Vanguard Value ETF(VTV)は米国の大型株のうち、株価が割安な銘柄に投資する上場投資信託です。日本では「米国大型バリューETF」と呼ばれます。この記事では、VTVの特徴についてご紹介します。
Vanguard Value ETF(VTV)とは
Vanguard Value ETF(VTV)とは、米国株式のうち大企業かつ現在の株価が本来の企業価値に比べて割安であるとみられている銘柄に投資する上場投資信託(ETF)です。NYSEアーカ取引所(NYSE Arca)に上場されています。
成長性のある企業に投資するグロースETFと比べて、比較的安定したリターンが期待できます。
バリュー(割安)とは?
バリュー(割安)という考え方の起源は、1928年にベンジャミン・グレアムとデイビッド・ドットにより提唱されました。その後、1970年代には米国の株式市場において、投資スタイルとして確立されました。当時、類似の特徴を持つ銘柄は類似したパフォーマンスを期待できるとの考え方が広まりました。その代表的な例として、企業の時価総額によって分類される「大型」や「小型」が挙げられます。その後、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)などの基準指標を利用して分類される「バリュー(割安)」が登場しました。投資の神様と呼ばれる著名投資家のウォーレン・バフェットは、バリュー投資家として有名です。ベンジャミン・グレアムはバリュー投資の考え方を「賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法」という本にまとめていて、好評を得ています。
VTVの組入れ銘柄
Vanguard Value ETF (VTV) の組入れ銘柄のうち、上位10社をご紹介します。
- バークシャー・ハサウェイ
- JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- プロクター・アンド・ギャンブル
- エクソンモービル
- AT&T
- ベライゾン・コミュニケーションズ
- バンク・オブ・アメリカ
- ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー
- インテル
※2019年9月30日時点
純資産総額のうち、上記10銘柄で22.7%を占めています。
Vanguard Value ETF (VTV) の組入れ銘柄のうち、最も割合が高い銘柄は、ウォーレン・バフェットが経営する投資会社バークシャー・ハサウェイです。
バリュー投資家として著名なバフェット氏が経営するだけあって、バークシャー・ハサウェイ自体もバリュー株になっています。
VTVの配当
グロースETFが投資するような銘柄は成長中の企業が多く、株価は伸びやすいものの配当金が少ないといったデメリットがあります。
一方、バリューETFが投資するような銘柄は安定した配当を出す企業が多くなっています。
Vanguard Value ETF(VTV)も次のように安定して配当を出しています。
支払基準日 | 配当 |
---|---|
2019年9月17日 | $0.6575 |
2019年6月28日 | $0.6988 |
2019年3月29日 | $0.7348 |
2018年12月26日 | $0.7083 |
日本株は年2回配当金を支払う企業が多いですが、米国株は四半期ごとに年4回配当金を支払う企業が数多くあります。Vanguard Value ETF(VTV)も例に漏れず、四半期に一度配当金が支払われます。
ただし、配当を狙うならVanguard High Dividend Yield ETF(VYM)バンガード米国高配当株式ETFの方が良いでしょう。
VTVの信託報酬
日本では投資信託や上場投資信託(ETF)にかかる手数料について、信託報酬で示しています。ただし、投資信託にかかる経費は信託報酬だけではありません。
米国では投資信託やETFにかかる手数料を経費率(expense ratio)という実質コストで明示しています。経費率には信託報酬だけでなく、その他さまざまなコストが含まれています。
Vanguard Value ETF (VTV) の経費率は年率0.04%です。
経費率にはさまざまなコストが含まれているので、日本の信託報酬とは単純には比較できません。投資信託にかかる手数料について詳しくは、次の記事をご覧ください。
関連記事 投資信託(ファンド)にかかるさまざまな手数料(費用)
VTVの買い方
Vanguard Value ETF(VTV)は、米国株式を取扱っている証券会社で買うことができます。たとえば、次の証券会社でVTVを取り扱っています。
チャート
Vanguard Value ETF(VTV)のチャートは次のとおりです。
Figure 1. VTV stock chart from finviz
取扱会社
以下に示す証券会社で「Vanguard Value ETF(VTV)」を取り扱っています。
moomoo証券
moomoo証券では、新NISAでの取引において、米国株式の売買手数料は無料です。
ウィブル証券
ウィブル証券で新規口座開設すると、米国株取引手数料が3ヶ月間無料になります。
楽天証券
楽天証券のNISA口座では、国内株式、国内ETF、米国株式、米国ETFおよび投資信託の売買にかかる手数料が無料です。また、NISA口座以外でも、「ゼロコース」では国内株式の現物取引と信用取引の取引手数料が無料です。「iシェアーズ・コアTOPIX ETF」も手数料0円で売買することができます。
マネックス証券
マネックス証券のNISA口座では、国内株、米国株および中国株の現物取引手数料が無料です。
auカブコム証券
auカブコム証券のNISA口座では、国内株および米国株の現物取引手数料が無料です。
DMM株
DMM株のNISA口座では、国内株式の取引手数料が無料です。また、25歳以下の人であれば、NISA口座以外でも国内株式現物取引の手数料が全額キャッシュバックされるので、実質無料で取引することができます。
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