楽天カード株式会社が個人向け社債「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)を2022年12月16日に発行します。この記事では本社債の概要と買い方をご紹介します。
楽天カードマン債とは
楽天カード株式会社が発行する個人向け社債の概要は次のとおりです。
名称 | 楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
愛称 | 楽天カードマン債 |
発行体 | 楽天カード株式会社 |
期間 | 5年 |
利率 | 年1.65%(税引前) |
発行日 | 2022年12月16日 |
利払日 | 毎年6月16日と12月16日(年2回) |
償還日 | 2027年12月16日 |
発行価格 | 額面100円に付き金100円 |
申込単位 | 10万円 |
格付 | A- (R&I), A (JCR) |
発行総額 | 500億円 |
募集期間 | 2022年12月5日~2022年12月15日 |
懸賞付き
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の購入者の中から、抽選で300名に楽天ギフトカード(30,000円相当)1枚がプレゼントされます。購入金額100万円につき1口として抽選されるので、購入金額が大きくなるほど当選確率が上がります。ただし、複数の口数で応募しても、重複当選はありません。
発行体
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の発行体(債券の発行元)は楽天カード株式会社です。
会社名 | 楽天カード株式会社 |
設立 | 2001年12月6日 |
本社所在地 | 東京都港区南青山2-6-21 楽天クリムゾンハウス青山 |
主な事業 | クレジットカード、カードローン、信用保証業務 |
株主 | 楽天株式会社(100%) |
直近2期分における楽天カード株式会社の業績は次のとおりです。
項目 | 2020年12月期 | 2021年12月期 |
---|---|---|
営業収益 | 385,451 | 425,070 |
経常利益 | 39,719 | 39,377 |
利率
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の利率は年1.65%(税引前)です。
申込単位
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の申込単位(購入単位)は、10万円以上10万円単位です。
一般的な社債の申込単位が100万円、前回発行された個人向け社債である「楽天カード株式会社第4回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の申込単位50万円と比べると、今回の楽天カードマン債は少額から購入することができます。
格付
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は、以下に示す格付会社から信用格付を取得しています。
格付会社 | 格付 |
---|---|
R&I | A- |
JCR | A |
格付投資情報センター
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は、格付投資情報センター(R&I)から「A-」の長期個別債務格付を取得しています。R&Iによる格付事由は次のとおりです。
楽天グループが100%出資するクレジットカード会社。楽天経済圏における金融決済機能を担い、顧客の獲得・囲い込みに貢献している。会員基盤は大手カード会社に匹敵し、競争力は高い。グループとの一体性は高く、格付は楽天グループの信用力と同じにしている。楽天グループの格付の方向性を安定的からネガティブに変更にしたのに合わせて、楽天カードの格付の方向性もネガティブに変更した。
日本格付研究所
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は、日本格付研究所(JCR)から「A」の長期個別債務格付を取得しています。JCRによる格付事由は次のとおりです。
楽天カードは、楽天グループのクレジットカード会社。楽天グループが議決権を100%保有し、取締役を複数名派遣しており、経営の意思決定や経営管理の一体性が強い。また、楽天カードは、楽天グループのフィンテック事業の中核として、楽天グループの決済・金融機能の提供、ポイント付与による顧客の囲い込みといった役割を担っており、戦略的に重要な位置付けにある。以上を踏まえ、楽天カードの長期発行体格付は、楽天グループのグループ信用力「A」相当と同等としている。本件はシニア債であり、債券格付は長期発行体格付と同水準とした。
社債間限定同順位特約
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)には担保がありませんが、社債間限定同順位特約がついています。
社債間限定同順位特約とは、楽天カード株式会社が今後担保付きの社債を発行する場合は、楽天カードマン債にも同様に担保をつけるという特約です。
担保なしの債券より担保つきの債券の方が債権の回収優先順位が高いため、あとから発行された社債によって不利な扱いがされないという保証になります。
実際に担保がつけられることはほとんどなく、楽天カード株式会社が担保つきの社債を発行する意思がないという表明です。
販売会社
以下に示す金融機関で「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)を販売しています。
金融機関 | 引受金額 |
---|---|
みずほ証券 | 150億円 |
楽天証券 | 125億円 |
大和証券 | 125億円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 100億円 |
計 | 500億円 |
取扱金融機関によって引受金額(販売量)が異なります。引受金額が多い金融機関ほど楽天カードマン債を購入しやすくなっています。
みずほ証券
みずほ証券では「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付注文をネット倶楽部でも取り扱っています。
楽天証券
楽天証券では「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付注文をインターネット取引でのみ取り扱っています。
大和証券
大和証券では「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付けの注文について、インターネット(オンライントレード)では取扱いをしていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本店・支店・営業所で、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで買付注文を取り扱っています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)をネットでも取り扱っています。
発行実績
楽天カード株式会社は過去に以下に示す個人向け社債を発行した実績があります。
銘柄 | 発行日 | 期間 | 利率 |
---|---|---|---|
第4回無担保社債 | 2020年12月23日 | 5年 | 0.49% |
楽天カード株式会社第4回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
楽天カード株式会社第4回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の概要は次のとおりです。
期間 | 5年 |
利率 | 年0.49%(税引前) |
発行日 | 2020年12月23日 |
利払日 | 毎年6月23日と12月23日 |
償還日 | 2025年12月23日 |
申込単位 | 50万円 |
格付 | A-(R&I)、A(JCR) |
発行総額 | 300億円 |
楽天カード株式会社第4回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の募集の際は、額面50万円につき500円分の楽天ポイントギフトカードが、購入者全てにプレゼントされました。
評判・口コミ
SNS上での「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」の評判や口コミは以下の通りです。
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は、その名の通り無担保です。そもそも他の債権者より弁済順位が優遇される有担保社債は発行するのが難しく、特別な法律に基づいて電力会社等しか発行できません。
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は仕組み債ではありません。
個人向けの「楽天カードマン債」が5年で1.20%~1.80%の一方で、プロ向けの楽天ドル建て債は2年で10.25%
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)のフィーは、各社債の金額100円につき金50銭です。つまり、額面10万円につき500円です。
大丈夫かな楽天カードマン債
2022年12月1日時点だと、JTG証券で買える「国際復興開発銀行 南アフリカ・ランド建 ゼロクーポン債」が年7.027%なので、楽天カードマン債の方が遥かに年利が低いです。
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は劣後債ではありません。
スケジュール
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の発行スケジュールは次のとおりです。
- 2022.12.2条件決定
- 2022.12.5募集開始
- 2022.12.15募集終了
- 2022.12.16発行
- 2023.6.16利払い
- 2023.12.16利払い
- 2024.6.16利払い
- 2024.12.16利払い
- 2025.6.16利払い
- 2025.12.16利払い
- 2026.6.16利払い
- 2026.12.16利払い
- 2027.6.16利払い
- 2027.12.16利払い・償還
関連記事
参考文献
楽天カード株式会社 (2022) 楽天カード、個人向け社債発行を予定
楽天カード株式会社 (2022) 格付・社債情報
楽天カード株式会社 (2022) 会社概要
株式会社格付投資情報センター (2022) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2022) News Release
土屋剛俊 (2017) 入門 社債のすべて 発行プロセスから分析・投資手法と倒産時の対応まで
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