四国電力が個人向け社債「四国電力株式会社 第322回社債(一般担保付)」を2022年6月24日に発行します。この記事では、四国電力社債の特徴や買い方をご紹介します。
四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)
四国電力が発行する個人向け社債の概要は次のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 四国電力株式会社 第322回社債(一般担保付) |
期間 | 3年 |
利率 | 年0.20%(税引前) |
発行日 | 2022年6月24日 |
利払日 | 毎年6月25日および12月25日(年2回) |
償還日 | 2025年6月25日 |
発行価格 | 額面100円につき100円 |
申込単位 | 10万円単位 |
格付 | A+(R&I) |
発行額 | 125億円 |
募集期間 | 2022年6月6日~2022年6月23日 |
- 2022.6.3条件決定
- 2022.6.6募集開始
- 2022.6.23募集終了
- 2022.6.24受渡し
- 2022.12.25利払い
- 2023.6.25利払い
- 2023.12.25利払い
- 2024.6.25利払い
- 2024.12.25利払い
- 2025.6.25利払い・償還
募集期間
四国電力株式会社 第322社債(一般担保付)の募集期間は、2022年6月6日から2022年6月23日までとなっています。
利率
四国電力株式会社 第322回社債(一般担保付)の利率は、年0.20%(税引前)です。利払いは毎年6月25日と12月25日の年2回行われます。
格付け
四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)は、格付機関である格付投資情報センター(R&I)から「A+」の格付を取得しています。
R&Iによる格付事由は次のとおりです。
唯一の原発である伊方原発 3 号機の稼働率が、燃料費や販売量を大きく左右する収支構造になっている。同原発は広島高裁が 2020 年 1 月に 2 度目の運転差し止め仮処分を決定して以降、停止を余儀なくされたが、2021 年 3 月に異議申し立てが認められ仮処分が解消。特重施設が完成する 2021 年 10 月の再稼働を目指す。収支面の不確実性が払拭された点はプラス材料だ。非効率石炭火力削減への政府規制に対しては、すでにリプレース工事が進む新鋭石炭火力の稼働を 2023 年に控え一定の対応力がある。原発と火力の大型投資の一巡後、原発が安定稼働すれば十分なフリーキャッシュフローを確保できる。
格付の意味や見方について詳しくは、次の記事をご覧ください。

10万円から買える
一般的な社債は100万円単位で購入できます。個人にとっては、まとまった資金が必要となります。しかし、電力会社が発行する電力債は10万円単位で購入できるものがほとんどです。
四国電力株式会社第318回社債(一般担保付)も10万円単位で買えるので、個人で買いやすい社債となっています。
担保が付いている
一般的な社債は担保が付いていませんが、電力会社が発行する電力債には担保が付いています。一般担保付社債とは、他の債権者よりも優先して弁済が受けられる権利が付いた社債です。
四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)にも一般担保が付いています。
社債の中でもリスクが低い電力債
四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)は、電気事業法第27条の30に基づいて発行されている電力債(一般担保付社債)です。
一般担保付社債とは、他の債権者よりも優先して弁済が受けられる権利が付いた社債です。
社債の発行元である株式会社が破綻した場合、社債や株式の種類によって弁済順位が異なります。具体的には、次の優先順序となっています。
- 一般担保付社債(シニア債)
- 無担保社債(メザニン債)
- 劣後債(ジュニア債)
- 優先株
- 普通株
このうち、電力債は一般担保付社債に該当します。企業が発行するほとんどの社債は無担保社債です。銀行などの一部金融機関は劣後債も発行しています。電力債はその中でも高い弁済順位を誇っていて、リスクが低い社債となっています。
電力債について詳しくは、次の記事をご覧ください。

販売会社
次に示す証券会社で四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)を販売しています。
金融機関 | 引受金額 |
---|---|
みずほ証券 | 32億円 |
野村證券 | 22億円 |
SMBC日興証券 | 22億円 |
大和証券 | 22億円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 12億円 |
香川證券 | 6億円 |
岡三証券 | 3億円 |
東洋証券 | 3億円 |
東海東京証券 | 2億円 |
中銀證券 | 1億円 |
計 | 125億円 |
金融機関によって引受金額(販売量)が異なるので、引受金額が多い金融機関ほど購入しやすくなっています。
株式は購入に手数料がかかり、その手数料は証券会社によって異なりますが、社債の購入に手数料はかかりませんので、どこの証券会社で買っても同じです。
個人向け社債の購入方法について、詳しくは次の記事をご覧ください。

大和証券
大和証券はオンライントレードで「四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)」を取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースなら本・支店・営業所、「ダイワ・ダイレクト」コースならコンタクトセンターで「四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)」を取り扱っています。
四国電力株式会社とは
四国電力株式会社第322回社債(一般担保付)の発行体(債券の発行元)は四国電力株式会社です。
四国電力株式会社は徳島、高知、愛媛、香川の四国4県を対象とした電力会社で、「よんでん」とも呼ばれています。
2021年6月現在で稼働中の原子力発電所は大飯発電所、高浜発電所、伊方発電所、玄海原子力発電所および川内原子力発電所の5か所で、そのうち伊方発電所が四国電力のものです。
会社名 | 四国電力株式会社 |
本店所在地 | 香川県高松市丸の内2-5 |
設立 | 昭和26年5月1日 |
資本金 | 1,455億円 |
総資産 | 1兆4,304億円 |
売上高 | 7,192億円(2022年度) |
上場市場 | 東証証券取引所プライム市場 |
証券コード | 9507 |
電力会社の中でも高い格付け
四国電力株式会社は次に示す格付機関から信用格付けを取得しています。
格付機関 | 長期格付 |
---|---|
S&P | A- |
R&I | A+ |
JCR | AAp |
四国電力株式会社はスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と格付投資情報センター(R&I)に依頼して格付を取得しています。日本格付研究所(JCR)は非依頼格付なので、pという記号が付きます。
四国電力株式会社の発行体格付は、電力会社の中でも高い方に位置します。
発行体格付 | 電力会社 |
---|---|
AA | 沖縄電力 |
A+ | 四国電力 東北電力 北陸電力 中部電力 関西電力 中国電力 |
A | 北海道電力 九州電力 |
A- | 東京電力ホールディングス 東京電力パワーグリッド 東京電力リニューアブルパワー |
※2022年5月30日時点
過去に発行した個人向け社債
四国電力は過去にも次の個人向け社債を発行しています。
銘柄 | 発行日 | 期間 | 利率 |
---|---|---|---|
第318回社債 | 2021年12月24日 | 0.13% | 3年 |
第316回社債 | 2021年6月25日 | 0.13% | 3年 |
第313回社債 | 2020年12月25日 | 0.13% | 3年 |
第311回社債 | 2019年7月27日 | 0.14% | 2年11か月 |
第308回社債 | 2019年12月25日 | 0.14% | 3年 |
第305回社債 | 2019年6月25日 | 0.14% | 3年 |
第304回社債 | 2018年12月25日 | 0.14% | 3年 |
第301回社債 | 2018年6月25日 | 0.14% | 3年 |
第297回社債 | 2018年3月14日 | 0.14% | 2年9か月 |
第294回社債 | 2017年6月23日 | 0.14% | 3年 |
第290回社債 | 2016年12月22日 | 0.14% | 3年 |
第288回社債 | 2016年6月24日 | 0.14% | 3年 |
第287回社債 | 2015年11月25日 | 0.20% | 3年1か月 |
第286回社債 | 2015年6月24日 | 0.20% | 3年 |
第284回社債 | 2014年12月25日 | 0.20% | 3年 |
第283回社債 | 2014年7月29日 | 0.25% | 2年11か月 |
第282回社債 | 2013年12月25日 | 0.35% | 3年 |
第280回社債 | 2013年5月24日 | 0.55% | 3年 |
四国電力が過去に発行した社債について、詳しくは下記の公式サイトでご確認ください。
公式 IRニュース|四国電力
関連記事
電力会社が発行する個人向け社債(電力債)については、次の記事もご覧ください。






参考文献
四国電力株式会社 (2022) 第322回社債の発行について
四国電力株式会社 (2022) 格付情報
株式会社格付投資情報センター(2022)NEWS RELEASE
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