「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第36回無担保社債」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債」が2024年9月18日に発行されます。
発行体
「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第36回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」の発行体(債券の発行元)は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループです。株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループは、三菱UFJフィナンシャル・グループの金融持株会社です。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の傘下には、次のような企業があります。
- 三菱UFJ銀行
- 三菱UFJ信託銀行
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 三菱UFJニコス
- アコム
- 三菱UFJリース
期間
約10年4か月
金利
「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第36回無担保社債」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債」の利率は以下のとおりです。
時期 | 金利(税引前) |
---|---|
第36回無担保社債 | 1.838% |
第37回期限前償還条項付無担保社債 | 当初5年6か月 1.303% 以降5年 基準金利 + 0.790% |
基準金利とは、2030年1月18日の2銀行営業日前(利率決定日)の午前10時に、財務省ウェブサイト内「国債金利情報」ページまたはその承継パージに表示される5年国債金利のことです。
スケジュール
「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第36回無担保社債」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債」の条件決定から償還までのスケジュールは以下のとおりです。
- 2024.8.30条件決定
- 2024.9.2募集開始
- 2024.9.17募集終了
- 2024.9.18発行
- 2025.1.18利払い
- 2025.7.18利払い
- 2026.1.18利払い
- 2026.7.18利払い
- 2027.1.18利払い
- 2027.7.18利払い
- 2028.1.18利払い
- 2028.7.18利払い
- 2028.1.18利払い
- 2029.7.18利払い
- 2030.1.18利払い・早期償還(第35回債)
- 2030.7.18利払い
- 2031.1.18利払い
- 2031.7.18利払い
- 2032.1.18利払い
- 2032.7.18利払い
- 2033.1.18利払い
- 2033.7.18利払い
- 2034.1.18利払い
- 2034.7.18利払い
- 2035.1.18利払い・償還
条件決定日
2024年8月30日
募集期間
2024年9月2日~2024年9月17日
発行日
2024年9月18日
利払日
毎年1月18日及び7月18日(年2回)
償還日
2035年1月18日(期限前償還の場合あり)
発行価格
額面100円につき100円
申込単位
100万円単位
発行額
「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第36回無担保社債」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債」の発行額は以下のとおりです。
時期 | 発行額 |
---|---|
第36回無担保社債 | 660億円 |
第37回期限前償還条項付無担保社債 | 1,110億円 |
特約
「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第36回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」には、実質破綻時免除特約と劣後特約という2つの特約が付いています。
実質破綻時免除特約
実質破綻時免除特約とは、発行体が実質的に破綻した状態になったときに、発行体はその元利金や利息の支払い義務をすべて免除されるという特約のことをいいます。
劣後特約
「劣後特約」とは、元本と利息の支払いの優先順位が普通社債より低い債券に付けられる特約のことです。この特約が付いた債券を「劣後債」と言います。劣後債は発行体が破綻した場合の弁済順位が普通社債に比べ劣りますが、一般的に普通社債より利回りが高くなります。発行体が破綻した場合、普通社債でも投資したお金が返ってくる保障はありませんが、劣後債は普通社債よりお金が返ってくる可能性がさらに低くなります。
期限前償還条項
「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」には、期限前償還条項が付いています。
あらかじめ金融庁長官の確認を受けたうえで、元本に経過利息を付けて2029年1月19日に期限前償還される場合があります。期限前に償還される場合は、1~2か月前に社債権者に通知されます。期限前償還条項は株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの判断で実行できるので、実際に起こる可能性は高いです。
期限前償還条項とは別に、税務事由または資本事由が発生・継続している場合に期限前償還される場合があります。
税務事由とは、税制またはその解釈の変更などにより債権利息の損金算入が認められなくなり、合理的な措置を講じてもそれを回避できないと法律または税務の専門家より意見書として発行者が受領した場合です。社債の利金が企業の経費と認められなくなった場合ですので、実際に税務事由が起こることは考えにくいです。
資本事由とは、債券の全部または一部が自己資本比率規制上、発行者のTier2資本として扱われない内容の法令などが公布・公表した場合、または金融庁その他監督当局と協議の結果、Tier2資本として扱われないこととなると発行者が判断した場合です。銀行には自己資本比率規制があり、一定の条件のもとで社債で調達した資金も資本と認められています。銀行が劣後債を発行する理由のひとつが自己資本比率を上げることなので、それが認められなくなったら期限前償還するということです。
税務事由と資本事由はともに外部要因であり、法律などが改正されない限り発生しません。
格付
「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第36回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第37回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」は、格付投資情報センター(R&I)及び株式会社日本格付研究所(JCR)から長期個別債務格付を取得しています。
格付会社 | 格付 |
---|---|
R&I | A+ |
JCR | A+ |
格付投資情報センター
格付投資情報センター(R&I)による格付事由は次のとおりです。
商業銀行業務中心に世界最大級の規模を持ち、日本の3大金融グループの中でトップにある。ROEやRORA(リスクアセット対比の収益性)を中心に据えた採算管理や業績評価体制が浸透、顧客部門を中心に利益が増加している。強固な営業基盤の活用やコスト構造改革の進展が支えとなり、収益力が改善していることを評価し、グループ全体の信用力をAA-からAAに変更、各社の発行体格付を引き上げた。銀行事業の営業基盤は極めて強い。信託や証券、アセットマネジメント、カード、消費者金融、リース(持分法適用関連会社)などでも市場地位が高く、事業の多様化が進展している。海外ではアジアの経済成長を取り込む商業銀行プラットフォームを備えている。2022年に米MUFG Union Bankのリテールおよびコマーシャル・バンキング事業を譲渡後、米州では強みを生かせる法人取引に特化している。戦略的資本提携している米Morgan Stanleyと共同運営する日本の証券・投資銀行業務ではクロスボーダーM&A(合併・買収)などで高い市場地位にある。同社の持分法投資利益の貢献は大きく、3大金融グループにおける差別化要因となっている。外国為替業務や機関投資家向け日本株ビジネスなど、連携領域をさらに拡大していく。事業ポートフォリオは商業銀行業務主体で安定している。リスクアペタイト・フレームワークに基づきリスク選好度を設定、適切に運営している。リスク耐久力はAAゾーンを満たす。継続的な株式リスクの削減、金利リスクの抑制的な運営がリスク耐久力の確保に寄与している。引当方針は厳格で、資産の
質は健全だ。個人預金基盤が極めて強く、流動性は十分に備えている。外貨の流動性にも大きな懸念はない。〇三菱UFJフィナンシャル・グループ
グループの持株会社。格付は持株会社固有の構造的劣後性などを反映し、グループ信用力の1ノッチ下にしている。
日本格付研究所
日本格付研究所(JCR)による格付事由は次のとおりです。
三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)は、持株会社(当社)の傘下に三菱 UFJ 銀行、三菱 UFJ 信託銀行、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券などを擁する国内最大の総合金融グループ。当社の発行体格付は、グループ信用力と同等としている。ダブルレバレッジ比率が一定水準を下回って推移していることや、今後も大きく上昇する可能性が低いと JCR ではみていることから、持株会社が有する構造劣後性を反映していない。
本社債は、劣後特約のほかに実質破綻時免除特約が付されているバーゼルⅢ適格 Tier2 商品である。実質破綻時免除特約により、当社は、内閣総理大臣が預金保険法の特定第二号措置を講ずる必要があると認定した場合、本社債につき元利金の支払義務を免除される。本件の債券格付は、劣後性を考慮し長期発行体格付から 1 ノッチ下とした。なお、格付対象に付与されていた予備格付は本格付への移行に伴い消滅した。
販売会社
三菱UFJフィナンシャル・グループの個人向け社債は、次の証券会社で販売しています。
販売会社 | 第36回 | 第37回 |
---|---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 555億円 | 810億円 |
野村證券 | 50億円 | 50億円 |
東海東京証券 | 25億円 | 80億円 |
岡三証券 | 20億円 | 80億円 |
丸三証券 | 10億円 | 40億円 |
大和証券 | – | 50億円 |
計 | 660億円 | 1,110億円 |
証券会社によって引受金額が異なります。引受金額が大きいほどたくさん販売されるため、購入しやすくなります。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第34回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」及び「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第35回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」の買付注文をネットでは取り扱っていません。
大和証券
大和証券は「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第34回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)」の買付注文をインターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本店・支店・営業所で、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで買付注文を取り扱っています。
過去に発行された個人向け社債
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループは、過去に次の個人向け社債を発行した実績があります。
銘柄 | 期間 | 利率 |
---|---|---|
第35回 | 10年4か月 | 当初5年:1.204% 以降5年:基準金利 + 0.950% |
第34回 | 10年4か月 | 1.672% |
第33回 | 10年6か月 | 当初5年:1.209% 以降5年:基準金利 + 0.950% |
第32回 | 10年6か月 | 1.564% |
第31回 | 10年 | 当初5年:0.718% 以降5年:基準金利 + 0.680% |
第30回 | 10年 | 0.904% |
第29回 | 約10年 | 当初5年4か月:0.345% 以降5年:基準金利 + 0.470% |
第27回 | 約10年4か月 | 当初5年4か月:0.58% 以降5年:基準金利 + 0.67% |
第26回 | 約10年4か月 | 0.894% |
第21回 | 約10年4か月 | 当初5年4か月:0.29% 以降5年:基準金利 + 0.43% |
第20回 | 約10年4か月 | 0.452% |
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参考文献
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ (2022) 社債・資本性証券情報
株式会社格付投資情報センター (2024) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2024) News Release
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