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確定申告とは? 2024年における確定申告のやり方

確定申告

2023年度分における所得税等の確定申告期間は、2024年2月16日から2024年3月15日までです。この記事では、確定申告のやり方をご紹介します。

確定申告とは

所得税の確定申告とは、何らかの所得があった人が、税務署へその所得を申告することです。税務署は、その申告をもとに納税額を決定して、徴税します。

確定申告が必要な人

個人事業主は、所得税の確定申告が必要です。

給与所得がある人のうち、次のいずれかの条件に当てはまる人は、所得税の確定申告が必要です。

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える場合
  • 給与所得と退職所得以外に、20万円を超える所得がある場合
  • 複数の会社から給与を得ていて、年末調整していない給与が20万円を超える場合

上記いずれの条件にも当てはまらない給与所得者は、会社で年末調整することにより、確定申告が不要になります。

期間

所得税の確定申告は、毎年2月中旬から3月中旬までの期間に行います。

2024年の確定申告期間は、2024年2月16日から2024年3月15日までです。

2022年からの変更点

2022年の確定申告(令和3年度所得税)から、次の点が変更されます。

  • スマホがICカードリーダの代わりになります
  • 電子帳簿保存法の改正

スマホがICカードリーダの代わりになります

2022年1月4日から、パソコンの画面上に表示されるQRコードをスマホで読み取ることで、ICカードリーダを使用せずに、マイナンバーカード方式によるe-Tax送信ができるようになりました。

  1. パソコンの画面上に表示されるQRコードをスマホで読み取る
  2. マイナンバーカードをスマホで読み取る

この機能を利用できるウェブブラウザはGoogle ChromeおよびMicrofost Edgeです。Microsoft Internet Explorerでは利用できません。

電子帳簿保存法の改正

電子帳簿保存法とは「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法などの特例に関する法律」の略称で、国税関係の帳簿類などを電子データで保存することを認める法律です。

確定申告に使用した帳簿類は、原則として紙で保存する義務がありましたが、電子帳簿保存法により電子データによる保存が可能になりました。

確定申告に使用する領収書等を電子データで保存するためには、事前に所轄税務署に申請する必要がありましたが、2022年の電子帳簿保存法改正で事前申請が不要になりました。

e-Tax

国税庁サイトの「確定申告書等作成コーナー」では、確定申告書等を作成することができます。

e-Tax(電子申告)は確定申告開始より早く利用できるようになります。また、確定申告期間を過ぎても利用できます。

ChromeとEdgeがマイナンバーカード方式に対応

2020年分の確定申告から、Google ChromeとMicrosoft Edgeがマイナンバー方式のe-Taxに対応しました。

e-Tax対応環境
OS ブラウザ e-Taxで提出 印刷して提出
マイナンバーカード方式 ID・パスワード方式
Windows Google Chrome
Microsoft Edge
Firefox ×
Internet Explorer
Mac Safari
Android Google Chrome
iPhone Safari

e-Taxで提出(マイナンバーカード方式)

確定申告書の作成と税務署への申告をインターネットで行います。マイナンバー方式では、マイナンバーカードとICカードリーダーが必要です。

e-Taxで提出(ID・パスワード方式)

確定申告書の作成と税務署への申告をインターネットで行います。ID・パスワード方式では、あらかじめ税務署へ行ってIDとパスワードを発行してもらう必要があります。

管轄税務署で職員と対面による本人確認を行うと、後日IDとパスワードが郵送されてきます。本人確認には運転免許証などの本人確認書類が必要です。このIDとパスワードをe-Taxで使えば、マイナンバーカードとICカードリーダがなくても、オンラインで確定申告を行えます。

印刷して提出

確定申告書の作成をインターネットで行い、それを紙に印刷して、税務署へ持参または郵送します。

マイナポータル連携で簡単に確定申告できる

2021年1月から所得税の確定申告手続きにおいて、e-Taxとマイナポータルが連携できるようになり、控除証明書等の必要書類のデータを一括取得して、各種申告書への自動入力ができるようになります。

マイナポータル連携による確定申告
従来 マイナポータル連携
控除証明書 書面で受け取り
必要な時期まで保管
控除証明書作成の際にデータで一括取得
確定申告 手作業で作成 所定の項目に自動入力

マイナポータル連携を利用するには、控除証明書等の発行主体が対応している必要があります。

生命保険料控除証明書については、次の生命保険会社がマイナポータル連携に対応しています。

 
生命保険会社 民間送達サービス
朝日生命保険相互会社 e-私書箱
アフラック生命保険株式会社 e-私書箱
株式会社かんぽ生命保険 My Post
住友生命保険相互会社 e-私書箱
ソニー生命保険株式会社 e-私書箱
第一生命保険株式会社 e-私書箱
大同生命保険株式会社 e-私書箱
太陽生命保険株式会社 e-私書箱
東京海上日動あんしん生命保険株式会社 e-私書箱
日本生命保険相互会社 e-私書箱
三井住友海上あいおい生命保険株式会社 e-私書箱
明治安田生命保険相互会社 e-私書箱

次に示す損害保険会社が保険料控除証明書のマイナポータル連携に対応しています。

 
損害保険会社 民間送達サービス
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 e-私書箱
共栄火災海上保険株式会社 e-私書箱
損害保険ジャパン株式会社 e-私書箱
東京海上日動火災保険株式会社 e-私書箱
日新火災海上保険株式会社 e-私書箱
三井住友海上火災保険株式会社 e-私書箱

次に示す共済が保険料控除証明書のマイナポータル連携に対応しています。

 
共済 民間送達サービス
JA共済連(全国共済農業協同組合連合会) e-私書箱
都道府県民共済グループ(全国生活協同組合連合会) e-私書箱
こくみん共済 coop(全国労働者共済生活協同組合連合会) e-私書箱
CO・OP共済(日本コープ共済生活協同組合連合会) e-私書箱

住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書については、次がマイナポータル連携にしています。

 
銀行等 民間送達サービス
住宅金融支援機構 e-私書箱

次に示す証券会社が特定口座年間取引報告書のマイナポータル連携に対応しています。

 
証券会社 民間送達サービス
アイザワ証券株式会社 e-私書箱
あかつき証券株式会社 e-私書箱
池田泉州TT証券株式会社 e-私書箱
いちよし証券株式会社 e-私書箱
岩井コスモ証券株式会社 e-私書箱
エース証券株式会社 e-私書箱
auカブコム証券株式会社 e-私書箱
岡三オンライン証券株式会社 e-私書箱
岡地証券株式会社 e-私書箱
京銀証券株式会社 e-私書箱
きらぼしライフデザイン証券株式会社 e-私書箱
四国アライアンス証券株式会社 e-私書箱
静銀ティーエム証券株式会社 e-私書箱
十六TT証券株式会社 e-私書箱
ちばぎん証券株式会社 e-私書箱
中銀証券株式会社 e-私書箱
東海東京証券株式会社 e-私書箱
東洋証券株式会社 e-私書箱
とちぎんTT証券株式会社 e-私書箱
西日本シティTT証券株式会社 e-私書箱
野村證券株式会社 e-私書箱
八十二証券株式会社 e-私書箱
浜銀TT証券株式会社 e-私書箱
播陽証券株式会社 e-私書箱
百五証券株式会社 e-私書箱
ひろぎん証券株式会社 e-私書箱
ほくほくTT証券株式会社 e-私書箱
丸三証券株式会社 e-私書箱
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 e-私書箱
水戸証券株式会社 e-私書箱
めぶき証券株式会社 e-私書箱
山和証券株式会社 e-私書箱
ワイエム証券株式会社 e-私書箱

次に示すふるさと納税サイトがマイナポータル連携に対応しています。

マイナポータル連携できるふるさと納税サイト
ふるさと納税サイト 民間送達サービス
さとふる e-私書箱
ふるなび e-私書箱
楽天ふるさと納税 e-私書箱
ふるさとチョイス e-私書箱
地方公共団体 ふるさと納税e-Tax連携サービス

確定申告のやり方

e-Taxによる確定申告のやり方は次のとおりです。

マイナポータル連携

マイナポータル連携とは、年末調整や所得税確定申告の手続において、マイナポータル経由で、控除証明書等のデータを一括取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能です。

確定申告の事前準備

あらかじめマイナポータルと各種ウェブサイトをアカウント連携(事前準備)すると、マイナポータル経由で証明書等のデータを一括取得し、確定申告書の作成時に自動入力できます。

スマートフォン又はICカードリーダライタを使ってログインします。

スマートフォンを使ってログインする場合の手順を以下に示します。

  1. マイナポータルアプリをダウンロードする。
  2. 画面に表示されるQRコードをマイナポータルアプリで読み取る。
  3. 利用者証明書用電子証明書の暗証番号(4桁の数字)を入力する。
  4. スマートフォンでマイナンバーカードを読み取る。
  5. 「確定申告の事前準備」をタップする。
  6. 取得したい証明書等を選ぶ
  7. e-私書箱のアカウントと連携する

マイナポータル連携の事前準備

 

マイナポータル連携できる証明書等
分類 証明書等
医療費 医療費通知情報
ふるさと納税 寄附金の受領書
寄附金控除に関する証明書
社会保険料 国民年金保険料
国民年金基金掛金控除証明書
生命保険 生命保険料控除証明書
地震保険 地震保険料控除証明書
小規模企業共済等掛金控除 iDeCo(個人型確定拠出年金)
小規模企業共済掛金控除証明書
住宅ローン控除関係 住宅借入金等特別控除証明書
住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
給与 給与所得の源泉徴収票情報
公的年金等 公的年金等の源泉徴収票
株式の特定口座 特定口座年間取引報告書

収入金額・所得金額の入力

事業所得がある方は、青色申告なら決算書、白色申告なら収支内訳書を作成・提出する必要があります。

決算書または収支内訳書を作成するには、e-Taxの「収入・所得金額の入力」画面で、「決算書・収支内訳書作成コーナーへ」ボタンをクリックします。

決算書・収支内訳書作成コーナーへ

株式の配当

株式の配当には所得税と住民税がかかります。配当金は支払われるときに所得税と住民税が源泉徴収されるため、原則として確定申告の必要はありません。

配当控除

株式の配当などの配当所得があるときには、一定の方法で計算した金額の税額控除を受けることができます。これを配当控除といいます。配当控除を受けるためには、確定申告が必要です。

配当控除の対象となるのは、次のものです。

  • 株式の配当
  • 株式投資信託の分配

配当は申告分離課税ですが、配当控除を受けるには、総合課税を選択する必要があります。

所得が多い方の場合、総合課税を選択すると申告分離課税より税率が高くなることがあります。

配当控除の控除率
外貨建資産割合 非株式割合
50%以下 50%超 75%以下 75%超
50%以下 所得税 10%
住民税 3%
所得税 5%
住民税 1.4%
配当控除なし
50%超 75%以下 所得税 5%
住民税 1.4%
所得税 5%
住民税 1.4%
配当控除なし
75%超 配当控除なし 配当控除なし 配当控除なし

分離課税の所得

上場株式等の譲渡所得等

証券会社から特定口座年間取引報告書がXMLデータで提供されていれば、e-Taxでデータを読み込むことができます。手作業で数値等を入力する必要がないので、便利です。特定口座年間取引報告書をXMLデータで提供しているのは、次の証券会社です。

たとえば、楽天証券では特定口座年間取引報告書をPDFまたはXMLで提供しています。XMLで保存すれば、そのXMLファイルをe-Taxで読み込むことができます。

楽天証券の特定口座年間取引報告書

次の証券会社では特定口座年間取引報告書をXMLデータで提供していません。

特定口座年間取引報告書

特定口座年間取引報告書

クレジットカード払いができる

2017年1月から国税・消費税・法人税などをクレジットカードで支払うことができるようになりました。国税のクレジットカード払いは、専用のウェブサイト「国税クレジットカードお支払サイト」で納付手続きを行えます。

国税クレジットカードお支払サイトで使えるクレジットカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubなどで、主要なクレジットカードブランドはほとんど使用できます。

ただし、通常はクレジットカード加盟店が支払う手数料を、納税する方が負担することになります。決済手数料は、国税クレジットカードお支払サイトのトップページをご覧ください。

参考文献

国税庁 (2021) 法第7条(電磁的記録による保存等の承認に係る変更)関係
国税庁 (2022)【確定申告書等作成コーナー】-スマホがICカードリーダライタの代わりになります
Amzon.com (2021) 電子帳簿保存法の改定内容とは?領収書はデータで管理できる時代に
国税庁 (2022) マイナポータルを活用した年末調整及び所得税確定申告の簡便化

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