ソフトバンクグループが個人向け社債「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債(愛称:福岡ソフトバンクホークスボンド)」を2024年3月15日に発行します。
愛称
福岡ソフトバンクホークスボンド
発行体
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」の発行体は、ソフトバンクグループ株式会社です。ソフトバンクグループ株式会社(東証1部、証券コード9984)は、通信やネット関連などの事業をグループ会社で展開する持ち株会社です。主要な連結子会社と関連会社は次のとおり。
- ソフトバンク株式会社
- Sprint Communications, Inc.(米国の携帯電話事業者)
- ヤフー株式会社
- アスクル株式会社
- 株式会社PayPay銀行
- バリューコマース株式会社
- ブックオフコーポレーション株式会社
- Arm Limited(英国のスマホ向けマイクロプロセッサ設計会社)
- 福岡ソフトバンクホークス株式会社
- アイティメディア株式会社(IT総合情報サイトITmediaの運営会社)
- 株式会社ベクター(ソフトウェアダウンロード販売会社)
- Alibaba Group Holdings Limited(中国の電子商取引サイト運営会社)
ソフトバンクグループ株式会社は、以下に示す格付け会社から発行体格付を取得しています。
格付会社 | 格付 |
---|---|
スタンダード&プアーズ (S&P) | BB+ |
日本格付研究所 | A- |
Moody’s はソフトバンクグループ株式会社の依頼に基づかない勝手格付を行っています。
格付会社 | 格付 |
---|---|
Moody’s | Ba3 |
対象会社からの依頼に基づく格付は依頼会社から様々な資料を提供されますが、勝手格付けは公開情報からのみ判断します。Moody’s は依頼に基づく格付と勝手格付を記号の上では区別しません。
期間
7年
利率
年3.04%(税引前)
スケジュール
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」の条件決定から償還までのスケジュールは以下のとおりです。
- 2023.3.1条件決定
- 2024.3.4募集開始
- 2024.3.14募集終了
- 2024.3.15発行日
- 2024.9.15利払い
- 2025.3.15利払い
- 2025.9.15利払い
- 2026.3.15利払い
- 2026.9.15利払い
- 2027.3.15利払い
- 2027.9.15利払い
- 2028.3.15利払い
- 2028.9.15利払い
- 2029.3.15利払い
- 2029.9.15利払い
- 2030.3.15利払い
- 2030.9.15利払い
- 2031.3.15利払い・償還
条件決定日
2023年3月1日
募集期間
2024年3月4日~2024年3月14日
発行日
2024年3月15日
利払日
毎年3月15日及び9月15日(年2回)
償還日
2031年3月14日
発行価格
額面100円につき100円
申込単位
100万円単位
発行額
5,500億円
格付け
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」は、株式会社日本格付研究所(JCR)から「A-」の長期個別債務格付を取得しています。
JCRによる格付事由は以下のとおりです。
通信、ファンド投資などの事業をグループ会社で展開する持株会社。連結会計上は、持株会社投資事業、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業、ソフトバンク事業、アーム事業、その他で構成されている。当社は投資会社としての側面を強めており、ソフトバンク事業などについても投資先として評価する必要がある。
当社が保有するグループ会社を含めた株式価値(調整後 SBG 単体保有株式価値、23 年 12 月末)は 21.72 兆円である。連結上の純有利子負債(同)は 14.76 兆円であるが、ソフトバンクなどの子会社は独立採算を前提としており、当社が返済すべき単体ベースの実質的な純有利子負債(調整後 SBG 単体純有利子負債)は2.49 兆円になるとしている。23 年 12 月末の調整後 SBG 単体保有株式価値に対する調整後 SBG 単体純有利子負債のカバー率(LTV)は 11.5%である。LTV は 25%未満を基準とし、異常時においても上限 35%として管理を行う方針。株式の時価は変動しやすく、相当に保守的な評価が必要になるが、現状の管理方針を前提とすれば、一定の安全性は確保できると JCR では判断している。利払いなどの経常的な支出に対しても、ソフトバンクからの配当や保有する資産の活用などにより相応の余裕を有している。
劣後特約
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」には劣後特約が付いていません。
劣後特約とは、劣後事由が発生したときの弁済(元利金の返済)順位が一般無担保社債(シニア債)よりも低くなるという特約です。
劣後事由が発生した場合には、元利金の全部または一部の支払いを受けられない可能性があります。具体的には、次のような場合です。
- 清算手続が開始された場合
- 裁判所が破産手続き開始の決定をした場合
- 裁判所が更生手続き開始の決定をした場合
- 裁判所が再生手続き開始の決定をした場合
このような場合、優先順位の高い債務から弁済されていきます。ソフトバンクグループ株式会社における弁済順位は次のようになります。
順位 | 分類 | 具体例 |
---|---|---|
1 | シニア債務 | 第58回無担保社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) ローン |
2 | 劣後社債 | 第5回無担保社債(劣後特約付) |
3 | 劣後社債 優先株式 |
第5回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) |
4 | 普通株式 | – |
無担保
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」には担保および保証は付けられていません。また、とくに留保されている資産もありません。
ソフトバンクグループ株式会社の以前の社債「ソフトバンクグループ株式会社 第53回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」には子会社であるソフトバンク株式会社の保証が付いていましたが、今回はソフトバンク株式会社による保証は付いていません。
第53回のソフトバンク債についても、発行後に子会社であるソフトバンク株式会社の上場に伴って、後から保証解除されました。
ソフトバンク株上場に伴って、ソフトバンクグループ社債に対するソフトバンク株式会社による保証が解除されました。
— tsuka (@ghg02770) 2018年11月28日
販売会社
以下に示す証券会社で「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」を販売しています。
金融機関 | 引受金額 |
---|---|
野村證券 | 1,240億円 |
SMBC日興証券 | 1,100億円 |
大和証券 | 1,000億円 |
みずほ証券 | 950億円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 400億円 |
SBI証券 | 400億円 |
岡三証券 | 300億円 |
岩井コスモ証券 | 50億円 |
東海東京証券 | 40億円 |
水戸証券 | 15億円 |
西日本シティTT証券 | 5億円 |
合計 | 5,500億円 |
証券会社によって引受金額(販売総額)が異なります。引受金額が大きい証券会社ほど購入しやすくなっています。
SBI証券
SBI証券では2024年2月16日から2024年3月31日まで「債券購入応援キャンペーン」を実施しています。キャンペーン期間中に対象債券を購入すると、抽選で現金がプレゼントされます。
等級 | プレゼント金額 | 当選者数 |
---|---|---|
1等 | 100,000円 | 10名 |
2等 | 10,000円 | 33名 |
3等 | 5,000円 | 734名 |
プレゼント
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」を購入すると、ソフトバンクグループ株式会社から「お父さん応援隊長タオルハンカチセット(今治タオル)」がプレゼントされます。購入金額に関わらず、購入者1名につき1つとなります。
リスク
「ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債」には、次のリスクがあります。
- 信用リスク
- 価格変動リスク
- 流動性リスク
社債は満期まで保有すれば額面で償還されます。新発債を購入して、満期まで保有すれば、価格変動リスクはありません。
途中で売却する場合は、時価で売却するため、売却損が発生することがあります。既発債を購入する場合は、時価で購入するため、満期まで保有しても償還差損が生じることがあります。
発行実績
ソフトバンクグループ株式会社無担保社債
ソフトバンクグループは、過去に次の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)」を発行しました。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第19回 | 2023年3月10日 | 0.98% | 5年 |
第58回 | 2022年12月16日 | 2.84% | 7年 |
第56回 | 2019年9月20日 | 1.38% | 7年 |
第55回 | 2019年4月26日 | 1.64% | 6年 |
第53回 | 2018年6月20日 | 1.57% | 6年 |
第51回 | 2017年3月16日 | 2.03% | 7年 |
ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)
「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)」は、前述の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)」より弁済順位が劣後する社債です。
ソフトバンクグループは、過去に次の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)」を発行しました。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第5回 | 2022年2月4日 | 2.48% | 7年 |
第3回 | 2021年9月30日 | 2.40% | 7年 |
ソフトバンクグループ株式会社利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債
ソフトバンクグループ株式会社利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)」は、前述の「ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)」より弁済順位が劣後する社債です。
ソフトバンクグループは、過去に次の「ソフトバンクグループ株式会社利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)」を発行しました。
銘柄 | 発行日 | 利率 | 期間 |
---|---|---|---|
第6回 | 2023年4月28日 | 当初5年:4.750% その後15年:5年国債の流通利回り+4.840% その後5年:5年国債の流通利回り+4.890% |
25年 |
第5回 | 2021年6月21日 | 2.75% | 35年 |
関連記事
参考文献
ソフトバンクグループ株式会社 (2023) 社債情報
ソフトバンクグループ株式会社 (2023) 格付情報
株式会社日本格付研究所 (2024) News Release
Moody’s Investors Service (2022) NEWS
ソフトバンクグループ株式会社 (2022) ムーディーズによる勝手格付けに関するレポートについて
土屋剛俊 (2017) 入門 社債のすべて 発行プロセスから分析・投資手法と倒産時の対応まで
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