楽天カード株式会社が個人向け社債「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)を2025年6月27日に発行します。この記事では本社債の概要と買い方をご紹介します。
銘柄
楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
愛称
楽天カードマン債
発行体
「楽天カード株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の発行体(債券の発行元)は楽天カード株式会社です。
会社名 | 楽天カード株式会社 |
設立 | 2001年12月6日 |
本社所在地 | 東京都港区南青山2-6-21 楽天クリムゾンハウス青山 |
主な事業 | クレジットカード、カードローン、信用保証業務 |
株主 | 楽天株式会社(100%) |
直近2期分における楽天カード株式会社の業績は次のとおりです。
項目 | 2023年12月期 | 2024年12月期 |
---|---|---|
売上収益 | 329,471 | 407,954 |
税引前当期利益 | 60,362 | 61,938 |
当期利益 | 48,521 | 48,123 |
当期包括利益 | 45,638 | 47,495 |
親会社の所有者に帰属する持分 | 147,230 | 131,074 |
楽天カード株式会社の貸借対照表は次のとおりです。
資産 | 負債・純資産 | ||
---|---|---|---|
流動資産 | 3,981,115 | 流動負債 | 3,506,057 |
固定資産 | 143,647 | 固定負債 | 535,110 |
純資産 | 83,595 | ||
資産合計 | 4,124,763 | 負債純資産合計 | 4,124,763 |
発行条件
「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の発行条件は以下のとおりです。
期間
1年
利率
年率1.680%(税引前)
申込単位
10万円単位
発行価格
額面100円につき100円
発行額
800億円
社債間限定同順位特約
「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)には担保がありませんが、社債間限定同順位特約がついています。
社債間限定同順位特約とは、楽天カード株式会社が今後担保付きの社債を発行する場合は、楽天カードマン債にも同様に担保をつけるという特約です。
担保なしの債券より担保つきの債券の方が債権の回収優先順位が高いため、あとから発行された社債によって不利な扱いがされないという保証になります。
実際に担保がつけられることはほとんどなく、楽天カード株式会社が担保つきの社債を発行する意思がないという表明です。
スケジュール
「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の発行スケジュールは次のとおりです。
- 2025.6.12条件決定
- 2025.6.13募集開始
- 2025.6.26募集終了
- 2025.6.27発行
- 2025.12.27利払い
- 2026.6.26利払い・償還
条件決定日
2025年6月12日
募集期間
2025年6月13日〜2025年6月26日
発行日
2025年6月27日
利払日
2025年12月27日および2026年6月26日(年2回)
償還日
2026年6月26日
格付
「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は、以下に示す格付会社から長期個別債務格付を取得しています。
格付会社 | 格付 |
---|---|
格付投資情報センター(R&I) | BBB+ |
日本格付研究所(JCR) | A- |
格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)で格付が異なりますが、これはJCRが甘めの格付を行う傾向にあるからです。どちらかというと、R&Iの格付を参考にしたほうがよいでしょう。
格付投資情報センター
「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は、格付投資情報センター(R&I)から「BBB+」の長期個別債務格付を取得しています。R&Iによる格付事由は次のとおりです。
楽天グループが100%出資するクレジットカード会社。グループにおける金融決済機能を担い、顧客の獲得・囲い込みに貢献している。グループとの一体性は高く、格付はグループの信用力と同じにしている。みずほフィナンシャルグループと戦略的な資本業務提携の検討について合意した。提携が実現する場合でも、楽天グループは引き続き楽天カードを連結子会社にとどめる方針であるなど、グループとの一体性に変わりはないと判断している。
楽天エコシステムの競争力を背景に業界トップクラスの会員数・取扱高やショッピングリボ残高を有し、収益力は比較的高い。子会社化した楽天ペイメントと連携してスマホ決済や加盟店網の強化を進め、成果を挙げつつある。資産の質は健全だ。親会社への資本拠出が響き、リスク耐久力は格付対比で大きく見劣りする。事業運営に必要な資金は主に楽天銀行を受け皿とした債権流動化により賄えることから流動性に対する懸念は小さいとみているが、さらなる成長に向けて支障とならないかには留意を要する。
日本格付研究所
「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)は、日本格付研究所(JCR)から「A-」の長期個別債務格付を取得しています。JCRによる格付事由は次のとおりです。
楽天グループのクレジットカード会社。楽天グループ株式会社(楽天)が議決権を約 85%保有し、取締役を複数名派遣している。経営の意思決定・管理の一体性も高く、楽天による関与度は強い。また、楽天グループのフィンテック事業の中核として、決済・金融機能の提供、ポイント付与による顧客の囲い込みといった役割を担うなど、楽天グループにおける経営的重要度は高い。以上を踏まえ、当社の長期発行体格付は、楽天グループのグループ信用力「A-」相当と同等としている。本件はシニア債であり、債券格付は長期発行体格付と同水準とした。
販売会社
以下に示す金融機関で「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)を販売しています。
金融機関 | 引受金額 |
---|---|
みずほ証券 | 300億円 |
大和証券 | 220億円 |
楽天証券 | 190億円 |
SMBC日興証券 | 40億円 |
野村證券 | 30億円 |
岡三証券 | 10億円 |
東海東京証券 | 10億円 |
計 | 800億円 |
取扱金融機関によって引受金額(販売量)が異なります。引受金額が多い金融機関ほど楽天カードマン債を購入しやすくなっています。
みずほ証券
みずほ証券では「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付注文をネット倶楽部でも取り扱っています。
大和証券
大和証券は「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付注文をオンライントレードでは取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本店・支店・営業所で買付注文を取り扱っています。
楽天証券
楽天証券では「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付注文をインターネット取引でのみ取り扱っています。
SMBC日興証券
SMBC日興証券は「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付注文をオンライントレードでも取り扱っています。
野村證券
野村證券は「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)の買付注文をオンラインサービスでは取り扱っていません。
発行実績
楽天カード株式会社は過去に以下に示す個人向け社債を発行した実績があります。
銘柄 | 発行日 | 期間 | 利率 |
---|---|---|---|
第9回無担保社債 | 2022年12月16日 | 5年 | 1.65% |
第4回無担保社債 | 2020年12月23日 | 5年 | 0.49% |
リスク
「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」(愛称:楽天カードマン債)には以下に示すリスクがあります。
リスクの種類 | リスク度 |
---|---|
信用性リスク | |
流動性リスク | |
価格変動リスク | |
カントリー・リスク |
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参考文献
楽天カード株式会社 (2025) 楽天カード、個人向け社債の条件を決定
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