DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)とは米国の株価指数であるS&P500の3倍の値動きをする上場投資信託です。ただし、厳密には3倍の値動きをするわけではなく、減価します。本ETFの特徴をご紹介します。
DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)
DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)とは、米国の代表的な株価指数であるS&P500の3倍の日次投資効果を目指すETF(上場投資信託)です。
銘柄名 | Direxion Daily S&P 500 Bull 3X Shares |
シンボル | SPXL |
上場市場 | NYSE Arca |
ベンチマーク | S&P500 |
運用会社 | Direxion Investment |
設定日 | 2008年11月5日 |
実質コスト
年率1.00%
複利効果で実際には3倍以上の値動きをする
DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)は、S&P500の日次の3倍の値動きをする3倍ブル型ETFです。
ここでのポイントは日次の3倍ということであり、2日以上の期間でみると3倍ではないということです。
たとえば、S&P500が2日間続けて1%上昇した場合は、当初の2.01%上昇となります。
日次で3倍だと、当初の6.09%上昇となります。
注目すべきなのは、2.01%の3倍である6.03%ではなく、3倍を超える6.09%の価格変動になるということです。
これを「複利効果」と呼びます。
S&P500が上昇する場合だけでなく、下落する場合も同様に3倍以上変動します。
長期的には減価する
これだけであれば、上昇と下落ともにS&P500の3倍以上の値動きをするETFということで、メリットとデメリットが相殺されます。
しかし、DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)には致命的な欠陥があります。
たとえば、S&P500が1%上昇したのち、1%下落した場合は、当初の0.01%下落します。
日次で3倍だと、当初の0.09%下落します。
下落したのち上昇する場合も同様です。
-3% × +3% = -0.09%
つまり上昇と下落を繰り返すと、S&P500よりも3倍ブルの方が下落率が高くなります。
これを「減価」といいます。
S&P500は上昇と下落を繰り返すので、長期的にみるとDirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)は減価していきます。
管理報酬も高い
DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)の管理報酬は年率0.95%です。
3倍ブル型ETFとはいえ、S&P500のETFとしては管理報酬が高すぎます。
チャート
Figure 1. SPXL stock chart from finviz
配当
「DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)」の分配金(配当金)は次のとおりです。
日付 | 配当金(米ドル) |
---|---|
2023年12月22日 | 0.30383 |
2023年9月20日 | 0.19445 |
2023年6月22日 | 0.25846 |
2023年3月22日 | 0.26189 |
2022年12月21日 | 0.12356 |
2022年6月23日 | 0.07763 |
DirexionデイリーS&P500ベア3倍ETF(SPXS)
DirexionデイリーS&P500ベア3倍ETF(SPXS)とは、米国の代表的な株価指数であるS&P500の3倍逆の日次投資効果を目指すETF(上場投資信託)です。
ベア型という点を除けば、DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)と同じです。
銘柄名 | Direxion Daily S&P 500 Bear 3X Shares |
シンボル | SPXS |
上場市場 | NYSE Arca |
ベンチマーク | S&P500 |
運用会社 | Direxion Investment |
設定日 | 2008年11月5日 |
チャート
Figure 2. SPXS stock chart from finviz
実質コスト
年率1.08%
配当
「DirexionデイリーS&P500ベア3倍ETF(SPXS)」の分配金(配当金)は次のとおりです。
日付 | 配当金(米ドル) |
---|---|
2023年12月22日 | 0.10420 |
2023年9月20日 | 0.15854 |
2023年6月22日 | 0.15810 |
2023年3月22日 | 0.23333 |
長期投資にはおすすめしない
短期間の上昇や下落を狙ってに投資するのは構いませんが、長期投資ならDirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)やDirexionデイリーS&P500ベア3倍ETF(SPXS)はおすすめしません。
長期的には減価する
管理報酬が高い
新NISA制度の対象外
少額投資非課税制度(NISA)は2024年から新制度になり、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2種類に分類されました。新NISAにおいて高レバレッジ型のETFは対象外になったため、「SPXL Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF (SPXL)」及び「SPXS Direxion デイリー S&P 500 ベア3倍 ETF (SPXS)」は、新NISAの対象外商品です。
NISA(つみたて投資枠)の対象外
取扱会社
以下に示す証券会社で「SPXL Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF (SPXL)」及び「SPXS Direxion デイリー S&P 500 ベア3倍 ETF (SPXS)」を取り扱っています。
moomoo証券
moomoo証券では、新NISAでの取引において、米国株式の売買手数料は無料です。
ウィブル証券
ウィブル証券で新規口座開設すると、米国株取引手数料が3ヶ月間無料になります。
楽天証券
楽天証券のNISA口座では、国内株式、国内ETF、米国株式、米国ETFおよび投資信託の売買にかかる手数料が無料です。また、NISA口座以外でも、「ゼロコース」では国内株式の現物取引と信用取引の取引手数料が無料です。「iシェアーズ・コアTOPIX ETF」も手数料0円で売買することができます。
マネックス証券
マネックス証券のNISA口座では、国内株、米国株および中国株の現物取引手数料が無料です。
auカブコム証券
auカブコム証券のNISA口座では、国内株および米国株の現物取引手数料が無料です。
DMM株
DMM株のNISA口座では、国内株式の取引手数料が無料です。また、25歳以下の人であれば、NISA口座以外でも国内株式現物取引の手数料が全額キャッシュバックされるので、実質無料で取引することができます。
参考文献
Direxion (2024) S&P 500 Bull and Bear 3X ETF | SPXL, SPXS Funds | Direxion
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