ソフトバンクグループが個人向け社債「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債(愛称:福岡ソフトバンクホークスボンド)」を2024年6月14日に発行します。
愛称
福岡ソフトバンクホークスボンド
発行体
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」の発行体は、ソフトバンクグループ株式会社です。ソフトバンクグループ株式会社(東証1部、証券コード9984)は、通信やネット関連などの事業をグループ会社で展開する持ち株会社です。主要な連結子会社と関連会社は次のとおり。
- ソフトバンク株式会社
- Sprint Communications, Inc.(米国の携帯電話事業者)
- ヤフー株式会社
- アスクル株式会社
- 株式会社PayPay銀行
- バリューコマース株式会社
- ブックオフコーポレーション株式会社
- Arm Limited(英国のスマホ向けマイクロプロセッサ設計会社)
- 福岡ソフトバンクホークス株式会社
- アイティメディア株式会社(IT総合情報サイトITmediaの運営会社)
- 株式会社ベクター(ソフトウェアダウンロード販売会社)
- Alibaba Group Holdings Limited(中国の電子商取引サイト運営会社)
ソフトバンクグループ株式会社は、以下に示す格付け会社から発行体格付を取得しています。
格付会社 | 格付 |
---|---|
スタンダード&プアーズ (S&P) | BB+ |
日本格付研究所 | A- |
ソフトバンクグループ株式会社の連結経営成績は以下のとおりです。
2023年3月期 | 2024年3月期 | |
---|---|---|
売上高 | 6,570,439 | 6,756,500 |
税引前利益 | △469,127 | 57,801 |
当期利益 | △789,801 | 209,217 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | △970,144 | △227,646 |
期間
7年
利率
年3.03%(税引前)
スケジュール
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」の条件決定から償還までのスケジュールは以下のとおりです。
- 2025.5.31条件決定
- 2024.6.3募集開始
- 2024.6.13募集終了
- 2024.6.14発行日
- 2024.12.14利払い
- 2025.6.14利払い
- 2025.12.14利払い
- 2026.6.14利払い
- 2026.12.14利払い
- 2027.6.14利払い
- 2027.12.14利払い
- 2028.6.14利払い
- 2028.12.14利払い
- 2029.6.14利払い
- 2029.12.14利払い
- 2030.6.14利払い
- 2030.12.14利払い
- 2031.6.13利払い・償還
条件決定日
2024年5月31日
募集期間
2024年6月3日~2024年6月13日
発行日
2024年6月14日
利払日
毎年6月14日及び12月14日(年2回)
償還日
2031年6月13日
発行価格
額面100円につき100円
申込単位
100万円単位
発行額
5,500億円
格付け
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」は、株式会社日本格付研究所(JCR)から「A」の長期個別債務格付を取得しています。
日本格付研究所(JCR)による格付事由は以下のとおりです。
マイクロプロセッサーの設計、国内通信、ファンド投資などの事業をグループ会社で展開する持株会社。連結会計上は、持株会社投資事業、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業(SVF 事業)、ソフトバンク事業、アーム事業、その他で構成されている。当社は戦略的投資持株会社であるとしており、ソフトバンク事業などについても投資先として評価する必要がある。
財務方針は堅持されている。ファンド投資の外部環境が大幅に悪化した際も資産売却をいち早く行うなど、LTV は基準以下で推移した。足元、外部環境は改善し始めているが、引き続き保守的な投資姿勢に変化は生じないとみている。過去のような 1 件当り数千億円の大型投資を実行する可能性は低い。投資事業のリスクはコントロール可能な状況に変化していると JCR では判断した。現状の投資姿勢を鑑みれば、当面 LTV は低水準で推移するだろう。加えて資産の質も改善している。アームが上場したことによって、上場株式の保有資産に占める割合が高まり、以前に比べ地政学リスクも低減した。今後も保有資産の中核はアームであり続け、かつ当社の経営におけるアームの重要性は増すだろう。以上より格付は 1 ノッチ引き上げ「A」とし、見通しは安定的とした。
アームの潜在的な成長力は高いと JCR ではみている。当社ではアームの成長戦略を加速させ、アームの企業価値向上に注力する方針である。アームが設計するマイクロプロセッサーは低消費電力という強みを有しており、マーケットシェア(22 年)はモバイルで 99%を誇る。アームベースのチップ出荷数も増加を続けている。今後、クラウド、オートモーティブ、IoT 組込機器などでもシェアをアップさせるだろう。Armv8から、より AI への対応を強化した Armv9 へのシフトが進むことで収益性の向上も期待できる。
当社が保有するグループ会社を含めた株式価値(調整後 SBG 単体保有株式価値、23 年 12 月末)は 21.72 兆円である。連結上の純有利子負債(同)は 14.76 兆円であるが、ソフトバンクなどの子会社は独立採算を前提としており、当社が返済すべき単体ベースの実質的な純有利子負債(調整後 SBG 単体純有利子負債)は2.49 兆円になるとしている。23 年 12 月末の調整後 SBG 単体保有株式価値に対する調整後 SBG 単体純有利子負債のカバー率(LTV)は 11.5%である。LTV は 25%未満を基準とし、異常時においても上限 35%として管理を行う方針。株式の時価は変動しやすく、相当に保守的な評価が必要になるが、現状の管理方針を前提とすれば、一定の安全性は確保できると JCR では判断している。利払いなどの経常的な支出に対しても、ソフトバンクからの配当や保有する資産の活用などにより相応の余裕を有している。
劣後特約
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」には劣後特約が付いていません。
劣後特約とは、劣後事由が発生したときの弁済(元利金の返済)順位が一般無担保社債(シニア債)よりも低くなるという特約です。
劣後事由が発生した場合には、元利金の全部または一部の支払いを受けられない可能性があります。具体的には、次のような場合です。
- 清算手続が開始された場合
- 裁判所が破産手続き開始の決定をした場合
- 裁判所が更生手続き開始の決定をした場合
- 裁判所が再生手続き開始の決定をした場合
このような場合、優先順位の高い債務から弁済されていきます。ソフトバンクグループ株式会社における弁済順位は次のようになります。
順位 | 分類 | 具体例 |
---|---|---|
1 | シニア債務 | 第63回無担保社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) ローン |
2 | 劣後社債 | 第5回無担保社債(劣後特約付) |
3 | 劣後社債 優先株式 |
第5回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) |
4 | 普通株式 | – |
無担保
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」には担保および保証は付けられていません。また、とくに留保されている資産もありません。
ソフトバンクグループ株式会社の以前の社債「ソフトバンクグループ株式会社 第53回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」には子会社であるソフトバンク株式会社の保証が付いていましたが、今回はソフトバンク株式会社による保証は付いていません。
第53回のソフトバンク債についても、発行後に子会社であるソフトバンク株式会社の上場に伴って、後から保証解除されました。
ソフトバンク株上場に伴って、ソフトバンクグループ社債に対するソフトバンク株式会社による保証が解除されました。
— tsuka (@ghg02770) 2018年11月28日
販売会社
以下に示す証券会社で「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」を販売しています。
金融機関 | 引受金額 |
---|---|
大和証券 | 1,300億円 |
SMBC日興証券 | 1,000億円 |
野村證券 | 700億円 |
SBI証券 | 700億円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 600億円 |
みずほ証券 | 600億円 |
岡三証券 | 300億円 |
岩井コスモ証券 | 140億円 |
東海東京証券 | 130億円 |
水戸証券 | 20億円 |
西日本シティTT証券 | 10億円 |
合計 | 5,500億円 |
証券会社によって引受金額(販売総額)が異なります。引受金額が大きい証券会社ほど購入しやすくなっています。
大和証券
大和証券では「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債(愛称:福岡ソフトバンクホークスボンド)」の買付注文をインターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの場合は本店・支店・営業所で、「ダイワ・ダイレクト」コースの場合はコンタクトセンターで買付注文を取り扱っています。
SMBC日興証券
SMBC日興証券では「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債(愛称:福岡ソフトバンクホークスボンド)」の買付注文をオンライントレードでも取り扱っています。
野村證券
野村證券の債券取引は、個人向け国債と一部の外貨建債券のみオンラインサービスからも申し込めます。社債の購入と売却はオンラインサービスからは申し込めず、店頭取引でのみ取り扱っています。
SBI証券
SBI証券では2024年5月20日から2024年6月30日まで「ワンダフルキャンペーン!債券購入で最大100,000円が当たるチャンス」を実施しています。キャンペーン期間中に対象債券を購入すると、抽選で現金がプレゼントされます。
等級 | プレゼント金額 | 当選者数 |
---|---|---|
1等 | 100,000円 | 10名 |
2等 | 10,000円 | 100名 |
3等 | 5,000円 | 200名 |
下記の条件を満たすと、当選確率がアップします。
条件 | 当選確率 |
---|---|
① 債券デビュー・再デビュー | 2倍 |
② キャンペーン対象債券を2銘柄購入 | 2倍 |
③ いずれかの対象債券を1,000万円以上購入 | 2倍 |
上記①②③のうち2つ以上条件を満たした場合 | 5倍 |
「アイフル株式会社第68回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」も「ワンダフルキャンペーン!債券購入で最大100,000円が当たるチャンス」のキャンペーン対象債券です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債(愛称:福岡ソフトバンクホークスボンド)」の買付注文をネットでは取り扱っていません。
みずほ証券
みずほ証券では「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債(愛称:福岡ソフトバンクホークスボンド)」の買付注文をネット倶楽部(オンライントレード)でも取り扱っています。
プレゼント
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」を購入すると、ソフトバンクグループ株式会社から「お父さん応援隊長ステンレスタンブラー」がプレゼントされます。購入金額に関わらず、購入者1名につき1つとなります。
リスク
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」には、次のリスクがあります。
- 信用リスク
- 価格変動リスク
- 流動性リスク
社債は満期まで保有すれば額面で償還されます。新発債を購入して、満期まで保有すれば、価格変動リスクはありません。
途中で売却する場合は、時価で売却するため、売却損が発生することがあります。既発債を購入する場合は、時価で購入するため、満期まで保有しても償還差損が生じることがあります。
信用リスク
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」は無担保の債務であり、当社が倒産等の事態に陥った場合、本社債に関する支払の一部又は全部が行われない可能性があります。
価格変動リスク
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」の価格は、市場金利等の変動、当社の経営状況又は財務状況の変化及び本社債に付与された格付の状況等により変動し、その結果、売却する場合において投資元本を割り込む可能性があります。
流動性リスク
「ソフトバンクグループ株式会社第63回無担保社債」の発行時においてその活発な流通市場は形成されておらず、またかかる市場が形成される保証はありません。したがって、本社債権者は、本社債を売却できないか、又は希望する条件で売却できない可能性があります。
発行実績
ソフトバンクグループ株式会社無担保社債
ソフトバンクグループは、過去に次の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)」を発行しました。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第59回無担保普通社債 | 2023年3月10日 | 3.04% | 5年 |
第58回無担保普通社債 | 2022年12月16日 | 2.84% | 7年 |
第56回無担保普通社債 | 2019年9月20日 | 1.38% | 7年 |
第55回無担保普通社債 | 2019年4月26日 | 1.64% | 6年 |
第53回無担保普通社債 | 2018年6月20日 | 1.57% | 6年 |
第51回無担保普通社債 | 2017年3月16日 | 2.03% | 7年 |
ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)
「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)」は、前述の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)」より弁済順位が劣後する社債です。
ソフトバンクグループは、過去に次の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)」を発行しました。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第5回無担保社債(劣後特約付) | 2022年2月4日 | 2.48% | 7年 |
第3回無担保社債(劣後特約付) | 2021年9月30日 | 2.40% | 7年 |
ソフトバンクグループ株式会社利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債
ソフトバンクグループ株式会社利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)」は、前述の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)」より弁済順位が劣後する社債です。
ソフトバンクグループは、過去に次の「ソフトバンクグループ株式会社利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)」を発行しました。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第6回 | 2023年4月28日 | 当初5年:4.750% その後15年:5年国債の流通利回り+4.840% その後5年:5年国債の流通利回り+4.890% |
25年 |
第5回 | 2021年6月21日 | 2.75% | 35年 |
関連記事
参考文献
ソフトバンクグループ株式会社 (2024) 第63回無担保普通社債の発行に関するお知らせ
ソフトバンクグループ株式会社 (2024) 社債情報
ソフトバンクグループ株式会社 (2024) 格付情報
株式会社日本格付研究所 (2024) News Release
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