(年2回) |
償還日 | 2030年10月30日 ※2025年10月30日に期限前償還される場合あり。 |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 100万円単位 |
格付 | A+(R&I)、A+(JCR) |
募集期間 | 2020年10月15日~2020年10月29日 |
みずほフィナンシャルグループ
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第23回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」および「株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」の発行体(債券の発行元)は、株式会社みずほフィナンシャルグループです。
株式会社みずほフィナンシャルグループ(東証1部、証券コード8411)は、みずほ銀行やみずほ証券などを傘下に持つ金融持ち株会社です。三菱UFJフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループと並ぶ3大メガバンクのひとつで、第2位の規模を誇ります。
株式会社みずほフィナンシャルグループは、過去にも次の個人向け社債を発行しています。
発行日 | 回 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
2019年10月30日 | 第20回 | 当初5年:0.39% 以降5年:基準金利 + 0.53% | 10年 |
2019年10月30日 | 第19回 | 0.538% | 10年 |
2018年6月20日 | 第14回 | 当初5年:年0.4% 以降5年:基準金利 + 0.29% | 10年 |
利率
みずほフィナンシャルグループ個人向け社債の利率は次のとおりです。
銘柄 | 利率(税引前) |
---|---|
第23回債 | 0.875% |
第24回債 | 当初5年:0.560% 以降5年:基準金利 + 0.600% |
基準金利とは、2025年10月30日の2銀行営業日前の午前10時(東京時間)にロイターに表示される5年物円スワップのオファード・レートおよびビッド・レートの算術平均値として計算される5年物円スワップのミッド・レートです。
参考までに、他銀行の劣後債では次のような利率でした。
銘柄 | 利率 | 期間 |
---|---|---|
三菱UFJフィナンシャル・グループ第26回債 | 0.894% | 10年4か月 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ第27回債 | 当初5年4か月:0.58% 以降5年:基準金利 + 0.67% | 10年4か月 |
三井住友トラスト・ホールディングス第14回債 | 当初5年:0.53% 以降5年:基準金利 + 0.45% | 10年4か月 |
期限前償還条項
期限前償還条項とは、発行体の判断により償還日を待たずに償還を繰り上げることができる条項です。
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」の場合、発行から5年後(2025年10月30日)に株式会社みずほフィナンシャルグループが期限前償還することができます。
銀行が長期の劣後債(劣後特約付社債)を発行すると、集めた資金を一定の割合で自己資本に組み入れることができます。これにより、銀行は自己資本規制をクリアしています。ただし、劣後債の発行から5年が経過すると、自己資本に組み入れられる割合が下がります。そうなると銀行にとってメリットが薄くなるので、発行から5年が経つと期限前償還できるようになっています。
期間 | 説明 |
---|---|
5年 | 自己資本に組み入れられない。 |
10年 | 自己資本に組み入れられる。 ただし、発行後5年経つと、その割合が下がる。 |
10年 (期限前償還条項付) | 自己資本に組み入れられる。 発行後5年経ってその割合が下がると、期限前償還できる。 |
発行から5年が経過すると銀行にとってメリットが少なくなるため、「株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」は、発行から5年後(2025年10月30日)に期限前償還される可能性が高いです。
特約
「株式会社みずほフィナンシャルグループ第23回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」および「株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債」には、「実質破綻時免除特約」と「劣後特約」という2つの特約が付いています。
実質破綻時免除特約
実質破綻時免除特約とは、発行体が実質的に破綻した状態になったときに、発行体はその元利金や利息の支払い義務をすべて免除されるという特約のことを言います。
劣後特約
「劣後特約」とは、元本と利息の支払いの優先順位が普通社債より低い債券に付けられる特約のことです。この特約が付いた債券を「劣後債」と言います。
劣後債は発行体が破綻した場合の弁済順位が普通社債に比べ劣りますが、一般的に普通社債より利回りが高くなります。
発行体が破綻した場合、普通社債でも投資したお金が返ってくる保障はありませんが、劣後債は普通社債よりお金が返ってくる可能性が低くなります。
格付け
みずほフィナンシャルグループの個人向け社債は、次に示す格付を取得しています。
格付機関 | 第23回債 | 第24回債 |
---|---|---|
R&I | A+ | A+ |
JCR | A+ | A+ |
格付投資情報センター(R&I)の格付理由は次のとおりです。
本債券の格付は格付方法「規制資本商品等と金融機関等の格付の考え方」に則り、ノッチングの起点をグループ全体の信用力とし、それをそのまま反映しているみずほ銀行の発行体格付の1ノッチ下のA+とした。
コロナ禍による世界経済の大幅な落ち込みで資産の質に低下圧力がかかっているが、公的支援と金融機関による資金繰り支援が奏功し、現在までのところ緩やかな悪化にとどまっている。ただし、コロナ禍が長期化すると資産の質やリスク耐久力への影響がより強く出てくるほか、有価証券評価損益の悪化、収益の低迷・不安定化も見込まれる。収束に向けた状況を注視していく。
出典:格付投資情報センター(2020)「NEWS RELEASE」
日本格付研究所(JCR)の格付理由は次のとおりです。
発行体(当社)は、傘下にみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券などを擁する金融持株会社。当社の発行体格付は、ダブルレバレッジ比率がやや高いことなどを踏まえて、グループ信用力を反映した中核子銀行の発行体格付(みずほ銀行およびみずほ信託銀行:AA/安定的)から1ノッチ下としている。
本社債は、劣後特約のほかに実質破綻時免除特約が付されているバーゼルⅢ適格 Tier2 商品である。実質破綻時免除特約により、当社は、内閣総理大臣が預金保険法の特定第二号措置を講ずる必要があると認定した場合、本社債につき元利金の支払義務を免除される。本件の債券格付は、劣後性を考慮し長期発行体格付から1ノッチ下とした。
出典:日本格付研究所(2020)「News Release」
格付について詳しくは次の記事をご覧ください。
関連記事 格付とは? 格付会社の信用格付で社債が投資適格かどうかが分かる!
販売会社
みずほフィナンシャルグループの個人向け社債は、次の証券会社で販売しています。
証券会社 | 第23回債 | 第24回債 |
---|---|---|
みずほ証券 | 〇 | 〇 |
野村證券 | 〇 | 〇 |
大和証券 | 〇 | 〇 |
東海東京証券 | 〇 | 〇 |
岡三証券 | × | 〇 |
販売会社のうち、岡三証券は第24回債のみを取り扱っています。
一般的に、社債はオンライントレードで扱わないことが多いため、店頭(対面)口座を作っておくことが必要です。社債の購入申し込みは電話で注文できます。
個人向け社債の購入方法について、詳しくは次の記事をご覧ください。
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