東急株式会社が個人向け社債「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」を2024年12月16日に発行します。
期間
約5年
利率
年0.78%〜1.18%(税引前)
発行スケジュール
「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」の条件決定から償還までのスケジュールは以下のとおりです。
- 2024.11.29条件決定
- 2024.12.2募集開始
- 2024.12.13募集終了
- 2024.12.16発行
- 2025.6.16利払い
- 2025.12.16利払い
- 2026.6.16利払い
- 2026.12.16利払い
- 2027.6.16利払い
- 2027.12.16利払い
- 2028.6.16利払い
- 2028.12.16利払い
- 2028.6.16利払い
- 2029.12.14利払い・償還
条件決定日
2024年11月29日
募集期間
2024年12月2日~2024年12月13日
発行日
2024年12月16日
利払日
毎年6月16日および12月16日(年2回)
償還日
2029年12月14日
発行価格
額面100円につき100円
申込単位
額面100万円単位
発行額
100億円
手取金の使途
設備資金、投融資資金、社債償還資金及び借入金返済資金に充当する予定です。なお、「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」の発行による手取金は、全額を「クリーンな輸送(新型車両の導入等)」、「安全・安心のための鉄道関連インフラ」及び「気候変動対応(鉄道事業に関する自然災害対策)」に要した新規支出または既存支出のリファイナンスに充当する予定です。
発行体
「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」の発行体(債券の発行元)は東急株式会社です。東急株式会社の業績は次のとおりです。
2023年3月期 | 2024年3月期 | |
---|---|---|
営業収益 | 931,293 | 1,037,819 |
営業利益 | 44,603 | 94,905 |
経常利益 | 47,369 | 99,292 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 25,995 | 63,763 |
格付投資情報センター(R&I)および日本格付研究所(JCR)による各鉄道会社の長期発行体格付は以下のとおりです。
格付 | R&I | JCR |
---|---|---|
AAA | 東日本旅客鉄道 東海旅客鉄道 東京地下鉄 |
|
AA+ | 東日本旅客鉄道 | 西日本旅客鉄道 |
AA | 関西高速鉄道 東海旅客鉄道 西日本旅客鉄道 東京地下鉄 |
東京臨海高速鉄道 日本貨物鉄道 京王電鉄 阪急阪神ホールディングス |
AA- | 九州旅客鉄道 日本貨物鉄道 京王電鉄 阪急阪神ホールディングス |
東急 小田急電鉄 |
A+ | 東急 小田急電鉄 京成電鉄 |
名古屋鉄道 西日本鉄道 横浜高速鉄道 京浜急行電鉄 |
A | 東武鉄道 名古屋鉄道 西日本鉄道 京浜急行電鉄 |
東武鉄道 南海電気鉄道 |
A- | 南海電気鉄道 西武ホールディングス |
西武ホールディングス |
BBB+ | 近鉄グループホールディングス | 近鉄グループホールディングス 山陽電気鉄道 |
BBB | 山陽電気鉄道 |
格付
「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」は、格付投資情報センター(R&I)および日本格付研究所(JCR)から長期個別債務格付を取得しています。
格付機関 | 格付 |
---|---|
R&I | A+ |
JCR | AA- |
格付投資情報センター
「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」は、格付投資情報センター(R&I)から「A+」の格付を取得しています。R&Iによる格付事由は次のとおりです。
鉄道、不動産、ホテル、百貨店、食品スーパー、ケーブルテレビなど多岐にわたる事業を展開する。沿線とする東京都南部から神奈川県北部は住宅地として人気が高く、人口流入が続くなど営業基盤に恵まれている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で鉄道や流通、ホテルの収入低迷が続いている。鉄道ではリモートワークの影響が比較的大きく定期収入の回復が遅れている。ダイヤ改正やメンテナンス方法の見直しなど構造改革を進めるほか、2022年1月には運賃改定を申請しており、収支は改善に向かいそうだ。
都心など好立地に多数物件を保有する不動産業はコロナ下にあって収益を底支えしている。2021年度第2四半期には保有ビルの売却で大きな利益を上げた。
2021年12月末時点の株主資本は6886億円、同比率は27.5%と財務基盤は堅固で、格付に見合う財務耐久力を有する。大規模開発プロジェクトが一段落したことで、投資水準は以前より落ち着いている。中期3か年計画(2021年度-2023年度)では、有利子負債EBITDA倍率を7倍台に回復することを目指しており、財務健全性を重視する方針だ。今後の収益回復と投資の選別でキャッシュフローと債務のバランスを改善していけるか注目していく。
日本格付研究所
「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」は、日本格付研究所(JCR)から「AA-」の格付を取得しています。JCRによる格付事由は次のとおりです。
JCRでは22年5月26日に当社の債券格付を「AA-」と公表した。その後、信用力に影響を及ぼす事象は発生していない。23/3期営業利益は400億円(前期比26.8%増)の計画。不動産事業での前期の大型物件販売の反動減はあるものの、鉄道、バス、ホテルの需要回復などにより増益となる見通し。また鉄道の運賃改定や事業構造改革による固定費の削減などの施策は順調である。一方、足元では動力費が上昇しているため、今後の営業利益の回復状況を確認していく。本件の調達資金は「サステナビリティ・ビルディング(歌舞伎町一丁目地区開発計画(東急歌舞伎町タワー))」、「クリーンな輸送(新型車両の導入等)」、「安全・安心のための鉄道関連インフラ」、「気候変動対応(鉄道事業に関する自然災害対策)」、「サテライトシェアオフィス(NewWork)」及び「nexus 構想」に要した既存支出のリファイナンスなどに充当される予定であり、財務構成への影響はない。
社債間限定同順位特約
「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」には担保がありませんが、社債間限定同順位特約がついています。
社債間限定同順位特約とは、東急株式会社が今後担保付きの社債を発行する場合は、「東急株式会社第13回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド)」にも同様に担保をつけるという特約です。
担保なしの債券より担保つきの債券の方が債権の回収優先順位が高いため、あとから発行された社債によって不利な扱いがされないという保証になります。
実際に担保がつけられることはほとんどなく、東急株式会社が担保つきの社債を発行する意思がないという表明です。
販売会社
以下に示す金融機関で「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」を販売しています。
金融機関 | 引受額 |
---|---|
みずほ証券 | 未定 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 未定 |
大和証券 | 未定 |
SMBC日興証券 | 未定 |
野村證券 | 未定 |
東海東京証券 | 未定 |
岡三証券 | 未定 |
SBI証券 | 未定 |
大和証券
大和証券では「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」の買付注文については、インターネット(オンライントレード)では取り扱っていません。「ダイワ・コンサルティング」コースの顧客は本・支店・営業所で、「ダイワ・ダイレクト」コースの顧客はコンタクトセンターで取り扱っています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券ではネットで「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」を取り扱っています。
みずほ証券
みずほ証券では対面取引、コールセンター取引およびインターネット取引(ネット倶楽部)で「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」を取り扱っています。
SMBC日興証券
SMBC日興証券では「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」の買付注文をオンライントレードでも取り扱っています。
SBI証券
SBI証券では「東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)」の買付注文をオンライントレードで取り扱っています。
発行実績
東急株式会社は過去に以下に示す個人向け社債を発行しています。
銘柄 | 発行日 | 期間 | 利率 |
---|---|---|---|
第13回無担保社債 | 2022年12月15日 | 5年 | 0.49% |
第9回無担保社債 | 2021年12月22日 | 5年 | 0.17% |
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個人向け社債や信用格付について詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考文献
東急株式会社 (2022) 「サステナビリティボンド」および「サステナビリティ・リンク・ボンド」の発行条件決定 環境問題・社会課題双方の解決に貢献する第13回・第14回無担保社債の発行について
東急株式会社 (2024) 決算短信・説明会資料
東急株式会社 (2022) 社債・格付情報
株式会社格付投資情報センター (2022) NEWS RELEASE
株式会社日本格付研究所 (2022) News Release
土屋剛俊 (2017) 入門 社債のすべて 発行プロセスから分析・投資手法と倒産時の対応まで
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